“綯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
な79.2%
よ14.9%
より2.0%
こより1.0%
あざな1.0%
ないまじ1.0%
ナ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金も拾いたいし、お嬢さんにも近づきたい……欲と色の綯(な)いまぜ手綱だから、この早朝から、いやもう、奔馬のような人気沸騰(ふっとう)……。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
子守りの家では、亭主に死なれた母親が、棕櫚縄(しゅろなわ)などを綯(よ)って、多勢の子供を育てていた。お銀はその家の惨めな様子をよく知っていた。
黴 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
好かぬ昔に飛び込んで、ありがたくほどけ掛けた記憶の綯(より)を逆(ぎゃく)に戻すは、詩人の同情である。小夜子は急に小野さんと近づいた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
初めて鳴鳳楼で逢った以来儂のではお厭なのと云って手巾を出されたことを第一として、自分と手を牽(ひか)れて歩いた事、結んだ綯(こより)に目賀田とあるを悦んだ事
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
『——世は綯(あざな)える縄(なわ)のごとし……と、誰が云ったか。春が、身に沁みる』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天(あめ)が下(した)に数多く生れたるもののうちにて、この悲しき命(さだめ)に廻(めぐ)り合せたる我を恨み、このうれしき幸(さち)を享(う)けたる己(おの)れを悦(よろこ)びて、楽みと苦みの綯(ないまじ)りたる縄を断たんともせず、この年月(としつき)を経たり。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その意味は訣らないが、縄は綯ふ物の意味である。綯(ナ)は物或は綯ふ蔓(ツラ)といふ風な形から音を落して、なはとだけ言うて表はして来たことが考へられる。