“奔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はし91.9%
ハシ2.3%
ぱし1.7%
ほとばし1.7%
は1.2%
あば0.6%
いじ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
曾は夜具の中に円くなって隠れ、息を殺していたが、盗賊が往ってしまったので、そこで大声をあげながら本妻の室へ奔(はし)って往った。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
横佩墻内(ヨコハキカキツ)に住む限りの者は、男も、女も、上(ウハ)の空になつて、洛中洛外を馳せ求めた。さうした奔(ハシ)り人(ビト)の多く見出される場處と言ふ場處は、殘りなく搜された。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
「それ見なッせい。あのとき、おれたち夫婦ですすめたように、二龍山へ突ッ奔(ぱし)ってしまえば、よもや、こんなことにはならなかったろうによ!」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、突然、まったく突然、その家の洗面所と思われる方にすさまじい水道の奔(ほとばし)る音が、あたりの静けさと、欹てた耳とに、数十倍に拡大されて、轟(とどろ)きわたった。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
... 勇士(ますらお)のごとく我に奔(は)せかかり給う」と恨み、あるいは神を「汝」と呼びて「汝わが宗族(やから)をことごとく荒せり、汝我れを皺(しわよ)らしめたり」と怨(えん)じている。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
逆上し切ってお先真暗なことに於て、奔(あば)れ馬(うま)ばかりを笑われませんでした。幾分の余裕を存して追いかけて来たつもりの米友自身すらも、この時分はかなり目先がもうげんじていました。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鱶はちょっと屍を奔(いじ)ってみて、さも厭そうに、下から口を当てて用心深く歯を加えると、帆布は頭から足の先まで真縦に裂ける。錘の鉄棒が一本抜け出て「水先案内」達を脅かし、鱶の横腹に当る。
グーセフ (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)