“辭(じ)” の例文
新字:辞
それが一の子分ガラツ八に對する、何よりの好意であり、最上等の歡迎の辭(じ)であることは、ガラツ八自身もよく心得て居りました。
僕(ぼく)の十二の時(とき)です。僕(ぼく)は父母(ふぼ)に從(したが)つて暫(しばら)く他國(たこく)に出(で)て居(ゐ)ましたが、父(ちゝ)が官(くわん)を辭(じ)すると共(とも)に、故郷(くに)に歸(かへ)りまして、僕(ぼく)は大島小學校(おほしませうがくかう)といふに入(はひ)りました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
君(きみ)因(よ)つて呉起(ごき)を召(め)して(一〇二)與(とも)に歸(かへ)り、即(すなは)ち(一〇三)公主(こうしゆ)をして怒(いか)つて君(きみ)を輕(かろ)んぜしめよ。呉起(ごき)、公主(こうしゆ)の・君(きみ)を賤(いや)しむを見(み)ば、則(すなは)ち必(かなら)ず辭(じ)せん
而(さう)して程(ほど)なく或人(あるひと)の世話(せわ)で郡立學校(ぐんりつがくかう)の教師(けうし)となつたが、其(そ)れも暫時(ざんじ)、同僚(どうれう)とは折合(をりあ)はず、生徒(せいと)とは親眤(なじ)まず、此(こゝ)をも亦(また)辭(じ)して了(しま)ふ。其中(そのうち)に母親(はゝおや)は死(し)ぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
辭(じ)して表(おもて)へ出(で)て、又(また)月(つき)のない空(そら)を眺(なが)めた時(とき)は、其(その)深(ふか)く黒(くろ)い色(いろ)の下(もと)に、何(なん)とも知(し)れない一種(いつしゆ)の悲哀(ひあい)と物凄(ものすご)さを感(かん)じた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
嘗(かつ)て雨(あめ)のふる夜(よ)、其(そ)の人(ひと)の家(いへ)より辭(じ)して我家(わがや)に歸(かへ)ることありしに、固(もと)より親(おや)いまさず、いろと提灯(ちやうちん)は持(も)たぬ身(み)の、藪(やぶ)の前(まへ)、祠(ほこら)のうしろ、左右(さいう)畑(はたけ)の中(なか)を拾(ひろ)ひて
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つとめある身(み)なれば正雄(まさを)は日毎(ひごと)に訪(と)ふ事(こと)もならで、三日(みつか)おき、二日(ふつか)おきの夜(よ)な/\車(くるま)を柳(やなぎ)のもとに乘(の)りすてぬ、雪子(ゆきこ)は喜(よろこ)んで迎(むか)へる時(とき)あり、泣(な)いて辭(じ)す時(とき)あり
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼是と云れては却(かへつ)て痛み入なり平に受納(うけをさ)めらるべしと種々(さま/″\)に云ければ忠八今は辭(じ)し難(がた)く二包の金子を押戴(おしいたゞ)き然(さら)ば是にてお別れ申さんと云を佐太夫も止め兼(かね)て呉々(くれ/″\)も首尾能(しゆびよく)本望(ほんまう)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
斯(か)くして四時(じ)頃(ごろ)に發掘(はつくつ)を止(や)め、同邸(どうてい)を辭(じ)し、公爵(こうしやく)は汽車(きしや)にて歸京(ききやう)せられ、博士(はかせ)と水谷氏(みづたにし)とは、余(よ)と共(とも)に權現臺(ごんげんだい)の遺跡(ゐせき)を廻(まは)り、それから、わが太古遺物陳列所(たいこゐぶつちんれつじよ)に立寄(たちよ)つて、故(こ)飯田氏(いひだし)の採集品(さいしふひん)を一見(けん)し
而(しか)るに伯夷(はくい)・叔齊(しゆくせい)之(これ)を恥(は)ぢ、義(ぎ)、周(しう)の(三四)粟(ぞく)を食(くら)はず、首陽山(しゆやうざん)に隱(かく)れ、薇(び)を采(と)つて之(これ)を食(くら)ふ。餓(う)ゑて且(まさ)に死(し)せんとするに及(およ)んで歌(うた)を作(つく)る。其(そ)の辭(じ)に曰(いは)く
植村家で名題の腕利き、純情で、忠義で、奧方の爲には水火も辭(じ)さないのは、この人でなければなりません。
折(をり)から子(こ)を背(せな)に、御新造(ごしんぞ)一人(いちにん)、片手(かたて)に蝙蝠傘(かうもりがさ)をさして、片手(かたて)に風車(かざぐるま)をまはして見(み)せながら、此(こ)の前(まへ)を通(とほ)り行(ゆ)きぬ。あすこが踏切(ふみきり)だ、徐々(そろ/\)出懸(でか)けようと、茶店(ちやてん)を辭(じ)す。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
借(か)りしも二度(にど)三度(さんど)車夫(しやふ)亦(また)道(みち)に委(くは)しからずやあらん未(いま)だ此職(このしよく)に馴(な)れざるにやあらん同(おな)じ道(みち)行返(ゆきかへ)りて困(かう)じ果(は)てもしたらんに強(つよ)くいひても辭(じ)しもせず示(しめ)すが儘(まゝ)の道(みち)を取(と)りぬ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼(かれ)は半年(はんとし)も無職(むしよく)で徘徊(うろ/\)して唯(たゞ)パンと、水(みづ)とで生命(いのち)を繋(つな)いでゐたのであるが、其後(そのご)裁判所(さいばんしよ)の警吏(けいり)となり、病(やまひ)を以(もつ)て後(のち)に此(こ)の職(しよく)を辭(じ)するまでは、此(こゝ)に務(つとめ)を取(と)つてゐたのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
