“嘗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
な58.2%
かつ29.7%
か6.9%
かつて1.6%
なめ0.8%
こころ0.5%
なむ0.4%
カツ0.4%
ねぶ0.2%
こころむ0.1%
こゝろ0.1%
しやぶ0.1%
しょう0.1%
すす0.1%
つね0.1%
なア0.1%
にへ0.1%
まえかた0.1%
ナ0.1%
ニヘ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう明日(あす)の朝の準備(したく)をしてしまって、膳(ぜん)さきの二合を嘗(な)めるようにして飲んでいた主翁(ていしゅ)は、盃(さかずき)を持ったなりに土間の方へ目をやった。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
嘗(かつ)てランケは云つた、「ゲーテはまた大歴史家になることもできたであらう。けれどもシラーは歴史家たるの天分を有しなかつた。」
ゲーテに於ける自然と歴史 (新字旧仮名) / 三木清(著)
私だって、嘗(か)つては、このように、見え透いた嘘を、見破られているのを知っていながらも一生懸命に言い張ったことがあったのだ。
善蔵を思う (新字新仮名) / 太宰治(著)
第二に治修(はるなが)は三右衛門(さんえもん)へ、ふだんから特に目をかけている。嘗(かつて)乱心者(らんしんもの)を取り抑えた際に、三右衛門ほか一人(ひとり)の侍(さむらい)は二人(ふたり)とも額に傷を受けた。
三右衛門の罪 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
最初は唐辛の端(はじ)を嘗(なめ)ても辛いといった人が後には一本食べても平気になります。そうなると身体に毒で強壮な人でも種々の弊害を惹起(ひきおこ)します。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
其(そ)の愛(あい)する所(ところ)((ノ人))を論(ろん)ずれば則(すなは)ち以(もつ)て(七五)資(し)を借(か)るとせられ、其(そ)の憎(にく)む所(ところ)((ノ人))を論(ろん)ずれば、則(すなは)ち以(もつ)て己(おのれ)を嘗(こころ)むとせらる。
能(よ)く自他(じた)の分(ぶん)を明(あきらか)にして二念(にねん)あることなく、理にも非にもただ徳川家の主公あるを知(しり)て他を見ず、いかなる非運に際して辛苦(しんく)を嘗(なむ)るもかつて落胆(らくたん)することなく
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
凡嘗(カツ)テ本藩ヲ脱スル者及佗藩ヲ脱スル者 海外ノ志アル者此隊ニ入ル
海援隊約規 (新字旧仮名) / 坂本竜馬(著)
「阿女(あま)、何を、うまそうに、さっきから、ぴちゃぴちゃと、嘗(ねぶ)っているだ、俺にも、分前(わけまえ)をよこせ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
因ってその不浄を捨てに行く筥(はこ)を奪い嘗(こころむ)るに、丁子(ちょうじ)の煮汁を小便、野老(ところ)に香を合せ大きな筆管を通して大便に擬しあったので、その用意の細かに感じ
すべて謝肉祭に連りたる樂(たのしみ)をば、つゆ遺(のこ)さずして嘗(こゝろ)みんと誓ひたればなり。
梅子に悪智恵ばかり付けさせて——其程(それほど)亡妻が可愛いけりや、骨でも掘つて来て嘗(しやぶ)つてるが可(い)い
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
シナで嘗(しょう)といっている祭がどうなっているか、シナの民間にも収穫に伴う物忌みの儀式があるかどうか知りたいと思っていたところ、近ごろやっと米についても
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
四時の新味は先づ祖先の廟に嘗(すす)め(『禮記』少儀)、一家の大事は必ず祖先の廟に告げる。婚姻の如きも、新婦が廟見を終へざる間は、成立したものと認めぬ(1)。
むかし二延長(えんちやう)の頃、三三井寺に四興義(こうぎ)といふ僧ありけり。絵に巧(たくみ)なるをもて五名を世にゆるされけり。嘗(つね)に画(ゑが)く所、仏像(ぶつざう)山水(さんすゐ)花鳥(くわてう)を六事とせず。
嘗(なア)めた なんの味
小さな鶯 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
またその大嘗(にへ)聞しめす殿に屎(くそ)まり散らしき三。
そしてこの歌は、どうしても嘗(まえかた)どこかで聞いたことがあるように思われる。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
然リト雖モ、愚子狂子、稀レニ良薬ヲウケテ嘗(ナ)メズ、何ゾソノ拙(ツタナ)キヤ。爰(ココ)ニ近代、一聖人(ショウニン)アリ、一巻ノ書ヲ作リ、名(ナヅ)ケテ、「選択本願念仏集(センジャクホンガンネンブツシュウ)」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鳰鳥(ニホドリ)の葛飾早稲(ワセ)を嘗(ニヘ)すとも、その愛(カナ)しきを、外(ト)に立てめやも(同)
稲むらの蔭にて (新字旧仮名) / 折口信夫(著)