“空”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そら26.1%
から16.9%
むな14.7%
くう14.4%
あ9.9%
す7.8%
うつ2.1%
へ1.2%
むなし1.1%
あだ1.0%
うつろ0.9%
あき0.8%
すき0.4%
むだ0.4%
クウ0.2%
か0.2%
カラ0.2%
そ0.2%
すか0.1%
ぞら0.1%
ア0.1%
ソラ0.1%
がら0.1%
すい0.1%
むなしゅ0.1%
うそ0.1%
ムナ0.1%
あい0.0%
あけ0.0%
いたずら0.0%
うは0.0%
そウら0.0%
そォら0.0%
へつ0.0%
まど0.0%
むなしゅう0.0%
むね0.0%
むろ0.0%
アキ0.0%
ムナシュ0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
青(あお)い、美(うつく)しい空(そら)の下(した)に、黒(くろ)い煙(けむり)の上(あ)がる、煙突(えんとつ)の幾本(いくほん)か立(た)った工場(こうじょう)がありました。その工場(こうじょう)の中(なか)では、飴(あめ)チョコを製造(せいぞう)していました。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
空(から)になつた渡船(とせん)へ、天滿與力(てんまよりき)は肩(かた)をいからして乘(の)つた。六甲山(ろくかふざん)に沈(しづ)まうとする西日(にしび)が、きら/\と彼(か)れの兩刀(りやうたう)の目貫(めぬき)を光(ひか)らしてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
件(くだん)の古井戸(ふるゐど)は、先住(せんぢう)の家(いへ)の妻(つま)ものに狂(くる)ふことありて其處(そこ)に空(むな)しくなりぬとぞ。朽(く)ちたる蓋(ふた)犇々(ひし/\)として大(おほ)いなる石(いし)のおもしを置(お)いたり。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
広い室内の隅(すみ)の方へ、背後(うしろ)に三角の空(くう)を残して、ドカリと、傍床(わきどこ)の前に安坐(あんざ)を組んだのは、箏(こと)の、京極(きょうごく)流を創造した鈴木鼓村(こそん)だった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
編輯者は、私のこんな下手な作品に対しても、わざわざペエジを空(あ)けて置いて、今か今かと、その到来を待ってくれているのである。
乞食学生 (新字新仮名) / 太宰治(著)
阿Qは近来生活の費用に窘(くる)しみ内々かなりの不平があった。おまけに昼間飲んだ空(す)き腹(ばら)の二杯の酒が、廻れば廻るほど愉快になった。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
無理(むり)に申させても取上には相成(あひなら)ぬぞ其源次郎と申はナ細川の家來(けらい)にて井戸源次郎と云者新吉原の三浦屋四郎左衞門抱(かゝ)への遊女(いうぢよ)空(うつ)せみを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
腹が空(へ)っていると頭に利くから、稽古は食後に限ると教えてくれるものもあった。唯さえ陥り易い習癖を努めて実践躬行したのである。
善根鈍根 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
腰弱き彼等の与(くみ)するに足らざるを憤れる蒲田は、宝の山に入(い)りながら手を空(むなし)うする無念さに、貫一が手も折れよとばかり捩上(ねぢあぐ)れば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さては相見ての後のたゞちの短きに、戀ひ悲みし永の月日を恨みて三衣(え)一鉢(ぱつ)に空(あだ)なる情(なさけ)を觀ぜし人、惟(おも)へば孰(いづ)れか戀の奴(やつこ)に非ざるべき。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
化粧をしないおせいの顔が艶々(つやつや)と光つてみえる。富岡は、魂のない空(うつろ)な眼差(まなざ)しで、おせいのどつしりとした胸のあたりを見てゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
私は阪本さんのために珍しく笑はせられながら、床の間の玩具棚(おもちやだな)を灯(ひ)の光で見ようとして行(ゆ)くのです。下の棚はがら空(あき)になつて居るのです。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
足のぐらぐらする餉台の上には馬鈴薯(じゃがいも)と大根とのごった煮と冷たい飯とだけだった。それでも空(すき)っ腹には旨かった。
神棚 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
智惠子は考へ深い眼を足の爪先に落して、歸路を急いだが、其心にあるのは、例の樣に、今日一日を空(むだ)に過したといふ悔ではない。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
臂(カヒナ)が動き出した。片手は、まつくらな空(クウ)をさした。さうして、今一方は、そのまゝ、岩牀(ドコ)の上を掻き搜つて居る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
丘陵のような山脈の遠くから激しく移動する灰色の雲と一緒に、湿気をもった空(か)らッ風が轟々(ごうごう)と唸(うなり)をあげて襲ってくるのだった。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
高圓山の墓原も、佐紀の沼地・雜木原も、又は、南は山村(ヤマムラ)、北は奈良山、泉川の見える處まで馳せ𢌞つて、戻る者も、戻る者も皆空(カラ)足を踏んで來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
その精誠に至りては、天もまた泣くべし。「かくとしも知らでや去年(こぞ)のこの頃は君を空(そ)ら行く田鶴(たず)にたとえし」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
しかしあまり長くそこに立っていたためにすっかりお腹を空(すか)してしまいました。しかし、たれもが塔の上へ食物(たべもの)を持って行くことなど考えもしませんでした。
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
