“奪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
と63.9%
うば21.9%
た4.5%
たく2.3%
だく1.4%
ど1.1%
さら0.9%
とら0.7%
あげ0.5%
うばゝ0.5%
だ0.5%
うばは0.2%
うばひ0.2%
うばい0.2%
うばわ0.2%
ば0.2%
ばい0.2%
ひったく0.2%
ウバ0.2%
メ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老婆は、片手(かたて)に、まだ屍骸の頭から奪(と)つた長い拔け毛を持(も)つたなり、蟇(ひき)のつぶやくやうな聲で、口ごもりながら、こんな事を云つた。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
送(おく)っていただいた、美(うつく)しい雑誌(ざっし)を友(とも)だちに見(み)せると、みんなが、奪(うば)い合(あ)って、たちまち、汚(きたな)くしてしまいました。残念(ざんねん)でなりません。
おかめどんぐり (新字新仮名) / 小川未明(著)
やいやい、いくら汝(てめえ)の物だって礼もいわずに、引ッ奪(た)くるという奴があるか。もいちど、今の巾着を出せ。改めて三べん廻ってお辞儀を
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
門を出る頃には、もう弟子の誰彼に追ひつかれて、上(うは)つ被(ぱり)は滅茶々々に引(ひ)つ奪(たく)られ、若者の手には片袖一つしか残つてゐなかつた。
因より正當(せいたう)の腕を探(ふる)つて儲(まう)けるのでは無い、惡い智惠(ちえ)を搾(しぼ)ツてフン奪(だく)るのだ………だから他の怨(うらみ)を購(か)ひもする。併し金は溜(た)まつた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
横奪(ど)りし、一緒になって十七八年逃げ廻り、あの娘まで生ませたが、五年前肝心の恋女房に死に別れてしまったそうで——
つれ逃來(にげきた)りし譯ゆゑ敢(あへ)て憎(にく)む程のこともなし夫に旅馴(たびなれ)ぬゆゑ熊谷土手にて惡漢(わるもの)に欺(だま)され既に妻をも奪(さら)はれんとする所に八五郎の咄(はな)しにより某駈着(かけつけ)て惡漢を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それを怺(こら)へてお前を人に奪(とら)れるのを手出しも為(せ)ずに見てゐる僕の心地(こころもち)は、どんなだと思ふ、どんなだと思ふよ! 自分さへ好ければ他(ひと)はどうならうともお前はかまはんのかい。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
奪(あげ)られぬ奪られるの云ひ争ひの末何楼(なにや)の獅顔(しかみ)火鉢を盗り出さんとして朋友(ともだち)の仙の野郎が大失策(おほしくじり)を仕た話、五十間で地廻りを擲つた事など、縁に引かれ図に乗つて其から其へと饒舌り散らす中
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
余也(よや)固(もとより)浅学(せんがく)にして多く書(しよ)を不読(よまず)、寒家(かんか)にして書に不富(とまず)、少く蔵せしも屡(しば/\)祝融(しゆくいう)に奪(うばゝ)れて、架上(かしやう)蕭然(せうぜん)たり。
「行って見て来いよ。小僧。引っくり返(け)えってたらモウ一度バッグを開けてやれよ。中味をフン奪(だ)くって来るんだ。ナア小僧……」
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
なして居しと語る間も聲を揚(あげ)歎(なげ)き悲(かな)しむ有樣に與惣次は眉(まゆ)を顰(ひそ)めて夫は傳吉が人を殺ししたるに非ず殺した奴(やつ)は外に有るべし然(しか)し憑司が村長を傳吉に奪(うばは)れたりと思ひ違ひ憤(いきどほ)りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
刧(おびやか)し路用(ろよう)を奪(うばひ)て己が酒色の料(れう)にぞ遣(つか)ひ捨(すて)けり初の程は何者の仕業(しわざ)とも知る者無(なか)りしが遂に誰云ふとなく旅人(りよじん)を剥(はぐ)の惡黨は此頃常樂院の食客大膳と云ふ者の仕業なりとを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
果は押問答の末無法にも力づくにて金子を奪(うばい)取らむと致候間、掴(つか)み合の喧嘩(けんか)に相なり候処、愚僧はとにかく十五歳までは武術の稽古(けいこ)も一通(ひととおり)は致候者なれば、遂に得念を下に引据(ひきす)ゑ申候。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それもこれも承知せぬでは無(なか)ろうが若い人の癖とてあのお辰(たつ)に心を奪(うばわ)れ、然(しか)も取残された恨(うらみ)はなく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
もう新年が眼の前に見えるので、東京の各雑誌社では原稿の奪(ば)ひ取(と)り合ひに血眼になつてゐる。
旧(もと)は渡(わたし)で対岸(むかう)に大きな柳の樹(き)が有(あ)つて、其処(そこ)に脱衣婆(ばあさん)が居(ゐ)て、亡者(まうじや)の衣服(きもの)をふん奪(ばい)て、六道銭(だうせん)を取つて居(ゐ)ましたが、渡(わた)しはいけないといふ議論(ぎろん)がありました
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
佐平はこう言って、雄吾から猟銃を奪(ひったく)った。二人の若者達は駐在所へ駈け出した。
熊の出る開墾地 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
北京(ホッケイ)ノ囚人盧俊儀(ロシュンギ)、及ビ、ソノ護送役人ヲ殺害シテ盧(ロ)ヲ奪(ウバ)イ去ッタ大罪人ヲ訴エ出(イ)デヨ、という莫大な懸賞つきの布令(ふれ)なのだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荼吉尼を呪(ジユ)する験者に誘はれて、旅の空にさすらひ出で、鄙のすまひに衰へては、験者の末流を汲む輩の手さきに使はれて、官奪(メ)された野狐となり、いづなの輩に伍して
狐の田舎わたらひ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)