“角”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かく48.7%
かど27.3%
つの18.0%
すみ2.6%
か1.0%
こ0.6%
こう0.3%
つぬ0.2%
けた0.2%
ツヌ0.2%
ツノ0.2%
コーナー0.1%
かう0.1%
こば0.1%
はな0.1%
らつぱ0.1%
カク0.1%
カド0.1%
コウナ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしあの逞(たくま)しいムツソリニも一椀(わん)の「しるこ」を啜(すゝ)りながら、天下(てんか)の大勢(たいせい)を考(かんが)へてゐるのは兎(と)に角(かく)想像(さうぞう)するだけでも愉快(ゆくわい)であらう。
しるこ (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そして、あたりは静(しず)かであって、ただ、遠(とお)い街(まち)の角(かど)を曲(ま)がる荷車(にぐるま)のわだちの音(おと)が、夢(ゆめ)のように流(なが)れて聞(き)こえてくるばかりであります。
花と人の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひたっと、体を、牢格子の錠(じょう)へ押しつけた蔵六の手は、わなわなと、腰の鍵を外していた。ガチッと、掌のなかで、錠の角(つの)が刎(は)ねた。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
文字と絵画、二者相俟って無上の模様を示す。四囲を辺づける淀(よど)みなき線、単純な強き二つの口、ふくらめる面、刀を加えし四角(すみ)。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
郊外生活の地続き、猫の額ほどな空地(あきち)に十歩の春を娯(たのし)まうとする花いぢりも、かういふ輩(てあひ)に遭(あ)つては何(なに)も角(か)も滅茶苦茶に荒されてしまふ。
いや最(も)う、何(なに)も彼(か)も御存じで、婆(ばば)なぞが兎(と)や角(こ)ういふも恐多(おそれおお)いやうな御人品(ごじんぴん)ぢや、さやうならば行つてござらつせえまし。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
釣道の極意を得ざりしを惜むなり。と、兎(と)さま角(こう)さまに、苦悶し、懊悩し、少時は石像木仏の如し。船頭、余り気を落せるを見て
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
高市黒人(たけちのくろひと)の歌に、「吾妹子に猪名野(ゐなぬ)は見せつ名次山(なすぎやま)角(つぬ)の松原いつか示さむ」(巻三・二七九)があり、この歌より明快だが、却って通俗になって軽くひびく。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ト見ると襖から承塵(なげし)へかけた、雨(あま)じみの魍魎(もうりょう)と、肩を並べて、その頭(かしら)、鴨居(かもい)を越した偉大の人物。眉太く、眼円(まなこつぶら)に、鼻隆うして口の角(けた)なるが、頬肉(ほおじし)豊(ゆたか)に、あっぱれの人品なり。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「野(ヌ)」であるとか、「角(ツヌ)」であるとか、「偲(シヌブ)」、「篠(シヌ)」という風な現在「の」と発音するものは、昔は「ぬ」と言って、その「ぬ」には「怒」を使って「奴」を使った例はない。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
だが、博士は、実朝・尼公・公暁の悲劇と言ふ角(ツノ)書きとでも言ひますか、小見出しをつけて居られます。
芝居に出た名残星月夜 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
第四角(コーナー)まで後方の馬ごみに包まれて、黒地に白い銭形紋(ぜにがたもん)散(ち)らしの騎手(きしゅ)の服も見えず、その馬に投票していた少数の者もほとんど諦(あきら)めかけていたような馬が
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
女房(にようぼ)が無いで身締(みじまり)が何(どう)の角(かう)のなどと其様(そん)な心配は、長二や、お前のことだもの少しも有りはせぬが、お前にしてからが何程心淋しいか知れはせぬよ、女など何の役にも立たぬ様に見えるが
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
薙刀(なぎなた)の折れでもあるような細い鉈(なた)が、彼女の嫋(しな)やかな手に振上げられた。あっと、武蔵が息を嚥(の)む間に、はやその鉈の刃は、琵琶の角(こば)へ深く入っていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
シエッペラアクは、自分の家であった洞窟を出て、始めてその小さい流れを越え、巌石の角(はな)を曲がった時、彼は自分の下に輝いている現世の平野を見下ろした。
人馬のにひ妻 (新字新仮名) / ロード・ダンセイニ(著)
そこよりイウバの許(もと)に閃(ひらめ)き下り、後、汝等の西に轉(めぐ)りてかしこにポムペオの角(らつぱ)を聞けり 七〇—七二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
角(カク)池の四隅に殘る氷かな
寒山落木 巻一 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
路次角(カド)の電柱に懸かつた医者の広告板なのだが、その姓をどう読んでいいか分らなかつた、そのまはりに蛾が沢山、それを照明してゐる電燈のまはりにも、とまつたり飛んだりしてゐる。
夏の夜の話 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
このエプソム競馬の特徴は、コウスが半円をなしていることで、競馬線は出発点からゆるく彎曲(カアヴ)してタテナム角(コウナ)をまがり、大観覧席の前面で決勝する。つまり楕円的な三角形をつくっている。