“奏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かな57.6%
そう24.3%
ひ3.5%
まを2.1%
や1.4%
すさ1.4%
まう0.7%
あわ0.7%
かなず0.7%
かなで0.7%
こと0.7%
さう0.7%
しらべ0.7%
しん0.7%
と0.7%
な0.7%
まお0.7%
アソ0.7%
カナ0.7%
ジユエ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その後はたゞ階下で奏(かな)でられるピアノかハァプの響きや、召使長や給仕が往來する足音や、茶菓(さくわ)が渡される時のコップや茶碗の響や
風が傷口からふきこむと、いかにも悲しそうな音楽を奏(そう)して、この気のどくなまつがみずから痛(いた)みをうったえる声のように聞かれた。
「ピアノをすこし奏(ひ)かせていただきたいんです。自分の家は目白で全焼しましたので、帰ってもなにもありません。ほんの五分だけ」
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ここに若日下部の王、天皇に奏(まを)さしめたまはく、「日に背(そむ)きていでますこと、いと恐し。かれおのれ直(ただ)にまゐ上りて仕へまつらむ」
「開封竹枝、ああなつかしいこと。奏(や)るわ、久しぶりに。……お母(かあ)さんも、旦那へお酌(しゃく)でもしながら、そこで聴いててよ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いやいや、その呂律(りょりつ)には重蔵の義心があろう、妙(たえ)な調べには千浪の孝心貞節もこもるであろう、予はその妙韻(みょういん)を聞きすましたい、是非、何がな一曲奏(すさ)んでくれい」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そも四九保元(ほうげん)の御謀叛(ごむほん)は五〇天(あめ)の神(かみ)の教へ給ふことわりにも違(たが)はじとておぼし立たせ給ふか。又みづからの人慾(にんよく)より計策(たばか)り給ふか。詳(つばら)に告(の)らせ給へと奏(まう)す。
此家(ここ)の老百姓に聞いてみたところ、ここから近い阿佐(あさ)ヶ谷(や)村には、遠い昔から、阿佐ヶ谷神楽といって、旧い神楽師(かぐらし)の家があり、毎月、三峰神社の月祭りには、そこの家で調べを奏(あわ)せて
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
堪へぬ甘味(あまさ)の花蔭より奏(かなず)る楽の音……消え行く心。
閉切った障子の中には更に人の気勢(けはい)もないらしいのに唯だ朗かに河東節(かとうぶし)「水調子(みずちょうし)」の一曲が奏(かなで)られている。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
伝えるところによればこれは陽列天の作で、漢王即位の時伶人この曲を奏(こと)し、一鼓を打って天下の和平を慶ぐという目出度い曲なのだ。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
きざはしの玉靴(たまぐつ)小靴(をぐつ)いでまさずば牡丹ちらむと奏(さう)さまほしき
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子、増田雅子、与謝野晶子(著)
頭(とう)の中將殿(重衡)も管絃(くわんげん)の奏(しらべ)こそ巧(たく)みなれ、千軍萬馬の間に立ちて采配(さいはい)とらん器(うつは)に非ず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
太祖の詔、可なることは則(すなわ)ち可なり、人情には遠し、これより先に洪武十五年高(こう)皇后の崩ずるや、奏(しん)王晋(しん)王燕(えん)王等皆国に在り、然(しか)れども諸王喪(も)に奔(はし)りて京(けい)に至り、礼を卒(お)えて還れり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あやしき調(しらべ)奏(と)る神こそ知らめ
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
四連音符をつゞけ奏(な)し
〔われらが書に順ひて〕 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
その時、其津の水沼於而(ミヌマイデ(?)テ)、御身沐浴(ソヽ)ぎ坐(マ)しき。故(かれ)、国造の神吉事(カムヨゴト)奏(まお)して朝廷(みかど)に参向(まいむか)ふ時、其水沼出而(イデヽ)用ゐ初むるなり。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
中世にも、魂箱を揺る風を有したが、此なども楽器の奏(アソ)びに近いものと思はれる。
市村氏の為の死の面は、外に考へ廻(メグラ)すまでもない。然(シカ)過ぎ経た彼の一生に似て、独り静かに輝いて、響き過ぐる奏(カナ)での如き近代劇——新劇団を組織することなどが、最適切な方法ではないだらうか。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
匂ひの楽(がく)を奏(ジユエ)する中(なか)に