“方”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かた43.3%
ほう28.1%
がた9.4%
はう8.8%
ぽう2.7%
あた2.2%
まさ1.2%
ぱう1.0%
ち0.5%
カタ0.4%
え0.3%
ハウ0.3%
ぽ0.3%
ぼう0.2%
へ0.2%
かく0.1%
けた0.1%
ひと0.1%
みち0.1%
マサ0.1%
あたり0.1%
べ0.1%
ま0.1%
あ0.1%
う0.1%
しかく0.1%
ちから0.1%
て0.1%
ばう0.1%
ほ0.1%
ホウ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「でも、あなたはあまりお美しいから。僕は今日はいつぱし慈善家になりおほせたいから、わざと地味な方(かた)のを選んで買ひました。」
「風(かぜ)がなくていいな。」と夢(ゆめ)の中(なか)だけれど思(おも)っていたときです。蒸気(じょうき)ポンプの轍(わだち)が、あちらの広(ひろ)い通(とお)りを横(よこ)の方(ほう)へ曲(ま)がったようです。
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
何(なに)、男(をとこ)を殺(ころ)すなぞは、あなた方(がた)の思(おも)つてゐるやうに、大(たい)した事(こと)ではありません。どうせ女(をんな)を奪(うば)ふとなれば、必(かならず)、男(をとこ)は殺(ころ)されるのです。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
夜(よる)は大分(だいぶん)更(ふ)けてゐた。「遼陽城頭(れうやうじやうとう)夜(よ)は更(ふ)けて‥‥」と、さつきまで先登(せんとう)の一大隊(だいたい)の方(はう)で聞(きこ)えてゐた軍歌(ぐんか)の聲(こゑ)ももう途絶(とだ)えてしまつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
この村(むら)に、もう一人(ひとり)金持(かねも)ちがありました。その男(おとこ)は、村(むら)のものが、一方(ぽう)の金持(かねも)ちの家(うち)にばかり出入(でい)りするのをねたましく思(おも)いました。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
而して此間に方(あた)りて白眼天下を睥睨(へいげい)せる布衣(ほい)の学者は日本の人心を改造したり、少くとも日本人の中に福沢宗と曰(い)ふべき一党を形造れり。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
男子社会の不品行にして忌憚(きたん)するなきその有様は、火の方(まさ)に燃ゆるが如し。徳教の急務は百事を抛(なげう)ち先ずこの火を消すにあるのみ。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一方(ぱう)貿易外(ぼうえきぐわい)の受取超過額(うけとりてうくわがく)が毎年(まいとし)一億(おく)六七千萬圓(まんゑん)あるから大體(だいたい)に於(おい)て昨年(さくねん)の海外支拂勘定(かいぐわいしはらひかんぢやう)は受取勘定(うけとりかんぢやう)で償(つぐな)ひ得(う)ることとなつたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
『ふン……後の加勢が来るあいだ、世囈い言を聞いていたほうが、其っ方(ち)に取っては、無難ではないか。——今度はお小夜に一言(こと)云おう』
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吾々すら、さう思ふのだから、世間大体はまづ、さう言ふ行(イ)き方(カタ)で、時勢と芸文との関聯を、考へてゐるに違ひないと謂はれよう。
文芸の力 時代の力 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
しかも海路を立ち退くとあれば、行(ゆ)く方(え)をつき止める事も出来ないのに違いない。これは自分一人でも、名乗(なのり)をかけて打たねばならぬ。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
其より外には、方(ハウ)もつかなかつた。奈良の御館の人々と言つても、多くは、此人たちの意見を聽いてする人々である。よい思案を、考へつきさうなものも居ない。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
片(かた)っ方(ぽ)の角の蕎麦屋の台所口とがつづいたあと、右には同じく浅倉屋の土蔵、左には、表に灰汁桶(あくおけ)の置かれた女髪結のうちがあった。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
遠慮(ゑんりよ)の無(な)い女房等(にようばうら)にお品(しな)の噺(はなし)をされるのは徒(いたづ)らに哀愁(あいしう)を催(もよほ)すに過(す)ぎないのであるが、又(また)一方(ぼう)には噺(はなし)をして見(み)て貰(もら)ひたいやうな心持(こゝろもち)もしてならぬことがあつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
