“思”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おも65.6%
おぼ10.9%
おもい10.8%
おもひ5.8%
も2.5%
おもふ0.8%
おもわ0.7%
お0.4%
オモ0.3%
おめ0.2%
おもは0.2%
モ0.2%
おもっ0.2%
おぼし0.2%
おもつ0.2%
もひ0.2%
おもへ0.1%
ま0.1%
をも0.1%
い0.1%
おもほ0.1%
がも0.1%
し0.1%
しの0.1%
モイ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
越前(ゑちぜん)の府(ふ)、武生(たけふ)の、侘(わび)しい旅宿(やど)の、雪(ゆき)に埋(うも)れた軒(のき)を離(はな)れて、二町(ちやう)ばかりも進(すゝ)んだ時(とき)、吹雪(ふゞき)に行惱(ゆきなや)みながら、私(わたし)は——然(さ)う思(おも)ひました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
幾度(いくたび)幾通(いくつう)の御文(おんふみ)を拝見だにせぬ我れ、いかばかり憎くしと思(おぼ)しめすらん。拝(はい)さばこの胸(むね)寸断になりて、常の決心の消えうせん覚束(おぼつか)なさ。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
他(ひと)の手に封じられた、仔はどうして、自分で笊が抜けられよう? 親はどうして、自分で笊を開けられよう? その思(おもい)はどうだろう。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二日(ふつか)の眞夜中(まよなか)——せめて、たゞ夜(よ)の明(あ)くるばかりをと、一時(ひととき)千秋(せんしう)の思(おもひ)で待(ま)つ——三日(みつか)の午前三時(ごぜんさんじ)、半(なか)ばならんとする時(とき)であつた。……
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
「息(いき)の緒(を)に吾が思(も)ふ君は鶏(とり)が鳴く東(あづま)の坂を今日か越ゆらむ」(同・三一九四)等、結句の同じものがあるのは注意すべきである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
以て屋敷を忍(しの)び出んと思(おもふ)なり仔細(しさい)は斯樣々々なり先(まづ)次右衞門其方の老母病死なりと申僞(いつは)り不淨門(ふじやうもん)より出て小石川御館(おやかた)へ推參(すゐさん)し今一應再吟味の儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
乾き過ぎたりして都合よく行かないのでありますけれども、とにかく今までやって見た中で一番結果のよいと思(おもわ)れる方法を述べたいと思います。
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
晩餐を果てて、三人燈下に物語りつゝあり、「何だか、阿母(おつかさん)、先生が御不在と思(お)もや、其処(そこ)いらが寂しいのねエ」と、お花は、篠田の書斎の方(かた)顧(かへり)みつゝ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
姫の咎は、姫が贖(アガナ)ふ。此寺、此二上山の下に居て、身の償(ツグナ)ひ、心の償ひした、と姫が得心するまでは、還るものとは思(オモ)やるな。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
男の働きで当前(あたりまえ)のことゝ思(おめ)えましても、年寄てえ者は取越苦労して、私にあんた義理もあるだから、やかましく云いますし
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
山水もはた昔時に異なりて、豪族の擅横(せんわう)をつらにくしとも思(おもは)ずうなじを垂るゝは、流石(さすが)に名山大川の威霊も半(なかば)死せしやと覚(おぼえ)て面白からず。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
射発(イキ)らむと心は思(モ)へど、射捕らむと心は思へど 本べは君を思ひ出 末べは妹を思ひ出、いらなけくそこに思ひ出、かなしけくこゝに思ひ出、いきらずぞ来る。梓弓檀弓(応神記)
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
私が出立する前から世の中の様子を考えて見るとゞうせ騒動がありそうな事だと思(おもっ)て居たから、偶然にも中(あたっ)たので誠に面白かった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
東大寺は常在不滅(じやうざいふめつ)、実報寂光(じつぱうじやくくわう)の生身の御仏と思(おぼし)めし準(なずら)へて、聖武皇帝、手(てづか)ら親(みづか)ら琢(みが)き立(たて)給ひし金銅十六丈の廬舎那仏(るしやなぶつ)、烏瑟(うしつ)高く顕(あらは)れて、半天の雲にかくれ、白毫(びやくがう)新に拝(をがま)れ給ひし満月の尊容も
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
其晩枕(まくら)についてからもいろ/\あしたの楽しみのことを思(おもつ)て、夢にまで見る位でした。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
その雲居(くもゐ)思(もひ)遥(はる)けし。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
裁(したて)て送んとし思(おもへ)ば定(さだめ)て勞(つかれ)に痩せ昔の腰圍(こしまはり)にはあるまじと衣(きぬ)を裁(たゝ)んとして躊躇するにも似たり而(しか)してこれは丁寧(ていねい)尚ほ足袋に及ぶ爪先までも心の屆きし事といふべし又次の歌は想ふ人を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
うむ、畑(はたき)や深(ふか)くなくつちや收穫(と)んねえものよそら、俺(お)らあ壯(さかり)の頃(ころ)にや此間(こねえだ)のやうに淺(あさ)く耕(うな)あもんだた思(ま)あねえのがんだから、現在(いま)ぢやはあ、悉皆(みんな)利口(りこう)んなつてつから俺(お)らがにや分(わか)んねえが
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うす暗ひランプの光…………彼女のすゝり泣く声………………何と云ふ薄命(あはれ)な女であるかと我(われ)は思(をも)はず溜息(ためいき)をついた、やがて汽車は止(とま)つた
夜汽車 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)
申入(まうしいれ)も聞(き)かぬうちに婚禮(こんれい)とは何事(なにごと)ぢゃ? 父(とゝ)さまに言(い)うて下(くだ)され、わたしは嫁入(よめいり)はまだしませぬ。嫁入(よめいり)すれば如何(どう)あってもロミオへ往(ゆ)く、憎(にく)いと思(い)ふあのロミオへ、パリスどのへ往(ゆ)くよりは。
婦負(めひ)の野(ぬ)の薄(すすき)おし靡(な)べ降(ふ)る雪(ゆき)に宿(やど)借(か)る今日(けふ)し悲(かな)しく思(おもほ)ほ(イは)ゆ 〔巻十七・四〇一六〕 高市黒人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
誰(たれ)が思(がも)ひにか比(ひ)す螢(ほたる)一ツ風(かぜ)にたゞよひて只(たゞ)眼(め)の前(まへ)、いと子(こ)及(およ)ぶまじと知(し)りても只(たゞ)は有(あ)られず、ツト團扇(うちわ)を高(たか)くあぐればアナヤ螢(ほたる)は空遠(そらとほ)く飛(と)んで手元(てもと)いかゞ緩(ゆ)るびけん、團扇(うちわ)は卯(う)の花(はな)垣(がき)越(こ)えて落(お)ちぬ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「凡百ノ技、巧(こう)ニ始マリ、拙ニ終ル、思(し)ニ出デテ不思(ふし)ニ入ル、故ニ巧思極マル時ハ則(すなは)チ神妙ナリ。神妙ナル時ハ則チ自然ナリ。自然ナルモノハ巧思ヲ以テ得ベカラズ、歳月ヲ以テ到ルベカラズ……」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そこより幸でまして、能煩野(のぼの)一三に到ります時に、國思(しの)はして歌よみしたまひしく
だから、此「思(モイ)」も逆語序である。
日琉語族論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)