“強”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
し40.9%
つよ15.3%
あなが8.3%
た7.2%
したた4.8%
きつ3.5%
したゝ3.5%
しい3.2%
こわ2.8%
しひ1.5%
こは0.9%
じ0.9%
つえ0.7%
ごう0.6%
たつ0.5%
した0.4%
づよ0.4%
ひど0.4%
き0.3%
たっ0.3%
あながち0.3%
ごわ0.3%
きょう0.3%
あな0.2%
えら0.2%
しっ0.1%
こわば0.1%
シ0.1%
がう0.1%
ぎつ0.1%
ごは0.1%
しか0.1%
つ0.1%
むり0.1%
ツヨ0.1%
つを0.1%
おし0.1%
つよき0.1%
いこ0.1%
おず0.1%
こ0.1%
しいて0.1%
す0.1%
つお0.1%
つと0.1%
つよみ0.1%
なにがし0.1%
アナガ0.1%
キョウ0.1%
コハ0.1%
ゴハ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女はそれがまんざらでもないらしくあしらい乍(なが)ら強(し)いて彼に引き寄せられまいとしてジョーンの左腕にすがって居るようにも見える。
決闘場 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
むかし、金太郎(きんたろう)という強(つよ)い子供(こども)がありました。相模国(さがみのくに)足柄山(あしがらやま)の山奥(やまおく)に生(う)まれて、おかあさんの山うばといっしょにくらしていました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
さりながら嬢と中川は向う側にあり、客の三人此方(こなた)に並んで坐(ざ)せり。結句(けっく)この方が嬢の顔を見られて都合好しと大原は強(あなが)ちに悔(くや)まず。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
と、その高山隊の使番のごときは、強(た)って、瀬兵衛の馬の口をつかみ、遮二無二、後方へ曳き退がろうとした程だったが、瀬兵衛は
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
捨身の庖丁に強(したた)か胸を刺されて、一人がだあっと襖(ふすま)もろ共倒れる。その脇から、残った一人が短刀を抜きざま正吉の脾腹(ひばら)へひと突き
お美津簪 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
じゃあ吾家(うち)の母様(おっかさん)の世話にもなるまいというつもりかエ。まあ怖しい心持におなりだネエ、そんなに強(きつ)くならないでもよさそうなものを。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
五十前後のよく禿げた男、愛想は好いが強(したゝ)かな感じのするのが、お蝶の死骸を遠眼で見て、先づ平次に一應の挨拶をするのでした。
言うまでもなく非常に止められたが遂には、この場合無理もない、強(しい)て止めるのは却って気の毒と、三百円の慰労金で放免してくれた。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「荷物をおろして下さるか、お祭りを停めて下さるか、さあ、どっちですって、あたし、今朝っから強(こわ)談判をしているところなのよ」
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
と云ふ決心が出来れば、或は二つの情願が、死の刹那に融合してしまふ様にもならうか、之とて今の亨一に強(しひ)ることが出来なかつた。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
それでもいけない時は、法來坊が四十八貫の鐵棒を持つて押し出し、大地を叩いての強(こは)談判だ。大抵の者は顫へ上がつてしまひますよ
飛鳥山(あすかやま)の茶店で多勢(おおぜい)芸者や落語家(はなしか)を連れた一巻(いちまき)と落ち合って、向うがからかい半分に無理強(じ)いした酒に、お前は恐ろしく酔ってしまって
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
やつくれえばかに運の強(つえ)えやつアねえぜ。博(ぶつ)ちゃア勝つ、遊んで褒美(ほうび)はもれえやがる、鉄砲玉ア中(あた)りッこなし。運のいいたやつのこっだ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
さすがは奥地第一の雄藩に禄を喰(は)む若侍だけあって、どうやらこの道の相当強(ごう)の者らしいのです。と見えたのはしかし四本目までのことでした。
嫌(きら)ひ鎌倉の尼寺(あまでら)へ夜通の積(つも)りにて行れるなり出入の駕籠舁(かごかき)善六といふが強(たつ)ての頼み今夜は茲(こゝ)に泊られしなりと聞かぬ事まで喋々(べら/\)と話すを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼はもう強(した)たかに酔っているらしく、あやうく倒れそうになるところをやっと片足で支えると、こんどは猛然として攻勢に出てきた。