宗助(そうすけ)は其所(そこ)で辭(じ)して歸(かへ)れば可(よ)かつたのである。又(また)辭(じ)して歸(かへ)らうとしたのである。所(ところ)が主人(しゆじん)からまあ緩(ゆつ)くりなさいと云(い)つて留(と)められた。主人(しゆじん)は夜(よ)は長(なが)い、まだ宵(よい)だと云(い)つて時計(とけい)迄(まで)出(だ)して見(み)せた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
是(ここ)に於(おい)て呉起(ごき)、公主(こうしゆ)の・魏(ぎ)の相(しやう)を賤(いや)しむを見(み)、(一〇四)果(はた)して魏(ぎ)の武矦(ぶこう)に辭(じ)す。武矦(ぶこう)之(これ)を疑(うたが)うて信(しん)ぜず。呉起(ごき)、罪(つみ)を得(う)るを懼(おそ)れ、遂(つひ)に去(さ)り、即(すなは)ち楚(そ)に之(ゆ)く。
尤(もつと)も彼(かれ)の前(まへ)にも車(くるま)が續(つゞ)いた。爾時(そのとき)、橋(はし)の上(うへ)をひら/\肩裾(かたすそ)の薄(うす)く濃(こ)く、月下(げつか)に入亂(いりみだ)れて對岸(たいがん)へ渡(わた)つた四五人(にん)の影(かげ)も見(み)えた。其等(それら)は徒歩(かち)で、些(ち)と早(はや)めに宴會(えんくわい)を辭(じ)した連中(れんぢう)。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
彼(かれ)は坂井(さかゐ)を辭(じ)して、家(うち)へ歸(かへ)る途中(とちゆう)にも、折々(をり/\)インヷネスの羽根(はね)の下(した)に抱(かゝ)へて來(き)た銘仙(めいせん)の包(つゝみ)を持(も)ち易(か)へながら、それを三圓(ゑん)といふ安(やす)い價(ね)で賣(う)つた男(をとこ)の、粗末(そまつ)な布子(ぬのこ)の縞(しま)と、赤(あか)くてばさ/\した髮(かみ)の毛(け)と
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
辭(じ)することの出來(でき)ぬ院長(ゐんちやう)は、隱(かくし)から十錢(せん)を出(だ)して彼(かれ)に遣(や)る。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
穰苴(じやうしよ)既(すで)に((君ヲ))辭(じ)し、莊賈(さうか)と約(やく)して曰(いは)く、『(六)旦日(たんじつ)(七)日中(につちう)軍門(ぐんもん)に會(くわい)せよ』と。穰苴(じやうしよ)先(ま)づ馳(は)せて軍(ぐん)に至(いた)り、(八)表(へう)を立(た)て(九)漏(ろう)を下(くだ)して賈(か)を待(ま)つ。
... 直々(ぢき/\)御訴訟(ごそしよう)は恐(おそ)れ入(い)り候(さふらふ)が、此儀(このぎ)は平(ひら)に御免(ごめん)下(くだ)さるべく候(さふらふ)」と辭退(じたい)すれば、老公(らうこう)、「謙讓(けんじやう)もものにぞよる、君(きみ)より命(めい)ぜられたる重荷(おもに)をば、辭(じ)して荷(にな)はじとするは忠(ちう)にあらず、 ...
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
起(き)、留心(りうしん)有(あ)らば、則(すなは)ち必(かなら)ず之(これ)を受(う)けん、留心(りうしん)無(な)くば則(すなは)ち必(かなら)ず辭(じ)せん。(一〇一)此(これ)を以(もつ)て之(これ)を卜(ぼく)せよ
都(みやこ)なる父母(ふぼ)は歸(かへ)り給(たま)ひぬ。舅(しうと)姑(しうとめ)、知(し)らぬ客(きやく)許多(あまた)あり。附添(つきそ)ふ侍女(じぢよ)を羞(はぢ)らひに辭(じ)しつゝ、新婦(よめぎみ)の衣(きぬ)を解(と)くにつれ、浴室(ゆどの)颯(さつ)と白妙(しろたへ)なす、麗(うるは)しき身(み)とともに、山(やま)に、町(まち)に、廂(ひさし)に、積(つも)れる雪(ゆき)の影(かげ)も映(さ)すなり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
然(しか)れども善(よ)く(二五)書(しよ)を屬(しよく)し辭(じ)を離(つら)ね、事(こと)を指(さ)し情(じやう)を類(るゐ)し、用(もつ)て(二六)儒(じゆ)・墨(ぼく)を剽剥(へうはく)す。當世(たうせい)の(二七)宿學(しゆくがく)と雖(いへど)も(二八)自(みづか)ら解免(かいめん)すること能(あた)はざる也(なり) 其言(そのげん)(二九)洸洋自恣(くわうやうじし)以(もつ)て己(おのれ)に適(かな)ふ。
此(こゝ)に於(おい)て杢(もく)は最早(もはや)辭(じ)するに言(ことば)無(な)く
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)