“そう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ソウ
語句割合
艘22.6%
相17.3%
左様7.5%
宋5.3%
層5.0%
奏4.3%
僧3.8%
草3.8%
宗2.7%
左右2.6%
双2.2%
総1.8%
惣1.3%
而1.2%
箏1.1%
叢0.9%
掃0.9%
曹0.9%
總0.9%
想0.7%
然0.6%
曾0.6%
槍0.6%
荘0.6%
爾0.5%
早0.5%
壮0.5%
巣0.5%
然様0.4%
槽0.4%
社0.4%
其様0.4%
窃0.4%
艸0.4%
走0.4%
隻0.4%
竈0.2%
倉0.2%
創0.2%
匝0.2%
喪0.2%
操0.2%
添0.2%
窓0.2%
蒼0.2%
樉0.1%
鎗0.1%
崇0.1%
左樣0.1%
爪0.1%
葬0.1%
二艘0.1%
候0.1%
傍0.1%
其樣0.1%
匇0.1%
叟0.1%
嗾0.1%
壯0.1%
嫂0.1%
左0.1%
掻0.1%
揷0.1%
牂0.1%
琮0.1%
瘡0.1%
聡0.1%
舳0.1%
艙0.1%
莊0.1%
葱0.1%
藻0.1%
装0.1%
躁0.1%
遭0.1%
雙0.1%
静0.1%
騒0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
皆は三艘(そう)の舟にのっていた。三艘ともたがいに追い抜こうとして間近につづいていた。人々は舟から舟へ、快活な冗談を言い合った。
「深山君の勉強には敬服するが、少し身体(からだ)を粗末にし過ぎるよ、君のように頭ばかり発達すると、人類が生理的に滅亡する相(そう)だぜ」
判官三郎の正体 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
外したのは確に失敗でございますね……だって左様(そう)じゃありませんか、恋仇同士をたった二人、室に残してお置きになったら、議論を
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
床には、彼の風雅癖を思わせて、明人(みんびと)仇英(きゅうえい)の、豊麗(ほうれい)な孔雀(くじゃく)の、極彩色(ごくさいしき)大幅が掛けられ、わざと花を生けない花瓶は、宋(そう)代の磁だった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
この話(はなし)を但馬守(たじまのかみ)が、與力(よりき)から聞(き)いて、一層(そう)玄竹(げんちく)が好(す)きになつたのであつた。それからもう一(ひと)つ、玄竹(げんちく)が但馬守(たじまのかみ)を喜(よろこ)ばせた逸話(いつわ)がある。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
目安箱の上書が効(こう)を奏(そう)して、楓(かえで)の間(ま)の密議となり、元京都所司代であった松平輝高(てるたか)は、召されて将軍家から内々に秘命をうけた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又宋人(そうひと)彭乗(はうじやう)が作(さく)墨客揮犀(ぼくかくきさい)に鄂州(がくしう)の僧(そう)无夢(むむ)も尸(しかばね)を不埋(うづめず)、爪髪(つめかみ)の長(のび)たる義存(ぎぞん)に同じかりしが、婦人の手に摸(なで)られしより爪髪のびざりしとぞ。
畑の次手(ついで)に、目の覚めるような真紅(まっか)な蓼(たで)の花と、かやつり草(そう)と、豆粒ほどな青い桔梗(ききょう)とを摘んで帰って、硝子杯(コップ)を借りて卓子台(ちゃぶだい)に活けた。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お宗(そう)さんは髪の毛の薄いためにどこへも縁(えん)づかない覚悟をしてゐた。が、髪の毛の薄いことはそれ自身お宗さんには愉快ではなかつた。
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
故に、万一主人摂津守が釈然(しゃくぜん)と解けて、左右(そう)なく降伏に出られた場合は、どうかご助命の儀だけは伏しておねがい申しておく
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と思うと身を屈(かが)めて、双(そう)の眼(まなこ)をやり過ごした闇へ——蝋色(ろいろ)の鞘(さや)は肩より高く後ろへ反(そ)らしてススススと追い縋(すが)ったが音もさせない。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
目をとじて、彼は心の隅々までを、総(そう)ざらいしていた。すると、忽然(こつぜん)、彼自身(かれじしん)にすら驚かれるような本心が、大きく彼の意識にのぼった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私の家に関する私の記憶は、惣(そう)じてこういう風に鄙(ひな)びている。そうしてどこかに薄ら寒い憐(あわ)れな影を宿している。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夫人、御安心なさい、あなたにお目にかゝった程の者は、誰かあなたの真面目な而(そう)して勇敢な霊魂(たましい)を尊敬せぬ者がありましょう乎。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
