“調”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ととの39.4%
しらべ21.5%
しら13.6%
とゝの9.2%
てう3.7%
ちょう2.1%
こしら1.8%
こし0.8%
みつぎ0.8%
あわ0.5%
こさ0.5%
しつら0.5%
そろ0.5%
ふし0.5%
ツキ0.5%
しらぶ0.3%
をさ0.3%
あら0.3%
かなひ0.3%
ちよう0.3%
とと0.3%
ととのえ0.3%
とゝ0.3%
とゝのは0.3%
どり0.3%
な0.3%
なら0.3%
ね0.3%
みつき0.3%
トトノ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
謙譲の褄(つま)はづれは、倨傲(きょごう)の襟(えり)より品(ひん)を備へて、尋常(じんじょう)な姿容(すがたかたち)は調(ととの)つて、焼地(やけち)に焦(い)りつく影も、水で描いたやうに涼しくも清爽(さわやか)であつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さす手ひく手の調子を合わせた、浪の調(しらべ)、松の曲。おどろおどろと月落ちて、世はただ靄(もや)となる中に、ものの影が、躍るわ、躍るわ。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかしぐっと胆力(たんりょく)をすえて、本堂の中へ入ってみた。そして中の様子を隈(くま)なく調(しら)べた。それから廊下(ろうか)つづきの庫裡(くり)の方へ入って行った。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
以上のへんろ装束、並びに、持道具一切を、われ/\、四国第一番の札所は、阿波、霊山寺門前の浅野仏具店で調(とゝの)へることができた。
にはかへんろ記 (新字旧仮名) / 久保田万太郎(著)
淋(さび)しきまゝに琴(こと)取出(とりいだ)し獨(ひと)り好(この)みの曲(きよく)を奏(かな)でるに、我(わ)れと我(わ)が調(てう)哀(あは)れに成(な)りて、いかにするとも彈(ひ)くに得(え)堪(た)えず、涙(なみだ)ふりこぼして押(おし)やりぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
太公は、すぐ薬嚢(やくのう)をとりよせて、自身、煎薬(せんやく)を調(ちょう)じてくれた。のみならず、幾日でもここで養生するように——ともいってくれる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雅さんのところへ適(ゆ)くと極(きま)つて、その為に御嫁入道具まで丁(ちやん)と調(こしら)へて置きながら、今更外へ適(ゆか)れますか、雅さんも考へて見て下さいな。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それで近頃衣類を新しく調(こし)らえた形跡がなくて、通信用の書簡箋を鑑定するに及んで物資の窮乏を感ぜない、まア資産階級の仕業(しごと)と判った。
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
この時代には、内政も漸く整ひ、人民に対し、初めて弓弭(ゆはず)の調(みつぎ)、手末(たなすゑ)の調(みつぎ)を課せられてゐる。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
ナポレオンはしばらくは情けなさそうな顔をしていたが、こんどは、おりから鳴り出した蓄音機のポルカに調(あわ)せて、ステテン、ステテンと踊り出した。
「いいじゃアないか。引き摺ッてりゃ、どうしたと言うんだよ。お前さんに調(こさ)えてもらやアしまいし、かまッておくれでない」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
佛壇につゞきて棚のやうなものを調(しつら)へ、これに歌集または料紙箱(れうしばこ)、硯など色々あり、下のかたは壁にてその前に爐を設く。下のかた折曲りて竹の肱掛窓(ひぢかけまど)あり。
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
注文に応じて作品が調(そろ)えられるのである。これが極端にまで行くと更に芸術の御座敷性にまで落ちて行く。
「壇」の解体 (新字新仮名) / 中井正一(著)
往來しばしとだえぬるに庭の椿二片はらはらとこぼれつ、尚その一片もやと思ふとき門にきこゆる大師和讚の調(ふし)も清らや
断調 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