これから、この文句(もんく)は、長(なが)く北国(ほっこく)に残(のこ)って、子供(こども)たちが、いまでも夕焼(ゆうや)け空(ぞら)を見(み)ると、その唄(うた)をうたうのであります。
北の不思議な話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
京中で、此恵美屋敷ほど、庭を嗜(タシナ)んだ家はないと言ふ。門は、左京二条三坊に、北に向いて開いて居るが、主人家族の住ひは、南を広く空(ア)けて、深々とした山斎(ヤマ)が作つてある。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ところがまるで、追つかけるやうに、藤原の宮は固より、目ぬきの家竝みが、不意の出火で、其こそ、あつと言ふ間に、痕形もなく、空(ソラ)の有(モノ)となつてしまつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
その空(がら)んとした図書室を横切って、突当りの明りが差している扉を開くと、そこは、好事家(こうずか)に垂涎(すいぜん)の思いをさせている、降矢木の書庫になっていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
特(とく)に國府津(こふづ)止(どまり)の箱(はこ)が三四輛(りやう)連結(れんけつ)してあるので紅帽(あかばう)の注意(ちゆうい)を幸(さいはひ)にそれに乘(の)り込(こ)むと果(はた)して同乘者(どうじようしや)は老人夫婦(らうじんふうふ)きりで頗(すこぶ)る空(すい)て居(ゐ)た、待(ま)ち疲(くたび)れたのと
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
その上に天下の人気を背負って立って、一世を空(むなしゅ)うする大文豪であるかのように歌いはやされていたから、当時の文学少女の愛慕の中心となっていた。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
また一説にはこれら皆空(うそ)で実は尊者の名パトリックをノールス人がパド・レクルと間違え蟾蜍(ひき)を(パダ)逐(お)い去る(レカ)と解した。
葉(ヨウ)ヲ隔ツ黄鸝(コウリ) 空(ムナ)シク好音(コウイン)
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三四郎は革鞄(かばん)と傘(かさ)を片手に持つた儘、空(あい)た手で例の古(ふる)帽子を取つて、只(たゞ)一言(ひとこと)
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
又店の急(いそが)しい最中に店を空(あけ)た事も有ます相で(荻)夫では最(も)う何(ど)うしてもお紺を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
今時(いまどき)の民家は此様の法をしらずして行規(ぎょうぎ)を乱(みだり)にして名を穢(けが)し、親兄弟に辱(はじ)をあたへ一生身を空(いたずら)にする者有り。口惜(くちおし)き事にあらずや。女は父母の命(おおせ)と媒妁(なかだち)とに非ざれば交らずと、小学にもみえたり。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
槍は担(かつ)げど、空(うは)のそら、渋面(しふめん)つくれど供奴(ともやつこ)
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
空(そウら)は赤(あアか)い夕焼(ゆふやけ)で
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
空(そォら)の上からみんなの小鳥が
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
モウ二三人(にん)来(く)るまで待つては居(を)られぬ、腹(はら)が空(へつ)て耐(たま)らぬのぢや——是(これ)は菜(な)めしと間違(まちがへ)たと云(い)ふ話です、其頃(そのころ)は商売(しやうばい)ではなかつたから、其位(そのくらゐ)のものでござりましたらう。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
まち子(こ)は疲(つか)れた身體(からだ)をそつと椅子(いす)にもたれて、靜(しづ)かな下(した)の道(みち)をのぞこふと窓(まど)をのぞくと、窓際(まどぎは)に川柳(かはやなぎ)の青白(あをしろ)い細(ほそ)い葉(は)が夜(よる)の空(まど)に美(うつく)しくのびてた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
唯我独尊を称したる釈迦如来(しゃかにょらい)は、絶対に自らを尊べり、絶対他力を唱えたる親鸞(しんらん)は絶対に他を尊(たっとん)で自個を空(むなしゅう)せり、孔子(こうし)と耶蘇(ヤソ)とは他を尊んでまた自個を尊べり
絶対的人格:正岡先生論 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
此(こ)の季節(きせつ)を空(むね)しく費(つひや)すことが一日(にち)でも非常(ひじやう)な損失(そんしつ)であるといふ見易(みやす)い利害(りがい)の打算(ださん)から彼(かれ)は到頭(たうとう)打(う)ち負(まか)されて復(また)一所懸命(しよけんめい)に勞働(らうどう)に從事(じうじ)した。彼(かれ)はもう卯平(うへい)と一言(ひとこと)も口(くち)を利(き)かなくなつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うつ空(むろ)の墓のしづけさ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
十三年に一度、其年の八月の一日から三日間、殿庭(トンニヤア)とも、あさぎ庭(ナア)ともいふ、神あしやげ前の空(アキ)地に、桁(ケタ)七つに板七枚渡した低い橋を順々に渡つて、あしやげの中に入るのである。此を七つ橋といふ。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
院ノ庄の行宮(あんぐう)へ忍んで有名な——天勾践(テンコウセン)ヲ空(ムナシュ)ウスル勿(ナカ)レ——を桜の木に書いて去ったと伝えられる児島高徳(たかのり)(備後ノ三郎)は、どうもむずかしい幻(まぼろし)の人物なので
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)