学校騒動 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
いかにもねばり強(づよ)い、あきらめにくい悲(かな)しみの心(こゝろ)が、ものゝ纏(まと)ひついたように、くね/\した調子(ちようし)の現(あらは)れてゐるのが感(かん)じられませう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
その御心配は御道理(ごもっとも)ですが、外から何様(どん)な物が打付(ぶッつか)っても釘の離れるようなことア決してありませんが中から強(ひど)く打付けては事によると離れましょう
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼は酒の酔ひもさめたと見えて、興奮し、そのために稍強(き)つい、輪郭のはつきりした顔立ちになつて、一心に土手の方を注視してゐた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
煙管でもって打(ぶ)ったり叩いたりして辛くって堪らないから、何卒(どうぞ)親方半治さんの胸を聞いて、強(たっ)て半治さんが嫌(いや)と云うなら私は海へでも飛込んで死にますから
「他人(あだしひと)のいうことをまことしくおぼして、強(あながち)に遠ざけ給わんには、恨み報(むく)いん、紀路(きじ)の山々さばかり高くとも、君が血をもて峰より谷に灌(そそ)ぎくださん」
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「もう一名のものは、なかなか手強(ごわ)く、後より加勢をやって追い詰めておりますから、程なく縛(ばく)についてくることと存じます」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
直径が一メートル強(きょう)もあって、非常に重かった。そしてその上には、楕円形(だえんけい)の穴が明いていた。十五糎(センチ)に二十糎だから、円に近い。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
人は自分の情操を書き送るのに、強(あな)がちインキで指を汚すばかりじゃない。それを花に托(かこつ)けて、送る事も出来るだろうと思うのだよ
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
いえ、ただ通懸(とおりかか)った者でがんすがその方が強(えら)くお塩梅(あんばい)の悪い様子、お案じ申して、へい、故意(わざと)。という声耳に入りたりけん。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「小金井さんは、ふらんすの翻訳。若松賤子は英語もので、両方とも強(しっ)かりしている。若松賤子は明治女学校の校長さんの夫人で、巌本嘉志子(かしこ)というのが本名だ。」
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
強(こわば)った様な頬付をして病気の様な眼をして居る様子を見ると、その心配にどれ位お久美さんは悩まされて居るかと云う事が思いやられて
お久美さんと其の周囲 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
庚申待ちの盗孕(タウヨウ)、泉北郡百舌鳥(モズ)村の暮から正月三日へかけての、百舌鳥精進のやうなのが此である。此は禁欲を強(シ)ふる仏道・儒教の影響があるのではないかと思ふ。
盆踊りと祭屋台と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
心得居かと申されければ藤八進(すゝ)み出右の儀は先日申上し通り九助宅(たく)にて村中惣振舞(そうふるまひ)の節惣内事強(がう)情を申募(つの)り居に付き其前日私方へ騙(かた)りに參(まゐ)りし時落(おと)して行(ゆき)し里よりの文(ふみ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
適(たま)に晴間を見せて、薄日が射すと、反(かえ)ってあたりは醜くなる。太陽の輝く都会は僕にとっては余りにど強(ぎつ)い。
それは頑迷固陋に似て、ややそれとも違ふ、もつと爽やかなものさへ含んでゐる異常な手強(ごは)さ、鋭さであつた。
荒天吉日 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
或時(あるとき)故人(こじん)鵬斎先生(ばうさいせんせい)より菓子一折(をり)を贈(おく)れり、その夜寝(いね)んとする時狐の事をおもひ、かの菓子折を紵縄(をなは)にて強(しか)と縛(くゝ)し天井(てんじやう)へ高く釣(つ)りおき、かくてはかれが術(じゆつ)も施(ほどこ)しがたからんと自(みづから)傲(ほこ)りしに
「よオ、兄、この犬きつと強(つ)えどう。隣の庄、この犬、狼んか弱いんだつてきかねえんだ。嘘だなあ、兄。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
