“宅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うち69.5%
たく24.1%
とこ1.4%
いへ1.4%
ヤカ0.7%
いえ0.7%
かた0.4%
ところ0.4%
どこ0.4%
やしき0.4%
やど0.4%
タク0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まもなく宅(うち)から持って来た花瓶にそれをさして、室(へや)のすみの洗面台にのせた。同じ日に甥(おい)のNが西洋種の蘭(らん)の鉢(はち)を持って来てくれた。
病室の花 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
太古(たいこ)遺跡(ゐせき)の發掘(はつくつ)に、初(はじ)めて余(よ)が手(て)を下(くだ)したのは、武藏(むさし)の權現臺(ごんげんだい)である。それは余(よ)の品川(しながは)の宅(たく)から極(きは)めて近(ちか)い、荏原郡(えばらぐん)大井(おほゐ)の小字(こあざ)の事(こと)。
北の金(かね)さん宅(とこ)は口の重い人達ばかり、家族中で歌の一つも歌おうと云う稲公(いねこう)は砲兵に、春っ子は小学校に往って居るので、爺(おやじ)、長男長女、三男の四人(よったり)
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
なお、大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)の歌に、「ひさかたの天の露霜置きにけり宅(いへ)なる人も待ち恋ひぬらむ」(巻四・六五一)というのがあり、これも憶良の歌の影響があるのかも知れぬ。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
又、自分ののろ殿内(ドノチ)の宅(ヤカ)つ神なる火の神に事(ツカ)へる。其外にも、村全体としての神事には、中心となつて祭りをする。間切、村の根所(ネドコロ)の祭りにも与る。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
また従兄(いとこ)にも通人がいた。全体にソワソワと八笑人か七変人のより合いの宅(いえ)みたよに、一日芝居(しばい)の仮声(かせい)をつかうやつもあれば、素人落語(しろうとばなし)もやるというありさまだ。僕は一番上の兄に監督せられていた。
僕の昔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
只今では高輪の船宿で、伊勢屋と申す宅(かた)においでゞすが、此の事を御重役渡邊様へ達して、渡邊さまからお上(かみ)へ伺いました処が、早々召返すようにというので、御苦労遊ばした甲斐があって
万延寺裏の私の宅(ところ)へ参りまして……猪口兵衛さんにあのような深い処まで探り出されておっては隠し立てをしても役に立つまい。
『そだつてお前、過般(こねえだ)も下田の千太爺(おやぢ)の宅(どこ)で、巡査に踏込(ふんご)まれて四人許(よつたりばか)り捕縛(おせえ)られた風だし、俺ア真(ほん)に心配(しんぺえ)で……』
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
四五日たったある朝のこと、照子の嘗(か)つての許嫁(いいなずけ)鳥井純一が、顔色を変えてやって来た。銀行へ出勤の途中、態々(わざわざ)寄道をして、頭取の宅(やしき)を訪れたのだ。
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
お埋葬(とむらい)だけをなすって、然(そ)うして又此方(こちら)へ遊びに入らしって下さい、お賤さん、私が申しますと宅(やど)が立腹致しますから、何卒(どうか)あなたから、今夜だけ帰って子供の始末を付けてやれと仰しゃって
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
体(タイ)といふ 宅(タク)はなるれば、天地と 我の間に、垣一重なし
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)