“凡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
およ42.0%
すべ37.6%
およそ5.3%
ただ3.2%
あら2.8%
ぼん2.0%
す1.5%
すべて1.2%
おおよ0.6%
おほよ0.6%
なみ0.5%
なべ0.5%
おほよそ0.4%
おほ0.2%
おそ0.2%
まる0.2%
オヨソ0.1%
おおし0.1%
おほし0.1%
おほろか0.1%
たゞ0.1%
つね0.1%
ほ0.1%
オヨ0.1%
スベ0.1%
スベテ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
予は病に余儀なくせられて、毎夜半凡(およ)そ一時間がほど、床上に枯坐する慣(なら)ひなりき。その夜もいつもの頃、目覚めて床上に兀坐(こつざ)しぬ。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
凡(すべ)て富豪(かねもち)といふものは、自分の家(うち)に転がつてゐる塵(ちり)つ葉(ぱ)一つでも他家(よそ)には無いものだと思ふと、それで大抵の病気は癒(なほ)るものなのだ。
青磁の皿 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
凡(およそ)雪九月末より降(ふり)はじめて雪中に春を迎(むかへ)、正二の月は雪尚(なほ)深(ふか)し。三四の月に至(いた)りて次第に解(とけ)、五月にいたりて雪全く消(きえ)て夏道(なつみち)となる。
例のその日は四(よ)たび廻(めぐ)りて今日しも来(きた)りぬ。晴れたりし空は午後より曇りて少(すこし)く吹出(ふきい)でたる風のいと寒く、凡(ただ)ならず冷(ひ)ゆる日なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
凡(あら)ゆる忍耐、凡ゆる屈辱、魂と生命の切り売り、その長い辛労の後ではないか。しかもさらに二千円の償いを取る理由がどこにあろう。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
爭(あらそ)ひ將棋(せうき)に敗(やぶ)れて血(ち)を吐(は)いて死ぬなどは一種(しゆ)の悲壯(ひそう)美を感(かん)じさせるが、迂濶(うくわつ)に死ぬ事も出來ないであらう現(げん)代の專(せん)門棋士(きし)は平凡(ぼん)に
政宗の様子は凡(す)べて長政に合点出来た。長政はそこで上洛(じょうらく)する。政宗も手を束(つか)ね居てはならぬから、秀吉の招喚に応じて上洛する。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その時の構図は、凡(すべて)けろりと忘れたようなあり様だが、藕糸曼陀羅(ぐうしまんだら)には、結びつけようとはしては居なかったのではないかと思う。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
序(つい)でにお爺(じい)さんの人相書(にんそうがき)をもう少(すこ)しくわしく申上(もうしあ)げますなら、年齢(とし)の頃(ころ)は凡(おおよ)そ八十位(くらい)、頭髪(とうはつ)は真白(まっしろ)、鼻下(びか)から顎(あご)にかけてのお髭(ひげ)も真白(まっしろ)
即ち根底から之(これ)を破壞して新に假名遣を再造しなければならぬと云ふ程懸隔しては居らぬやうに見て居ります。凡(おほよ)そ「有物有則」でありまして口語の上に既に則と云ふ者は自然にある。
仮名遣意見 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
たとえば女のようなもの。——それも凡(なみ)な女ではなく、いつも火のような情炎を肌のあぶらに焚(た)いている女の……。
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この朝明(あさけ)しぐるる見れば、霧ふかく時雨るる見れば、うち霧らひ、霧立つ空にいや黒くその秀(ほ)うかび、いや重く下べ鎮(しづ)もり、いや古く並び鎮もる、凡(なべ)てこれ墨の絵の杉、見るからに寒し厳(いつ)かし
(凡(おほよそ)たたみ類の事あちらは黒人(くろうと)也。こちらはしらず候ゆゑ也。)勿論浦郷(うらざと)にて便も宜候故也。私添書どもなきをあやしむことなかれ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
旅人が馬を水城(みずき)(貯水池の大きな堤)に駐(と)めて、皆と別を惜しんだ時に、児島は、「凡(おほ)ならば左(か)も右(か)も為(せ)むを恐(かしこ)みと振りたき袖を忍(しぬ)びてあるかも」(巻六・九六五)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
凡(おそ)らくこれは大発見、と同時に又、景岡秀三郎の身を危く滅ぼす基(もと)でもあったのです……。
足の裏 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
これに比べると、近松は凡(まる)で正反対だ。近松の芸術は明るい。主観的、要求的である。泣いたり笑つたりしてゐる。かれは真よりも詩を求めてゐる。
西鶴小論 (新字旧仮名) / 田山花袋、田山録弥(著)
屋敷を構へて居た蘇我臣(ソガノオミ)なども、飛鳥の都では、次第に家作りを拡げて行つて、石城(シキ)なども高く、幾重にもとり廻して、凡(オヨソ)永久の館作りをした。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
佐伯(さえき)ノ伊太知(いたち)とか、大伴(おおとも)ノ鯨(くじら)、凡(おおし)ノ黒鯛(くろだい)などは史上にも見える人物だし、丹念にさがせば、そんな類の名は、まだいくらでもあるだろう。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また尾張の連等が祖、凡(おほし)の連が妹、目子の郎女に娶ひて、生みませる御子、廣國押建金日(ひろくにおしたけかなひ)の命、次に建小(たけを)廣國押楯の命二柱。
「聞く人の鑒(かがみ)にせむを、惜(あたら)しき清きその名ぞ、凡(おほろか)に心思ひて、虚言(むなこと)も祖(おや)の名断(た)つな、大伴の氏(うぢ)と名に負(お)へる、健男(ますらを)の伴(とも)」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
垢(あか)にまみれし面かげの、何處にはいかならん好き處ありとも、凡(たゞ)人の目に好しと見ゆべきかは、恐ろしく氣味惡く油斷ならぬ小僧と指さゝるゝはては、警察にさへ睨まれて、此處の祭禮かしこの縁日
琴の音 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
才学凡(つね)ならぬ優秀なものとなり、赤染時用という検非違使から大隅守になっただけで別に才学の噂も無い平凡官吏の胤とも思われない。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
沙魚(はぜ)と鮎並(あいなめ)を買って、それで酒を飲んだ。うまかった。沙魚は丁度(ちょうど)懐卵期で、卵も凡(ほ)ぼ熟しかかっていたが、それでもうまかった。晩に高梨を訪ねた。
凡(オヨ)ソ天下ノ事、我ガ心ニ具(ソナ)フル性命ノ理ニ明カナラズシテ、断制、裁割(サイクワツ)スベキイハレ無シ。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
凡(スベ)て此(コヽ)に諸物皆来聚しき。時に、中臣の遠祖天(アメノ)児屋命則以神祝祝之(カムホサキホサキキ)神祝々之。
此時一度、凡(スベテ)、石城(シキ)はとり毀(コボ)たれたのである。ところが、其と時を同じくして、疱瘡(モガサ)がはやり出した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)