大きい方は二行に並んですわった八人の楽女が横笛、立笛、箏(そう)、笙(しょう)、銅鈸(どうばつ)、琵琶(びわ)などをもって、二人の踊り女の舞踊に伴奏する。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
耳の穴から石菖(せきしょう)のような根づよい黒毛が叢(そう)をなして突出している。いささか国事の難を託するに足る人かとおもった。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
され共東天漸(やうや)く白く夜光全く去(さ)り、清冷の水は俗界の塵(ちり)を去り黛緑(たいりよく)の山は笑(えみ)を含(ふく)んて迎ふるを見れば、勇気(いうき)勃然(ぼつぜん)為めに過去の辛苦(しんく)を一掃(そう)せしむ。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
「私は秦(しん)の閔王(びんおう)の女(むすめ)でございましたが、この曹(そう)の国に迎えられてきて、二十三年間、独りでおる者でございます」
黄金の枕 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
總(そう)じて内(うち)の美(び)を韜(つゝ)むは外(ほか)の美(び)の身(み)の譽(ほま)れ、金玉(きんぎょく)の物語(ものがたり)を金(きん)の鈎子(はさみがね)に抱(だ)かすれば、誰(た)が目(め)にも立派(りっぱ)な寶物(たからもの)。
さもあらばあれ、われこの翁を懐(おも)う時は遠き笛の音(ね)ききて故郷(ふるさと)恋うる旅人の情(こころ)、動きつ、または想(そう)高き詩の一節読み了(お)わりて限りなき大空を仰(あお)ぐがごとき心地す
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
然(そう)じゃねえよ、いろ/\深いわけがあって身を投げようとする処を助けたんだ、妙じゃアねえか、両人(ふたり)を助けて船へ乗せると、互に顔を見合わせて、オヤ万年町のお嬢さんか
其の比(ころ)雀部(ささべ)の曾(そう)次といふ人、九足利(あしかが)染の絹を交易するために、年々京よりくだりけるが、此の郷(さと)に氏族(やから)のありけるを屡(しばしば)来訪(きとぶら)ひしかば、かねてより親しかりけるままに
そして、咲耶子を道の尽(つ)きるところまで追(お)いこんで、ここぞと、気合(きあ)いをあわせて、二槍(そう)一緒(しょ)に彼女の胸板(むないた)へ突(つ)いていった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時分はまだ一個の荘(そう)、家も小(こ)二十軒あったのが、娘が来て一日二日、ついほだされて逗留(とうりゅう)した五日目から大雨が降出(ふりだ)した。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
他(ほか)でも無い、あの流星と云うものは何んだか気味の悪いもので、それが落ちたと覚(おぼ)しき場所へは、余程の勇士でも其夜(そのよ)直(す)ぐに行くのは厭(いや)がると云う、爾(そう)して昔からの口碑(いいつたえ)にも
黄金の腕環:流星奇談 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
またもやしずかにあいたので、監禁を赦(ゆる)された二人は早(そう)そうに階段のあがり場へ逃げ出した。
「そうだ。俺にはまだ左腕もあれば両脚もあるし、硬い歯の生えている口もあれば、太い頸(くび)もあるというんだ。その意気は壮(そう)とするが、こればかりはねえ」
空中漂流一週間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
唐の黄巣(こうそう)が乱を為(な)し金陵を攻めんとした時、弁士往き向うて王の名は巣(そう)、それが金に入ると鏁となると威(おど)したのですなわち引き去った(『焦氏筆乗』続八)とあると同日の談だ。
「どうぞ、然様(そう)いう訳でございますれば、……の御帰りになりまする前までに、こなた様の御力を以て其品を御取返し下さいまするよう。」
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それがためには、潜水服に似たものを着、そして潜水兜(かぶと)に似たものを頭に被り、空気槽(そう)を背負わなければならなかった。それだけではない。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
結婚式を十二社(そう)で(新宿の先の)やったのですって。東京での、よ。そのとき私を招(よ)ぼうとしてすっかり仕度していて、お久さんの発議でやめたのですって。来て貰うのも気の毒と。
「いいのよ、其様(そう)してお置きなさいよ、源ちゃん最早(もう)お寝み、」と客の少女は床なる九歳(ここのつ)ばかりの少年を見て座わり乍ら言って、其のにこやかな顔に笑味を湛えた。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
縁を切っても片時も忘れる暇(ひま)は有りません故、或日用達(ようたし)に参って帰りがけ、旧来居ります與助(よすけ)と云う奉公人を連れて、窃(そう)っと忍んで参り、お累の家(うち)の軒下に立って
