“ナ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:な
語句割合
為13.1%
汝8.3%
化6.0%
生6.0%
勿4.8%
撫4.8%
鳴4.8%
作3.6%
凪3.6%
寝3.6%
珍3.6%
褻3.6%
七2.4%
何2.4%
実2.4%
無2.4%
南1.2%
亡1.2%
伏1.2%
其亡1.2%
名1.2%
哭1.2%
啼1.2%
嘗1.2%
奈1.2%
崩1.2%
慣1.2%
成1.2%
扮1.2%
投1.2%
抛1.2%
泣1.2%
狎1.2%
糾1.2%
綯1.2%
菜1.2%
馴1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
荘園ハ枯渇(コカツ)シ、農民ハ焦土ニ泣涕流亡(キフテイルバウ)シ、ソノ暴状ハ鬼畜モヨク為(ナ)ス所ニアラズ——と、誇張した文辞で、将門の反官的行為を、ある事ない事、針小棒大に書き出してある。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ありし日の汝(ナ)が服(フク)見れば
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
此点に関して、紀の一書の云う所、亦た略同じ。天地の初めて判るる時、物あり、葦牙の如く空中に生ず。此に因て化(ナ)る神の名は、天ノ常立ノ尊、次に可美葦牙彦舅(ウマシアシカビヒコデ)ノ尊。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
天子様が、すめらみこととしての為事は、此国の田の生(ナ)り物を、お作りになる事であつた。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
武蔵野は(春日野は〔古今集〕)今日は勿(ナ)焼きそ。わかくさの つまもこもれり。われもこもれり(伊勢物語)
撫(ナ)でゝ見て美しい芽だ
行乞記:03 (二) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
海水を書(カ)き鳴(ナ)して引上げしに、矛の末より滴る塩積りて淤能碁呂(オノコロ)島となりしとの記事あり。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
また梁の陶弘景(とうこうけい)註の『名医別録(めいいべつろく)』には「藎草………九月十月ニ採リ以テ染メ黄金ヲ作(ナ)スベシ」とあり、唐の蘇恭(そきょう)がいうには「荊襄(けいじょう)ノ人煮テ以テ黄色ヲ染ム、極メテ鮮好ナリ」(共に漢文)とある。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
朝曇り後晴れて、海のやうに深碧(フカミドリ)に凪(ナ)いだ空に、昼過ぎて、白い雲が頻(シキ)りにちぎれ/\に飛んだ。其が門渡(トワタ)る船と見えてゐる内に、暴風(アラシ)である。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……処女の寝(ナ)すや板戸を 押(オソ)ぶらひ、我が立たせれば、引(ヒコ)づらひ、我が立たせれば 青山に鵺は鳴き、さ野つ鳥雉はとよむ。にはつどり鶏(カケ)は鳴く。慨(ウレタ)くも鳴くなる鳥か。此鳥も、うち病めこせね。
鶏鳴と神楽と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
裳の襞を作るのに珍(ナ)い術(テ)を持つた女などが、何でもないことで、とりわけ重寶がられた。袖の先につける鰭袖(ハタソデ)を美しく爲立てゝ、其に、珍しい縫ひとりをする女なども居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
郎女は、徐(シヅ)かに兩袖(モロソデ)を、胸のあたりに重ねて見た。家に居た時よりは、褻(ナ)れ、皺立(シワダ)つてゐるが、小鳥の羽(ハネ)には、なつて居なかつた。手をあげて唇に觸れて見ると、喙でもなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
二(フ)、三(ミ)、四(ヨ)、六(ム)、七(ナ)の日が灸の日で、この日は無量寺の紋日だっせ、なんし、ここの灸と来たら……途端に想いだしたのは、当時丹造が住んでいた高津四番丁の飴屋(あめや)の路地のはいり口に
勧善懲悪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
何(ナ)ンゾ太(ハナハ)ダシク急(キフ)ナル
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実(ナ)りものゝ樹としては、桃は果実を結ぶのは早い方である。
桃の伝説 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
十三年ニ至ッテ孑遺(ケツイ)無(ナ)ケン
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何代目かの五郎左衛門が、放蕩から此宝物を質屋の庫に預け、後に此を受出して見ると、南の一字が消えて了うてゐたので「南(ナ)ぬけの御名号(ミミヤウガウ)」
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
三 南(ナ)ぬけの御名号(ミミヤウガウ)
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此屋号は、はなやといふ音の第一綴音に、音勢点があるので、今の大阪語の花屋は、其音勢が亡(ナ)くなつてゐる。今を標準とすれば、勿論、花屋ではない、と言ふことは出来る。
折口といふ名字 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
松の木の靡き伏(ナ)すばかり、老い盛え木垂(コダ)るを見るに、松の木の枝の靡き伏す斎戸(イハヒト)に——斎殿か、家人(イヘビト)又は斎人(イハヒビト)か——旅の我を後見(ミオク)る——家に残つた人の遠方から守らうとして
