“比”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くら28.4%
ころ23.4%
ごろ17.5%
たぐ7.6%
ひ5.8%
なら4.4%
たぐい1.5%
たと1.5%
たぐひ1.2%
く1.2%
ひと1.2%
くらぶ0.6%
ころほひ0.6%
およ0.6%
くらべ0.6%
ころほ0.6%
よそ0.6%
あわ0.3%
これ0.3%
ころはひ0.3%
そ0.3%
な0.3%
なぞら0.3%
まじ0.3%
コノコロ0.3%
ヒ0.3%
レイショ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すなわち花は誠(まこと)に美麗(びれい)で、且(か)つ趣味に富(と)んだ生殖器であって、動物の醜(みにく)い生殖器とは雲泥(うんでい)の差があり、とても比(くら)べものにはならない。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
元禄十一年(1698)に出版された貝原損軒(そんけん)(益軒)の『花譜』には「正保(しょうほ)の比(ころ)はじめてもろこしより長崎へきたる」と述べ
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
文献としては、石渡賢八郎編の『西洋奇術狐狗狸怪談』と骨皮道人(こつひどうじん)著の『狐狗狸と理解』の二書があるが、皆明治二十年比(ごろ)の刊行である。
狐狗狸の話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
類は友で集まった倶楽部(くらぶ)員達は、華族の次男三男坊、金持の息子、文士、美術家、俳優と言った比(たぐ)いばかり、貧乏人は一人もありませんが
古城の真昼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
雪吹(ふゞき)は樹(き)などに積(つも)りたる雪の風に散乱(さんらん)するをいふ。其状(そのすがた)優美(やさしき)ものゆゑ花のちるを是に比(ひ)して花雪吹(はなふゞき)といひて古哥(こか)にもあまた見えたり。
死後には翼を比(なら)べた形を彫刻にまで造られて、それを戀とも哀傷ともされ、たゞ/\二人にあやかりたいやうな男や女の語り草となる。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかしその健脚はわたくしの比(たぐい)ではなかった。迥(はるか)にわたくしに優(まさ)った済勝(せいしょう)の具を有していた。抽斎はわたくしのためには畏敬(いけい)すべき人である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ほゝは、山深きあたりの高き梢に塵寰(ちりのよ)の汚れ知らず顔して、たゞ青雲(あをぐも)を見て嘯き立てる、気高さ比(たと)へんかた無し。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
その世にも比(たぐひ)のない真珠の光りは、丁度姫がその時に薔薇の為にハラ/\とこぼした涙と同じやうに輝いて居ります。姫の涙にも、月が一つ/\写つて居ります。
青白き公園 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「間違ひありません。ほら、この仏像を外のと比(く)らべて御覧なさい。一目で、ちがつてゐることが分りませう」
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
蓋(けだ)し道衍の秉忠に於けるは、岳飛(がくひ)が関張(かんちょう)と比(ひと)しからんとし、諸葛亮(しょかつりょう)が管楽に擬したるが如く、思慕して而(しこう)して倣模(ほうも)せるところありしなるべし。詩に曰く
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ぶたい花みちは雪にて作りたる上に板をならぶる、此板も一夜のうちに冰(こほり)つきて釘付(くぎづけ)にしたるよりも堅(かた)し。暖(だん)国に比(くらぶ)れば論(ろん)の外(ほか)なり。
人々出合ひて打騒(うちさわ)ぐ比(ころほひ)には、火元の建物の大半は烈火となりて、土蔵の窓々より焔(ほのほ)を出(いだ)し、はや如何(いか)にとも為んやうあらざるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
昔兵威を振(ふる)ひて天下を取る者は、皆史書に見るところ也。将門天の与ふるところ既(すで)に武芸に在り、等輩を思惟するに誰か将門に比(およ)ばんや。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
雪吹(ふゞき)の人を殺(ころ)す事大方右に類(るゐ)す。暖地(だんち)の人花の散(ちる)に比(くらべ)て美賞(びしやう)する雪吹(ふゞき)と其異(ことなる)こと、潮干(しほひ)に遊(あそ)びて楽(たのしむ)と洪濤(つなみ)に溺(おぼれ)て苦(くるしむ)との如(ごと)し。雪国の難義(なんぎ)暖地(だんち)の人おもひはかるべし。
それから小學校の庭でする消防出初式の稽古を見、冬の日の田圃の心持よい暖色を樂しみながら、午少し前の比(ころほ)ひ、かの祭典の催のある街區に入つたのである。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
旧藩主も一代に一度は必ずその下を過(よぎ)りて神徳を老樹の高きに比(よそ)え仰がれたるなり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
若いから嘸お厭(いや)だろうけれども、まアお年に比(あわ)しては能(よ)く看病なさるってお母(っか)さんも誉めて居ますよ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鰻飯は西洋料理の媒酌(ばいしゃく)となり、西洋料理は金の時計の手引きとなり、比(これ)より彼(かれ)に移り、一より十に進み、一進また一進、段々限りあることなし。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
蚊の蠅に代る比(ころはひ)、下なる溪間(たにま)恐らくはおのが葡萄を採りかつ耕す處に見る螢の如く 二八—三〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「我は愛(うるは)しき友なれ二七こそ弔ひ來つらくのみ。何ぞは吾を、穢き死(しに)人に比(そ)ふる」といひて、御佩(みはかし)の十掬(つか)の劒を拔きて、その喪屋(もや)を切り伏せ、足もちて蹶(く)ゑ離ち遣りき。
陣々相比(な)らび簇々相薄まりその熾(さか)んなること洵(まこと)に空前の盛観であってよくもかく殖えたもの哉(かな)と目を瞠らしめた。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
パウロは之をキリストと其教会の一体なるに比(なぞら)え、又汝曹(なんじら)婚姻の事を凡て貴(たっと)べと教えたり。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
尤(もつと)もこれは、一本によると、化レ人ヒトニナリテでなくて、比レ人ヒトニマジリテとあるが、両方ともその後に歌之(ウタウ)と書いてあるから、人に化(ば)けたにしろ、人に比(まじ)ったにしろ
貉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
比(コノコロ)諫官但言二發冤一。未三嘗言二其不敬一。亦不レ言レ有二老母一。如二卿所一レ言。朕何爲不レ赦レ之。即命二中使一。釋二其罪一。送歸レ家。仍慰二勞其母一(唐紀五十九、寶暦元年の條)。
すなわち「比(ヒ)」の類と「肥(ヒ)」の類と「斐(ヒ)」の類と、こういう風に三つに分けてあるので、「ヒ」だけは三つに分れると考えたらしいのです。これだけが、『古事記』の仮名の他と違った点であります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
「いや、結局は比(レイショ)の問題さ。しかし僕は、知性にも魔法的効果があると信じているよ」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)