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お春は静かに次の室(ま)へと退ったが暫(しば)しして、秋の空を思えとや、紫紺に金糸銀糸(きんしぎんし)もて七艸(そう)を縫った舞衣(まいぎぬ)を投げかけ金扇(きんせん)を翳(かざ)して現われました。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「小僧(こぞう)、来い。いまおれのとこのちょうざめの家に下男(げなん)がなくて困(こま)っているとこだ。ごち走(そう)してやるから来い。」云(い)ったかと思うとタネリはもうしっかり犬神(いぬがみ)に両足(りょうあし)をつかまれてちょぼんと立ち
サガレンと八月 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
二隻(そう)の僚船が従(つ)いて来る。一杯に帆が張られてある。船首(へさき)に突っ切られる波の穂が、白衣の行者でも駛(はし)るように、灰色の海上で踊っている。陸は見えない、どっちも水だ。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
原病竈(そう)は不明だが、最後は肝臓に転移して肝臓癌で死んだ。祖父も父の兄弟もみな癌で死んだ。父は癌は遺伝しない。
肌色の月 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「——さればこそ、わが家においても、さきには金剛山の寄手にも加わり、一倉(そう)、二倉とあるかぎりな蓄備(ちくび)の稲も税物(ぜいもつ)にささげ、また去年も銭(ぜに)一万貫、この一月にも五千貫と、仰せつけのまま課税はずいぶんさし出しておる」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
辺鄙(へんぴ)にはなお残れるにや、江戸にはこの流名きこゆることなし……とあるとおりに、月輪軍之助の祖月輪将監(しょうげん)は、根岸兎角ひらくところの微塵流から出てのちに、北陬(ほくすう)にうつり住んで別に自流を創(そう)し
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
樹(じゅ)を遶(めぐ)ること三匝(そう)
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ああ、天は喪(そう)を降(くだ)されました」その一つがいとも悲しそうにいった。
不周山 (新字新仮名) / 魯迅(著)
然し恵心は如何にも謙虚の徳と自信の操(そう)との相対的にあった人で、加之(しかも)毫毛(ごうまつ)の末までも物事を曖昧(あいまい)にして置くことの嫌いなような性格だったと概解しても差支無いかと考えられる。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
秋に添(そう)て行(ゆか)ばや末は小松川(こまつがわ) 芭蕉翁
放水路 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その車もよく空いてゐたので眞中所の窓際(まどぎは)の席(せき)に腰(こし)を卸(おろ)し、窓(そう)外に眼(め)を放(はな)つた。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
……『古今註(こきんちゅう)』に、『鶴は千歳(せんざい)にして蒼(そう)となり、二千歳にして黒(こく)、即(すなわ)ち玄鶴(げんかく)なり。白鶴(はっかく)もまた同じ。死期を知れば、深山幽谷(しんざんゆうこく)にかくれて自(みずか)ら死す』
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
三吾太祖の意を知るや、何ぞ言(げん)無からん、乃(すなわ)ち曰(いわ)く、若(も)し燕王を立て給(たま)わば秦王(しんおう)晋王(しんおう)を何の地に置き給わんと。秦王樉(そう)、晋王棡(こう)は、皆燕王の兄たり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
此(こ)の太祖の言は、正(まさ)に是れ太祖が胸中の秘を発せるにて、夙(はや)くより此(この)意ありたればこそ、其(それ)より二年ほどにして、洪武三年に、樉(そう)、棡(こう)、棣(てい)、橚(しゅく)、楨(てい)、榑(ふ)、梓(しん)、檀(たん)、杞(き)の九子を封じて
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
が、下には孫立が、一鎗(そう)を構えて待ちうけていたから、朝奉はいよいよ逃げ戸惑い、ついに女曲輪(おんなぐるわ)の境まで走ッてそこの深い石井戸へ身を投げてしまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
青粘土(あおねんど)みたいに沈んでいるが、まなこは鯉の金瞳(きんどう)のごとく、黒漆(こくしつ)のアゴ髯(ひげ)をそよがせ、身のたけすぐれ、よく強弓をひき、つねに持つ緋房(ひぶさ)かざりの一鎗(そう)も伊達ではないと、城内はおろか
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鎧(がい)、紫(むらさき)の紗(しや)を伸(の)べて四十里(しじふり)の歩障(ほしやう)を造(つく)れば、崇(そう)は錦(にしき)に代(か)へて是(これ)を五十里(ごじふり)に張(は)る。武帝(ぶてい)其(そ)の舅(しうと)に力(ちから)を添(そ)へて、まけるなとて、珊瑚樹(さんごじゆ)の高(たか)さ二尺(にしやく)なるを賜(たま)ふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