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其亡(ナ)き骸(ガラ)は、大和の国を守らせよ、と言ふ御諚(ゴヂヤウ)で、此山の上、河内から来る当麻路の脇にお埋(イ)けになりました。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
林房雄(ハヤシフサオ)トイウ名(ナ)ノ一陣涼風(イチジンリョウフウ)ニソソノカサレ、浮(ウ)カレテナセル業(ワザ)ニスギズ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
はつきり聞いたのが、水の上に浮いてゐる鴨鳥(カモドリ)の声(コヱ)だつた。今思ふと——待てよ。其は何だか一目惚れの女の哭(ナ)き声だつた気がする。——をゝ、あれが耳面刀自。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
佐保川の水を堰(セ)き入れた庭の池には、遣(ヤ)り水伝ひに、川千鳥の啼(ナ)く日すら、続くやうになつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
然リト雖モ、愚子狂子、稀レニ良薬ヲウケテ嘗(ナ)メズ、何ゾソノ拙(ツタナ)キヤ。爰(ココ)ニ近代、一聖人(ショウニン)アリ、一巻ノ書ヲ作リ、名(ナヅ)ケテ、「選択本願念仏集(センジャクホンガンネンブツシュウ)」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豊公の如き奈(ナ)翁の如き、彼らは活動を知って満足を知らざるに似たり、偉人の成功は活動にして偉人の満足又活動に存するか。
絶対的人格:正岡先生論 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
たぢまもりが帰つて見ると、天皇はもう崩(ナ)くなつて居られた為に、哭いて天皇の御陵の前に奉つた事は名高い伝へである。
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「詠」はうたと訓(ヨ)み慣(ナ)れて来たが、正確な用字例は、舞人の自ら諷誦(フウシヨウ)する詞章である。
やがて金色(コンジキ)の雲気(ウンキ)は、次第に凝(コ)り成(ナ)して、照り充ちた色身(シキシン)——現(ウツ)し世の人とも見えぬ尊い姿が顕れた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
遠来の神の居る間に、新しく神役——寧、神に扮(ナ)る——を勤める様になつた未受戒の成年に戒を授けて、童(ワラベ)の境涯から脱せしめる神秘を、行うて置くのであつた。
組踊り以前 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ノッソリ出(デ)テ来(キ)テ、蠅(ハエ)タタキノ如(ゴト)ク、バタットヤッテ、ウムヲ言(イ)ワサヌ。五百枚(ゴヒャクマイ)。良心(リョウシン)。今(イマ)ニ見(ミ)ヨ、ナド匕首(アイクチ)ノゾカセタル態(テイ)ノケチナ仇討(アダウ)チ精進(ショウジン)、馬鹿(バカ)、投(ナ)ゲ捨(ス)テヨ。島崎藤村(シマザキトウソン)。島木健作(シマキケンサク)。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
予ガ携帯(ケイタイ)シ来リタルスーパーヘテロダインハ没収(ボッシュウ)セラレタリ。予ガ隣室ニ監禁セラレタル予ノ案内人ノ室ノ更ニ隣室ニシテ、同様物置ナル所ヘ一時抛(ナ)ゲ入レラレタルヲ知リタリ。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
女房(ニョウボウ)ノヘソクリ盗(ヌス)ンデ短銃(タンジュウ)買(カ)ウガ如(ゴト)キトキメキ、一読(イチドク)、ムセビ泣(ナ)イテ、三嘆(サンタン)、ワガ身(ミ)クダラナク汚(キタナ)ク壁(カベ)ニ頭(アタマ)打(ウ)チツケタキ思(オモ)イ、アア、君(キミ)ノ姿(スガタ)ノミ燦然(サンゼン)、日(ヒ)マワリノ花(ハナ)、石坂君(イシザカクン)
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
日頃、総督ノ愛顧(アイコ)ニ狎(ナ)レテ、トカク盗ミヲ働キ、ソノ贜品(ゾウヒン)ヲ、自己ノ小僕部屋ニ匿(カク)シオキ、十五日夜半モ又、夫人ノ深窓ヨリ金銀珠玉ヲ盗マントシテ、ツイニ衛兵ノ手ニ縛(バク)サレタリ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
博士の此迄出された脚本を読んだ記憶を呼び返して見ると、不思議に、一事件の発展に、二人の主人公の行為が、糾(ナ)ひまぜになつて居ます。
芝居に出た名残星月夜 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その意味は訣らないが、縄は綯ふ物の意味である。綯(ナ)は物或は綯ふ蔓(ツラ)といふ風な形から音を落して、なはとだけ言うて表はして来たことが考へられる。
このマアザミはあるいは菜(ナ)アザミというのが本当ではなかろうかと初めは想像していたが、しかしそれはそうではなくてやはりマアザミがその名であった。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ねこ、(中略)人家(ジンカ)ニ畜(カ)フ小(チヒ)サキ獣(ケモノ)。人(ヒト)ノ知(シ)ル所(トコロ)ナリ。温柔(ヲンジウ)ニシテ馴(ナ)レ易(ヤス)ク、又(マタ)能(ヨ)ク鼠(ネズミ)ヲ捕(トラ)フレバ畜(カ)フ。然(シカ)レドモ竊盗(セツタウ)ノ性(セイ)アリ。形(カタチ)虎(トラ)ニ似(ニ)テ二尺(ニシヤク)ニ足(タ)ラズ。(下略(げりやく))
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)