“射”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さ58.9%
い24.1%
う8.0%
ゐ1.6%
しゃ1.4%
あた0.9%
や0.7%
うち0.7%
いる0.5%
しや0.5%
あ0.5%
いら0.5%
うっ0.2%
えき0.2%
なゝめ0.2%
ひ0.2%
ぶ0.2%
みづから0.2%
ゆみい0.2%
イ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
外(そと)で、たこのうなり声(ごえ)がする。窓(まど)を開(あ)けると、あかるく日(ひ)が射(さ)し込(こ)む。絹糸(きぬいと)よりも細(ほそ)いくもの糸(いと)が、へやの中(なか)にかかって光(ひか)っている。
ある少年の正月の日記 (新字新仮名) / 小川未明(著)
為朝(ためとも)は筋(すじ)を抜(ぬ)かれて弓(ゆみ)は少(すこ)し弱(よわ)くなりましたが、ひじがのびたので、前(まえ)よりもかえって長(なが)い矢(や)を射(い)ることができるようになりました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「アッカやユクシやモルテンみたいな鳥を射(う)とうなんて、とんでもない話だ! 人間どものすることは、まったくばかばかしい!」
ト暗夜(あんや)の如(ごと)き山懐(やまふところ)を、桜(さくら)の花(はな)は矢(や)を射(ゐ)るばかり、白(しろ)い雨(あめ)と散(ち)り灌(そゝ)ぐ。其(そ)の間(あひだ)をくわつと輝(かゞや)く、電光(いなびかり)の縫目(ぬいめ)から空(そら)を破(やぶ)つて突出(つきだ)した、坊主(ばうず)の面(つら)は物凄(ものすさま)しいものである……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
つとに祖父の風ありといわれた騎射(きしゃ)の名手で、数年前から騎都尉(きとい)として西辺の酒泉(しゅせん)・張掖(ちょうえき)に在(あ)って射(しゃ)を教え兵を練っていたのである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
こんもり繁つた雑木林のなかから、田舎家の白壁が見えて、夕日が明るくそれに射(あた)つてゐて、いかにも気持の好(い)い画(ゑ)だ。
射(や)っちゃアいけねえ射っちゃいけねえ! ここで射(や)られてたまるものか。せっかく俺(おい)らが骨を折って八ヶ嶽から追い出して来た熊だ。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
転じて二八二号室の扉(ドア)を背面より破壊し、猛烈に抵抗する二三の支那人を射(うち)たおしたるを以て浴室に逃げ込みたる残余の五六名は再び抵抗せず。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
朗々(のどか)なりしも掌(てのひら)をかへすがごとく天(てん)怒(いかり)地(ち)狂(くるひ)、寒風は肌(はだへ)を貫(つらぬく)の鎗(やり)、凍雪(とうせつ)は身(み)を射(いる)の箭(や)也。
飛衞(ひゑい)は昔(いにしへ)の善(よ)く射(い)るものなり。同(おな)じ時(とき)紀昌(きしやう)といふもの、飛衞(ひゑい)に請(こ)うて射(しや)を學(まな)ばんとす。教(をしへ)て曰(いは)く、爾(なんぢ)先(まづ)瞬(またゝ)きせざることを學(まな)んで然(しか)る後(のち)に可言射(しやをいふべし)。
術三則 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「誰か、これで、あの鬼灯提灯(ほおずきぢょうちん)を、射(う)ってみないか。射(あ)てた者に、五両やる」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ましてや往来(ゆきゝ)の人は通身(みうち)雪に射(いら)れて少時(すこしのま)に半身(はんしん)雪(ゆき)に埋(うづめら)れて凍死(こゞえし)する㕝、まへにもいへるがごとし。
(ピストルで俺を殺そうとしたら、すぐにも俺は殺されたろうな。硝子を切り取った窓の穴から、手を差し入れて俺を射(うっ)たら)
魯の哀公(あいこう)が西の方(かた)大野(たいや)に狩(かり)して麒麟(きりん)を獲(え)た頃、子路は一時衛から魯に帰っていた。その時小邾(しょうちゅ)の大夫・射(えき)という者が国に叛(そむ)き魯に来奔した。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
お夏は又何と思つたか、卒(には)かに身を動かして、射(なゝめ)に背(せ)を繁(しげる)に向けた。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
もしあの時、西八条へ一筋の矢でも射(ひ)いてから法皇が、その軍勢のうしろにおいでになると分ったら、清盛の手は、院中にまでのびて、勢い、法皇のおん身にまで、どんな禍(わざわい)を及ぼしたか分らない。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしこゝより外(ほか)に遁(のが)れるところはない鉄砲(てつぱう)で射(ぶ)ち殺されるかそれとも助かるか一かばちか○「南無妙法蓮華経(なむめうほふれんげきやう)」とお題目(だいもく)をとなへながら流れをのぞんで飛び込みました。
「我国未曽有の変革を為さんとし、朕射(みづから)を以て、衆に先んじ、天地神明に誓い、大いに斯の国是(こくぜ)を定め、万民保全の道を立てんとす。衆亦此の旨趣(ししゅ)に基き、協心努力せよ。」
一人の男は弓弦を張り、彼等の矢の射(ゆみい)り方をして見せたが、箭筒から矢を引きぬく時、彼は先ず注意深く毒のある鏃を取り去った。
また、道誉にすれば「——将ヲ射(イ)ムトスレバ馬ヲ」であった。三人の典侍のうちでも、廉子はひときわ光っている。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)