“術”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すべ60.3%
て29.3%
じゅつ3.8%
じゆつ3.5%
わざ1.5%
てだて0.4%
テ0.4%
ばけ0.1%
せつ0.1%
づち0.1%
やつ0.1%
タクト0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いつの間にか君の方が正直な人間になつてしまつたな。俺は、君の悪影響を蒙つて他人の言葉を疑(うたぐ)るといふ術(すべ)を知つてしまつた!」
夏ちかきころ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
うまい術(て)を考えたものだよ、——もっともそれも丈夫な人間に出来ることで、病身の竜吉には先ずむずかしいと見なければなるまい。
いながらにして百里の先をも見とおす果心居士(かしんこじ)の遠知の術(じゅつ)、となりの部屋(へや)に寝ている竹童(ちくどう)のはらを読むぐらいなことはなんでもない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
カントの超絶(てうぜつ)哲学(てつがく)や余姚(よよう)の良知説(りやうちせつ)や大(だい)は即(すなは)ち大(だい)なりと雖(いへ)ども臍栗(へそくり)銭(ぜに)を牽摺(ひきず)り出(だ)すの術(じゆつ)は遥(はる)かに生臭(なまぐさ)坊主(ばうず)が南無(なむ)阿弥陀仏(あみだぶつ)に及(およ)ばず。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵、三文字屋金平(著)
我答へて彼に曰ひけるは、かれら逐はれしかども前にも後にも四方より歸れり、されど汝の徒(ともがら)は善くこの術(わざ)を習はざりき 四九—五一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
敵の出で来るを恐れては勿々(なかなか)軍はなるまじ、その上に延々(のびのび)とせば、横山終(つい)に攻落(せめおと)さるべし。但し此ほかに横山を援(たす)けん術(てだて)あるべきや。
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
裳の襞を作るのに珍(ナ)い術(テ)を持つた女などが、何でもないことで、とりわけ重寶がられた。袖の先につける鰭袖(ハタソデ)を美しく爲立てゝ、其に、珍しい縫ひとりをする女なども居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
同学鞍作得志(くらつくりのとくし)、虎を以(も)て友として、その術(ばけ)を学び取れり。あるいは枯山(からやま)をして変えて青山にす。
穴の中の恐ろしさ苦しさも、今妻の不義を見せつけられた術(せつ)なさに比べては、物の数ではなかった。
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「大臣(おとど)ふみもえとらず、手わななきてやがて笑ひて、今日は術(づち)なし、右の大臣にまかせ申すとだにいひやり給はざりければ々々」
余録(一九二四年より) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
これが、ぼると言います。阿漕(あこぎ)な術(やつ)です。はめられたんです。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女房なぞは今ではすっかり術(タクト)を心得込んで家賃を負けさせようとの魂胆(こんたん)物凄く、年中菊の話ばかり持ち出して「大家の小父(おじ)さん」なぞと甘ったれていたが
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)