“善”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よ63.0%
い20.3%
ぜん7.1%
よし1.7%
え1.5%
ゆ1.5%
よき0.7%
ヨ0.7%
よく0.5%
いい0.5%
ほ0.5%
よか0.2%
うるは0.2%
そ0.2%
はなは0.2%
よけ0.2%
よみ0.2%
よろこ0.2%
ボンテ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どうせ文鳥を飼うなら、こんな暖かい季節に、この縁側へ鳥籠を据(す)えてやったら、文鳥も定めし鳴き善(よ)かろうと思うくらいであった。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
四五日(しごんち)すると夫人が来る。そこで今度は二人してまた東西南北を馳(か)け廻った揚句の果(はて)やはりチェイン・ローが善(い)いという事になった。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私(わし)はその前刻(さつき)から何(なん)となく此(この)婦人(をんな)に畏敬(ゐけい)の念(ねん)が生(しやう)じて善(ぜん)か悪(あく)か、何(ど)の道(みち)命令(めいれい)されるやうに心得(こゝろえ)たから、いはるゝままに草履(ざうり)を穿(は)いた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
「大理石の様模(はだ)をあたうるには、随意(おもう)ところの一色を塗り、これに脈理を施して天然のものに擬(まぎら)し、後に落古(ラッカ)を被(き)せて艶(つや)出しするを善(よし)とす——。」
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「あゝ善(え)え處(とこ)だ、よう、おつぎ、少(ちつ)と此處(ここ)まで來(き)てくんねえか」といつた。彼(かれ)は百姓(ひやくしやう)の間(あひだ)には馬(うま)を曳(ひ)いて歩(ある)く村落(むら)の博勞(ばくらう)であつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「ほんたうにおありがどござんす。暖ぐなったらど思ってゐあんすたどもやっぱりその通りで善(ゆ)ぐもならなぃで。」
山地の稜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
これより烈(はげ)しき言(ことば)をこそもちゐめ、汝等の貪りは世界に殃(わざはひ)し善(よき)を踏みしき悖(もと)れるを擧ぐ 一〇三—一〇五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
また「蓬善(ヨ)ク転旋シ、直達スル者ニ非ザルナリ」とも、また「飛蓬ハ飄風ニ遇テ行ク、蓋シ蓬ニハ利転ノ象アリ、故ニ古ヘハ転蓬ヲ観テ車ヲ為(ツク)ルヲ知ル」
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
さて元禄の頃(ころ)高田の御城下に細井昌庵(ほそゐしやうあん)といひし医師ありけり。一に青庵といひ、俳諧(はいかい)を善(よく)して号(がう)を凍雲(とううん)といへり。
オヤ善かッたかい、そうかい、運の善方(いいかた)は何方(どっち)へ廻ッても善(いい)んだネー。それというが全躰(ぜんたい)あの方は如才がなくッて発明で、ハキハキしてお出でなさるからだヨ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
しかるに学殖の富衍(ふえん)なる、老師宿儒もいまだ及ぶに易からざるところのものあり。まことに畏敬すべきなり。およそ人の文辞に序する者、心誠これを善(ほ)め、また必ず揚※(ようかく)をなすべきあり。
呼寄(よびよせ)て相談しけるに此お粂は元來(もとより)生質(うまれだて)善(よか)らぬ者なれば唯手前勝手の事のみ言て一向(かう)世話(せわ)もなさゞれば母は大いに立腹(りつぷく)なし親の難儀(なんぎ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「我が汝兄(なせ)の命の上り來ます由(ゆゑ)は、かならず善(うるは)しき心ならじ。我が國を奪はむとおもほさくのみ」と詔りたまひて、すなはち御髮(みかみ)を解きて、御髻(みみづら)に纏かして二、左右の御髻にも、御鬘(かづら)にも
よね お前(まい)がそぎやん云ふなら、そツで善(そ)かこてしとこう。こん籠(かげ)にや果物(くだもん)と菓子ばちつとばつかり入れといたばい。そるから、もう忘れもんななかろね。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
 清光(せいこう) 偏(ひと)えに照らす 善(はなは)だ愁(うれ)うの人〕
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
盡し大岡殿より御褒美(ごはうび)を戴(いゞた)きし津國屋の嫁お菊にて其後人の世話(せわ)により舊(もと)習(なら)ひ覺(おぼえ)し藝(げい)の善(よけ)れば斯る業(なりは)ひに世を送りしなり然ば狂言(きやうげん)とは夢(ゆめ)にも知ず吾助は足に任(まか)せて急(いそ)ぐ程に芝神明前を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
孫臏(そんびん)、(二〇)刑徒(けいと)を以(もつ)て陰(ひそか)に見(み)て齊(せい)の使(つかひ)に説(と)く。齊(せい)の使(つかひ)、以(もつ)て奇(き)と爲(な)し、竊(ひそか)に載(の)せて與(とも)に齊(せい)に之(ゆ)く。齊(せい)の將(しやう)・田忌(でんき)、(二一)善(よみ)して之(これ)を(二二)客待(かくたい)す。忌(き)數〻(しばしば)齊(せい)の諸公子(しよこうし)と(二三)驅逐重射(くちくちようせき)す。
煙草(たばこ)に気が附いた時鏡子は好(い)い事をしたと思つた。廃(や)めた事をあんなに良人(をつと)から善(よろこ)ばれた煙草(たばこ)だからと、さう思ふのであるが水色の煙が鼻の前に靡(なび)くのを見ると堪(た)へ難くなつて座を立つた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
彼らの中の最大な一人、その生涯を今ここに我々が物語るところのその人がいったとおりに「私は善(ボンテ)以外には卓越の証拠を認めない。」