“余”のいろいろな読み方と例文
旧字:餘
読み方割合
よ35.9%
あんま20.5%
あま16.2%
あまり14.7%
あん4.5%
あと2.2%
われ1.1%
あんまり0.9%
ほか0.9%
あ0.6%
わ0.4%
よっ0.4%
のこ0.4%
わし0.4%
あまっ0.2%
よつ0.2%
わが0.2%
ヨ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何人(なんぴと)が進んでその嘱(しょく)に応ずるかは余(よ)の知る限りでない。余はただ文壇のために一言して諸君子の一考(いっこう)を煩(わずら)わしたいと思うだけである。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところが娘の顔つきでは、麦粉や小麦を積んだ荷車のあひだを潜るやうにしてあちこちと歩き𢌞るのは余(あんま)りうれしくないらしかつた。
その頃(ころ)良人(おっと)はまだ若(わこ)うございました。たしか二十五歳(さい)、横縦(よこたて)揃(そろ)った、筋骨(きんこつ)の逞(たくま)ましい大柄(おおがら)の男子(おとこ)で、色(いろ)は余(あま)り白(しろ)い方(ほう)ではありません。
この二家が枕山を推して畏友(いゆう)となしているのは、その前途洵(まこと)に測るべからざることを証して余(あまり)あるものであろうとの意を述べている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
どうも、宗さんも余(あん)まり近頃は御出(おいで)でないし、私も御無沙汰(ごぶさた)ばかりしているのでね、つい御前の事は御話をする訳にも行かなかったんだよ
門 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
殺された嫁さんの亭主は泊りがけで、遠い海岸の方に出かけたきり、三四日帰宅しないというし、余(あと)は全くの他人である。
惨事のあと (新字新仮名) / 素木しづ(著)
余(よ)は何者か、余(われ)に近く歩(あゆ)み寄る跫音(あしおと)、続いて何事か囁く声を聞き侯ふが、少時(しばらく)にして再び歩み出(いだ)せば、……あゝ何処(いづこ)にて捕へられしや。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
須永はその叔父の力を藉(か)りてどうしようという料簡(りょうけん)もないと見えて、「叔父がいろいろ云ってくれるけれども、僕は余(あんまり)進まないから」
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
然るにその薬売は、何(ど)うしたか、はや二三年も前からこの村を訪れなかった。その他、毎年のようにきまってこの村に入って来た繭買(まゆがい)や、余(ほか)の物売なども来なくなった。
僧 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ただ彼女(あれ)が余(あ)んまり嫉妬(やきもち)を焼(や)いて仕方(しかた)がございませんから、ツイ腹立(はらだち)まぎれに二つ三つ頭(あたま)をどやしつけて、貴様(きさま)のような奴(やつ)はくたばって了(しま)えと呶鳴(どな)りましたが
然るを、況(いわ)んや今隈公は余のこれに与かるを許し、諸君は甚(はなは)だこれを擯斥せず、余(わ)れ豈(あ)に微力をこの間に尽さざるを得んや(喝采)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
と膝に凭(もた)れ掛りて睦(むつ)ましく話をするは、余(よっ)ぽど惚(ほ)れている様子だから。
残る全部をことごとく喰い尽すか、または半分に割る能力の極度に達したため、手を拱(こまぬ)いて空(むな)しく余(のこ)れる柿の一片(いっぺん)を見つめなければならない時機が来るだろう。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
潰した曲者がいかにも憎い。朝っから休んでは責め、責めては休みじゃ。この女の強情が続くか、余(わし)の根(こん)が続くか——
只(ただ)日本を出る時に尋常一様の旅装をした丈(だ)けで、その当時は物価の安い時だから何もそんなに金の要(い)る訳(わ)けがない、その余(あまっ)た金は皆携(たずさ)えて行て竜動(ロンドン)に逗留中、外(ほか)に買物もない
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ばあさんにも、おのぶにも少しも気がつかなかつた様子でしたが、私は子供心に此老夫婦の悦(よろこび)の中には私の一銭銅貨が余(よつ)ほど役にたつて居るといふことを気づき升た。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
只富士川游さんの所蔵の蘭軒雑記に、「千屈菜(せんくつさい)、和名みそはぎ、六月晦日御祓(みそかみそぎ)の頃より咲初(さきそむ)る心ならむと余(わが)考也、赤荻先生にも問しかば、先生さもあらむと答られき」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
余(ヨ)スナワチ金博士は、今度ヒソカニ感ズルトコロアリテ、永年ニ亘(ワタ)ル秘密ノ一部ヲ告白(コクハク)スルト共ニ、之(コレ)ニサシサワリアル向(ムキ)ニ対シ警告ヲ発スル次第ナリ。