“眺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なが93.2%
ながめ4.2%
ながむ0.7%
あつら0.5%
にら0.5%
み0.2%
あつらえ0.2%
のぞめ0.2%
チヨウ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
野中教師ゆっくり教壇から降り、下手(しもて)のガラス戸に寄り添って外を眺(なが)める。菊代は学童の机の上に腰をかける。華美な和服の着流し。
春の枯葉 (新字新仮名) / 太宰治(著)
今まで歩いていた山路を出て、濶然(かつぜん)たる眺(ながめ)が展(ひら)けた感じと、菜の花に夕日の当っている明るい感じとが、ぴたりと一緒になっている。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
却説(かへつてと)く鷲郎は、今朝(けさ)より黄金丸が用事ありとて里へ行きしまま、日暮れても帰り来ぬに、漸く心安からず。幾度(いくたび)か門に出でて、彼方此方(かなたこなた)を眺(ながむ)れども、それかと思ふ影だに見えねば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
夜食の膳には、眺(あつら)えた酒がつき、酌(く)み交わしている母子(おやこ)の間へ、勘定書が盆に載っている。旅籠の手代だの、亭主だの、かわるがわる別れの挨拶に来て
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いゑ中々(なか/\)其(その)やうに遠方(ゑんはう)の事(こと)ばかりでは御座(ござ)りませぬ、未(ま)だ追々(おひ/\)にと衣紋(ゑもん)を突(つ)いて咳拂(せきばら)ひすれば、小間使(こまづか)ひ少(すこ)し顏(かほ)を赤(あか)くして似合頃(にあひごろ)の身(み)の上(うへ)、惡口(わるくち)の福(ふく)が何(なに)を言(い)ひ出(だ)すやらと尻目(しりめ)に眺(にら)めば
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手振りして生活(たつき)の楽になりし云ふ老父(ちち)を金網(あみ)ごし眺(み)てはうれしき
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
お眺(あつらえ)が註文にはまった。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
余(よ)は人に助(たす)けられて高所(たかきところ)に逃登(にげのぼ)り遙(はるか)に駅中(えきちゆう)を眺(のぞめ)ば、提灯(ちやうちん)炬(たいまつ)を燈(とも)しつれ大勢の男ども手(てに)々に木鋤(こすき)をかたげ、雪を越(こえ)水を渉(わたり)て声(こゑ)をあげてこゝに来(きた)る。
「眺(チヨウ)」の意味一つであるが、中古文には、そればかりではあてはまらぬことが多いので、これに詠の字をあてゝ見たのもあるけれど、ながむといふ語の内容は、決してそんな単純なものでないことは
古歌新釈 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)