「木(キ)」「城(キ)」「月(ツキ)」「槻(ツキ)」「調(ツキ)」「霧(キリ)」「新羅(シラキ)」「尽き」「避(ヨ)き」などの「き」には「紀」「記」の類の文字を用いて、他の類のものを用いることは殆どなく、これも
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
調(しらぶ)れども更に怪(あや)しき事なければ彌々(いよ/\)食滯(しよくたい)と決し感應院の死骸(しがい)は村中より集(あつま)り形の如く野邊(のべ)の送(おく)りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
三二一 調(をさ)められたる(象は人是を)戰場に導き、調められたる(象)は王の乘る所となる。能く(自ら)調めて誹謗を忍ぶは人中の最上なり。
法句経 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……密淫売で洲崎署に十八日喰(くら)いこんでいて、今朝の十時にようやく出てきたばかりだったんだからねえ、話にもなにもなりやしないさ。……しかし、南風太郎の身元だけは調(あら)ってきたよ。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
兎狩(がり)いたし候處、勝(すぐれ)たる散歩に相叶、洋醫も大に悦び、雨降(ふり)には劒術をいたし候歟(か)、又は角力を取候歟(か)、何歟(か)右等の力事(ちからごと)をいたし候樣申聞(きけ)候得共、是は相調(かなひ)不レ申段相答候へば
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
終に近く益す顫(ふる)へる声は、竟(つひ)に平生(へいぜい)の調(ちよう)をさへ失ひて聞えぬ。彼は正(まさし)くその一言(いちごん)の為には幾千円の公正証書を挙げて反古(ほぐ)に為んも、なかなか吝(をし)からぬ気色を帯びて逼(せま)れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
額縁の中の絵のやうに調(とと)のひすぎたきらひはありますけど
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
心を調(ととのえ)てこの朝を考え見よ。朝とはどのようなものであるか。闇さえ退(しりぞ)ければおのずから朝が来る。眠りさえ打払えば眼はおのずと覚める。
阿難と呪術師の娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
安田佐々木兩人の惡巧(わるたく)みと知る者なく斯惱(なやみ)しは是非もなし然るに安田佐々木の兩人は充分事(こと)調(とゝ)のひしと大いに喜び三千三百兩の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
是非亡父の思ひ煩ひ居候義を相解(あひとき)度念願(ねんぐわん)に御座候而、元利相揃(そろへ)差上候こそ相當の譯に御座候得共、只今迚(とて)も多人數の家内を相抱(あひかゝへ)居候上、全無高(むたか)之事に候へば、十分之義も不二相調(とゝのは)一候に付
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
山王下から有明荘へつづく険しい小径を、今しも一種狷介な足調(どり)で上って行く黒ずくめの陰気な人物は、いうまでもない、警視庁捜査一課長真名古警視なのだ。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
小者(こもの)の事なので、頼朝は、そうかと、気にもかけない容子で、いつもの朝の如く、りんどうの鞍へ跨(また)がって、野へ駒を調(な)らしに出た。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
唐訳『花厳経(けごんぎょう)』七八に、〈人あり竜を調(なら)す法を善くす、諸竜中において、易く自在を得〉、西洋にも昔はそうと見えて、プリニウス八巻二十二章に、ギリシア人トアス幼時竜を畜(か)い馴(な)らせしに
「鞭が厭なら、泥を調(ね)って醤(したじ)をこしらえるか、それとも身のたけ三丈の鬼になるか、どっちでもその方のいい方にするがいい」
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ここに天の下平ぎ、人民(おほみたから)富み榮えき。ここに初めて男(をとこ)の弓端(ゆはず)の調(みつき)一四、女(をみな)の手末(たなすゑ)の調一五を貢(たてまつ)らしめたまひき。かれその御世を稱(たた)へて、初(はつ)國知らしし一六、御眞木(みまき)の天皇とまをす。
或ル日、信雄卿ニ、群疑(グンギ)出態(シユツタイ)シケルニ依リ、早速、和睦(ワボク)ノ儀、調(トトノ)ヒシトナリ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)