嘗(かつ)て河陽(かやう)の金谷(きんこく)に別莊(べつさう)を營(いとな)むや、花果(くわくわ)、草樹(さうじゆ)、異類(いるゐ)の禽獸(きんじう)一(ひとつ)としてあらざるものなし。時(とき)に武帝(ぶてい)の舅(しうと)に王鎧(わうがい)と云(い)へるものあり。驕奢(けうしや)を石崇(せきそう)と相競(あひきそ)ふ。鎧(がい)飴(あめ)を以(もつ)て釜(かま)を塗(ぬ)れば、崇(そう)は蝋(らふ)を以(もつ)て薪(たきゞ)とす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
僕(ぼく)は鼻緒(はなを)を切(き)つて仕舞(しま)つて何(ど)う爲(し)ようかと思(おも)つて居(ゐ)る、本當(ほんとう)に弱(よわ)つて居(ゐ)るのだ、と信如(しんによ)の意久地(いくぢ)なき事(こと)を言(い)へば、左樣(そう)だらうお前(まへ)に鼻緒(はなを)の立(たち)ッこは無(な)い、好(い)いや己(お)れの下駄(げた)を履(はい)て行(ゆき)ねへ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
智惠無(ちゑな)しの奴(やつ)め大鍋(おほなべ)の四邊(ぐるり)に夫(そ)れッ位(くらい)無駄(むだ)がついて居(ゐ)るでは無(な)いか、夫(そ)れへ湯(ゆ)を廻(まわ)して砂糖(さとう)さへ甘(あま)くすれば十人(にん)前(まへ)や二十人(にん)は浮(う)いて來(こ)よう、何處(どこ)でも皆(みん)な左樣(そう)するのだお前(まへ)の店(とこ)ばかりではない
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その後、生え出でたる爪は一種奇怪なる形を有し、その両側にかたつむりの角のごとき二爪(そう)を見るに至った。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
足跡には三爪(そう)の跡をとどめ、音声は鋸(のこぎり)を引くがごとき響きであると申しておる。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
退けば即(すなわ)ち緇衣(しい)、香烟茶味(こうえんちゃみ)、淡然として生を終り、栄国公(えいこくこう)を贈(おく)られ、葬(そう)を賜わり、天子をして親(み)ずから神道碑(しんどうひ)を製するに至らしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
子の父の葬(そう)に趨(はし)るは、おのずから是(こ)れ情なり、是れ理なり、礼にあらず道にあらずと為(な)さんや。諸王をして葬に会せざらしむる詔(みことのり)は、果して是れ太祖の言に出(い)づるか。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
渡舟は、一、二艘(そう)しかない。順々に人が山のように盛られて対岸へ運ばれた。鹿之介と苦労を共にして来た三十余名の郎党のなかに、彼の妻や幼い子も、埋もれるように船の中に乗せられていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「弦(つる)召(め)し候(そう)らへ/\」と、各地に呼び売りする行商人となっておりましたから、その呼び声を取ってツルメソと言われたのです。
一商家(米家五兵衛)に休。日午なり。駅中に石を刻して蛭子神(ひるこのかみ)を造りて街頭に立つるあり。(宰府辺にいたるまで往々有り。)駅を離れて六本松の捷径を取り小礫川(せうれきせん)に傍(そう)て行く。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
エ、何、其樣(そう)でもありませんが。——一人困つた奴が居ましてな。よく強淫をやりアがるんです。成る可く身分の好い人のかみさんだの娘だのをいくんです。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
半分は給仕に向っての様に「何うも此の節は婦人服の裳の広いのが流行る為に時々粗匇(そう)が有りまして」
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
老格熟達の風を尊ぶ古人たちの間では、四十歳をこえるともう自ら叟(そう)といったり翁と自称したりしている例はたくさんにある。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人民はただ政府の嗾(そう)するところに向かいて奔走するのみ。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
僕(ぼく)は今も壯(そう)者に伍(ご)していさぎよく戰(たゝか)ふ關根(せきね)名人の磊落性(らいらくせい)を寧(むし)ろ愛敬(あいけい)し、一方自負(ふ)しつつ出でざる坂(さか)田三吉八段(だん)に或る憐憫(れんみん)さへ感(かん)じてゐる者だが、將棋(せうき)だけは若(わか)い者には勝(か)てないものらしい。
兄(けい)、嫂(そう)、阿甥(あせい)、阿姪(あてつ)、書生など三階総出の舞台の中央にすつくと突立(つゝた)つ木強漢(むくつけをとこ)。其れ韈(くつした)をお穿(は)きなさい。韈は穿きぬ。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
