“頸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くび75.2%
うなじ17.0%
えり5.1%
くびすじ0.5%
うな0.4%
ゑり0.4%
クビ0.3%
けい0.3%
うなず0.1%
うなぢ0.1%
えりくび0.1%
くびったま0.1%
ぼん0.1%
ウナ0.1%
ウナジ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
外套を着ていないから僕の頸(くび)はむきだしなのだ。座席の後板に背筋を着け、僕は両手をすくめて膝にはさみ眼をしっかり閉じていた。
蜆 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
が、姿は雨に、月の朧(おぼろ)に、水髪の横櫛、頸(うなじ)白く、水色の蹴出し、蓮葉(はすは)に捌(さば)く裾に揺れて、蒼白(あおじろ)く燃える中に、いつも素足の吾妻下駄。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
尖(とが)った銀杏返(いちょうがえし)を、そそげさして、肩掛もなしに、冷い頸(えり)をうつむけて、雨上りの夜道を——凍るか……かたかたかたかたと帰って行く。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
亀の子はお爺(じい)さんのような皺(しわ)だらけな頸(くびすじ)をのばし、口は横まで一ぱいに裂け、冷やかな眼をうごかさずによせている。
寂しけどおのれ耀き頸(うな)かぶす膝までも深く泥(どろ)に踏み入り
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
頸(ゑり)もと計の白粉も榮えなく見ゆる天然の色白をこれみよがしに乳(ち)のあたりまで胸くつろげて、烟草すぱ/\長烟管に立膝の無作法さも咎める人のなきこそよけれ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
木牛トハ、四角ナル腹、曲(マガ)レル頭(カシラ)、四本ノ脚、屈折自在、機動シテ歩行ス。頭(カシラ)ハ頸(クビ)ノ中カラ出ル、多クヲ載(ノ)セ得ルモ、速度ハ遅シ。大量運搬(ウンパン)ニ適シ、日常小事ノ便ニハ用イ難シ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第一そんな気を起こす前に、大抵の人なら、小刀(ナイフ)を頸(けい)動脈へつきさして、時間的に、そういう考えの起こる余裕を無くしているだろう。
秘密 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
申分の無い可(よ)い形(ポーズ)で、話して歩いている間中、私に腕を抱(か)い込んだり、私の肩へ手を置いたり、私の胸へ寄(より)かかったり、絶えずコクコク頸(うなず)いて、私の話へ合槌を打ったり、同情して眉をひそめたり
奥さんの家出 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
頸(うなぢ)に柳葉(やなぎは)がちりかかる
佐藤春夫詩集 (旧字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
きのうは虱(しらみ)に頸(えりくび)を蝕(く)わせ、きょうは一浴に王者の快を思う。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時お前が一生この恩は忘れないって、片息になって、しっかり俺の頸(くびったま)へしがみついたあの時から、俺は、俺はお前を……。
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
つるりと撫(な)でた手、頸(ぼん)の窪(くぼ)。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……群鳥の わが群れ行(イ)なば 引け鳥の 我が牽け行(イ)なば、哭かじとは 汝は云ふとも、山門(ヤマト)の一本薄(ヒトモトスヽキ) 頸(ウナ)傾(カブ)し 汝が哭かさまく、朝雨の さ霧に彷彿(タタ)むぞ。……(八千矛神——記)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
もっとも、そのほかに彼の異形のサマを説明して、顔が二ツだが、頂(イタダキ)合いて頸(ウナジ)なし、つまり二ツの顔の後頭部はピッタリとくッついて一ツになってるという意味らしい。