五日(いつか)の朝、僕の家に来(きた)る。未(いま)だ孫娘の行(ゆ)く方(へ)を知らずといふ。意気な平生のお師匠(ししやう)さんとは思はれぬほど憔悴(せうすゐ)し居たり。
庇(ひさし)のもとに床(ゆか)ありて浅き箱やうのものに白く方(かく)なる物を置(おき)たるは、遠目(とほめ)にこれ石花菜(ところてん)を売ならん、口には上(のぼ)らずとおもひながらも
當時わが目にとまりしは、方(けた)なる形に作りたる圓柱の廊なりき。廊に圍まれたるは小(ちさ)き馬鈴藷圃(ばれいしよばたけ)にて、そこにはいとすぎ(チプレツソオ)の木二株、檸檬(リモネ)の木一株立てりき。
そして、多分、あの女も、あの方(ひと)を愛するだらうよ。——あの方の人物でなくも、少くとも財布の方はな。
子路率爾(そつじ)として対(こた)えて曰く、千乗の国大国の間に摂(はさ)まりて加うるに師旅(しりょ)を以てし因(かさ)ぬるに饑饉(ききん)を以てせんとき、由(ゆう)これを為(おさ)めば、三年に及ばん比(ころ)、勇あり且(か)つ方(みち)を知らしめん。夫子之を哂(わら)う。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
是に其言を怪しと思おして、其方(マサ)に御子産み給うを窃伺(カキマミ)給えば、八尋和邇(ヤヒロワニ)になりて、葡匐委蛇(ハイモコヨイ)き。即ち見驚き畏みて、遁げ退き給いき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
異邦人に由て異邦人のために著わされし路加伝も亦イエスの言行を伝うるに方(あたり)て来世を背景として述ぶるに於て少しも馬太伝に譲らないのである
丫鬟走り入りて、七一おほがさの主(ぬし)詣(まう)で給ふを誘(いざな)ひ奉るといへば、いづ方(べ)にますぞ、こち迎へませといひつつ立ち出づるは真女子なり。
由て今左に同氏の説を紹介するが、これは今から方(ま)さに百二十一年前の文政四年〔一八二一〕に出版と成った同氏著の『槻の落葉信濃漫録』に載っている文章である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
鈎をおろすに方(あ)りて、大事とること総て此の如くなれば、一旦懸りたる魚は、必ず挙げざる無く、大利根の王と推称せらるるも理(ことわ)りなり。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
美くしさと云うものはどんな物にでもひそんで居る、その表面には出て居ないながらも尊い美くしさを速(さと)く感じる事の出来ないのは一生の方(う)ちには半分位損をする。
千世子(二) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
大小数百千悉(こと/″\)く方(しかく)をなして削(けず)りたてたるごとく(かならず方(かく)をなす事下に弁(べん)ず)なるもの幾千丈の山の上より一度(ど)に崩頽(くづれおつ)る、その響(ひゞき)百千の雷(いかづち)をなし大木を折(をり)大石を倒(たふ)す。
併(しか)し凡(すべ)てに共通(けうつう)した手法(しゆはふ)の方針(はうしん)は、由來(ゆらい)化物(ばけもの)の形態(けいたい)には何等(なんら)か不自然(ふしぜん)な箇所(かしよ)がある。それを藝術(げいじゆつ)の方(ちから)で自然(しぜん)に化(くわ)さうとするのが大體(だい/\)の方針(はうしん)らしい。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
みだれる雲——疾風(はやて)の叫び——行(ゆ)く方(て)は宵闇(よいやみ)ほど暗かった。時々、青白くひらめく稲妻が眸(ひとみ)を射、耳には、おどろおどろ、遠い雷鳴(かみなり)がきこえてきた。
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
れと詰寄するに流石の半四郎も仰天し南無(なむ)三方(ばう)斯(かく)大勢に見込れては我が命(いのち)はとても無(なき)ものなり好々(よし/\)叶(かな)はぬ迄も爭(いか)で手込になされんや命の限り腕かぎり叩(たゝ)き散して遣(や)らんものと傍(かたは)らの松の木を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「冷(つめ)たくつて本當(ほんと)に晴々(せえ/\)とえゝ水(みづ)ぢやねえか、俺(お)ら方(ほ)の井戸(ゐど)見(み)てえに柄杓(ひしやく)で汲(く)み出(だ)すやうなんぢや、ぼか/\ぬるまつたくつて」おつたは復(ま)た獨語(ひとりごと)をいつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
曲(マガ)レルハ牛ノ頭(カシラ)トシ、双(ソウ)ナルハ牛ノ脚トシ、横ナルハ牛ノ頸(クビ)トシ、転ズルハ牛ノ背トシ、方(ホウ)ナルハ牛ノ腹トシ、立テルハ牛ノ角(ツノ)トシ、鞅(オウ)(胸ノ綱)鞦(シュウ)(尾ノ綱)備ワリ、軸、双、轅(エン)(ながえ)ヲ仰グ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)