先の頃始終指なんかをはらしてた頃は左(そう)まででなかったけれど今日は大変こわかった。
一掻(そう)すれば琴韻清越(きんいんせいえつ)、多年干戈剣戟(かんかけんげき)の裡(うち)にも、なお粗朴なる洗心と雅懐(がかい)を心がけていた丞相その人の面影を偲(しの)ぶに足るといわれている。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それがマタ・アリを大々的に利用したのだ。娼婦(しょうふ)型の美女が、微笑するスパイとして国境から国境を動きまわる。戦時である。歴史的な揷(そう)話にまでなってしまった。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
戦国の頃『荘子』が〈いまだかつて牧を為さずして牂(そう)奥に生ず〉といえるを『釈文』に西南隅未地といえれば羊を未に配当したは後漢に始まったでないといい
そこで次男の琮(そう)を立てようとしたが、長子を廃するのは国乱の始めなりと、俄然、紛論が起って、沙汰止みとされ、やむなく礼にしたがって、次男を除こうとしたところ、蔡夫人
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼一たび死す、水戸老公はあたかも放たれたる虎の如し、その幕閣より遠(とお)ざかるに比例して朝廷と密着し、一孔生じて千瘡(そう)出で、遂に容易ならざる禍機を惹起せり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
呉の大才魯粛(ろしゅく)を凡人の中から抜いたのは、その聡(そう)です。呂蒙(りょもう)を士卒から抜擢(ばってき)したのはその明です。于禁(うきん)をとらえて殺さず、その仁です。荊州を取るに一兵も損ぜなかったのは、その智です。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すっと抜くと、掌(てのひら)に捧げて出て、そのまま、欞子窓(れんじまど)の障子を開けた。開ける、と中庭一面の池で、また思懸けず、船が一舳(そう)、隅田に浮いた鯨のごとく、池の中を切劃(しき)って浮く。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
艙(そう)の外は見渡す限り、茫々とした月夜(つきよ)の水ばかりだ。その時の寂しさは話した所が、天下にわかるものは一人もあるまい。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それからまた、我々(われ/\)の住むでゐる、社會には、何故人間を作(こさ)へる學校と人間を押籠(おしこ)めて置く監獄とが存在してゐるのであろう。また何が故に別莊(そう)を有(も)つてゐる人と養育院(やういくゐん)に入る人と。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
魚鳥に七箇日の忌の候(そうろう)なる事。さもや候らん。えみ及ばず候。地体はいきとしいけるものは。過去の父母にて候なれば。くうべき事にては候わず。又臨終には。酒魚鳥葱(そう)薤(かい)蒜(ひる)などは。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一昨日(おととい)別段気にもとめなかった、小さなその門は、赤いいろの藻(そう)類と、暗緑の栂(つが)とで飾(かざ)られて、すっかり立派に変っていました。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
看板通りの異国情調に富んだ舞台面で、出て来る人物も、皆西洋人臭いふん装(そう)をしていた。僕は思った、「これは素敵だ、流石(さすが)にRはいいものを見せて呉(く)れた」
百面相役者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
第二種(疾病編)疫、痘、瘧(ぎゃく)、卒中、失神、癲癇(てんかん)、諸狂(躁(そう)性狂、鬱(うつ)性狂、妄想狂、時発狂、ヒステリー狂等)、髪切り病、恙虫(つつがむし)
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
一鞭(むち)して広苑(ひろにわ)の芝生を奔(はし)らすこと三遭(そう)、柳を百歩へだたって駒足をひたと停め、心ゆくばかり弦をひきしぼってちょうッと放った。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
名香(めいこう)数斛(こく)、宝剣一雙(そう)、婦女三十人、その婦女はみな絶世の美女で、久しいものは十年もとどまっている。容色おとろえた者はどこへか連れて行かれて、どうなってしまうか判らない。
此のまゝ静(そう)ッと寝かして下さい。一昨日から何処の座敷に行っても、私身体の塩梅(あんばい)が悪いからッて、皆な、そう言って断っているの……明日の朝ねえ……はあッ神経衰弱になって了う。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
一布衣(ほい)の妻が、良人の身代りに、邪恋の男の刃(やいば)で死んだ——というだけなら、市井(しせい)の一些事(さじ)。何も院をあげて、騒(そう)めくにもおよばないが……問題は、武者所にある。武者所の紊(みだ)れに