手軽に考へたいかさま学説を強(むり)に社会へ押売にするのは、豪(えら)い大伎倆(だいぎりやう)で。茲(ここ)が学者の学者たる価値(しんしやう)かも知れんが、俺は何だか虫が好かんのだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
併し此処は真淵(まぶち)が万葉考(まんようこう)で、「日はてらせれどてふは月の隠るるをなげくを強(ツヨ)むる言のみなり」といったのに従っていいと思う。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
俺(お)れにや打(ぶ)ち出(だ)されつとも、此(こ)んで俺(お)ら力(ちから)は強(つを)かつたかんな、仕事(しごと)ぢや卯平(うへい)も強(つを)かつたが、かうだ大(えけ)え體格(なり)して相撲(すまふ)ぢや俺(お)れにやかたでぺた/\だ。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
幼年より病身(びやうしん)と雖も御惣領(ごそうりやう)なれば強(おし)て家督(かとく)に立給しが綱教卿も同年九月九日御年廿六歳(さい)にて逝去(せいきよ)なり然るに次男(じなん)頼職卿(よりなりきやう)も早世(さうせい)なるに依(より)紀伊家は殆(ほとん)ど世繼(よつぎ)絶(たえ)たるが如し三男(なん)信房卿同家へ養子(やうし)と成(なら)せられて間(ま)は無(なけ)れ共外に御血筋(ちすぢ)なき故まづ左京太夫頼純(よりすみ)の四男宗通(むなみち)の次男を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とまり山をするもの、このふぢづるなければ水をくむ事ならず、よしや縄(なは)を用ふとも此藤の強(つよき)にはおよぶまじ。このゆゑに泊り山するものら、此蔓(つる)を宝(たから)のごとく尊(たふと)ぶとぞ。
「されば宮中にても御内議ありとうかがったせつ、義貞は強(いこ)う不本意でござると、申したことはたしかです」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここに女鳥の王、速總別の王に語りて曰はく、「大后の強(おず)き二に因りて、八田の若郎女を治めたまはず三。かれ仕へまつらじと思ふ。吾(あ)は汝が命の妻(め)にならむ」といひて、すなはち婚(あ)ひましつ。
強(こ)わそうな長い睫毛(まつげ)で手拭の白い布地をぐっとおしあげたかと思われた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
徒(いたずら)に 強(しいて)聒(ものい)ふと謂(おも)ふ勿(なか)れ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なぜと云うに、縦(よ)しや強(す)ねてことわって見たい情はあるとしても、卑怯(ひきょう)らしく退嬰(たいえい)の態度を見せることが、残念になるに極(き)まっているからである。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
今日(けふ)は白いものを薄く塗(ぬ)つてゐる。けれども本来の地(ぢ)を隠(かく)す程に無趣味ではなかつた。濃(こま)やかな肉(にく)が、程よく色づいて、強(つお)い日光(ひ)に負(め)げない様に見える上を、極めて薄く粉が吹いてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
万作も少しは塩梅(あんばい)も宜いから、強(つと)めて起きて、親子三人大骨折して後の山にようよう雨露を凌ぐばかりの仮小屋を建てて其処に住んだ。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
師かく曰へり、彼速かに嘗てエルクレにその強(つよみ)をみせし手を伸べてわが導者を取れり 一三〇—一三二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
元金(もときん)の上に借用当時から今日(こんにち)までの制規の利子が一ヶ年分と、今度払ふべき九十円の一月分を加へて三百九十円かね、それに対する三月分の天引が百十七円強(なにがし)
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
竹中ハ総軍ヲ己レノ任トシ、強(アナガ)チニ小事ニ精(クハ)シカラズ、万(ヨロヅ)自然ニ任セタリ。彼、先駆(サキガケ)、殿(シンガリ)ニアルトキハ、軍中何トナク心ヲ安ンジタリ。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
足の踝(クルブシ)が、膝の膕(ヒツカガミ)が、腰のつがひが、頸(クビ)のつけ根が、顳顬(コメカミ)が、ぼんの窪が——と、段々上つて来るひよめきの為に蠢(ウゴメ)いた。自然に、ほんの偶然強(コハ)ばつたまゝの膝が、折り屈められた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
扨、かのてんごおもやはり、此と同じく、手強(テゴハ)の義で手強(ゴハ)うする>てごわうする>てごお(する)>てごお>てんごお、と言ふ風に、名詞化して来たと見るべきであらう。
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)