“怪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
け50.2%
あや27.3%
あやし14.6%
かい2.3%
けし1.7%
おか1.1%
くわい0.7%
ばけ0.6%
あやしみ0.2%
ば0.2%
をか0.2%
く0.1%
もののけ0.1%
いぶ0.1%
お0.1%
ばけもの0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と然(さ)も/\若氣(わかげ)に思込(おもひこ)んだやうな顏色(かほいろ)をして云(い)つた。川柳(せんりう)を口吟(くちずさ)んで、かむりづけを樂(たのし)む其(そ)の結構(けつこう)な部屋(へや)がしらの女房(にようばう)を怪(け)しからぬ。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
勿論実際は日本一かどうか、そんなことは彼にも怪(あや)しかったのである。けれども犬は黍団子と聞くと、たちまち彼の側へ歩み寄った。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
不気味に凄(すご)い、魔の小路だというのに、婦(おんな)が一人で、湯帰りの捷径(ちかみち)を怪(あやし)んでは不可(いけな)い。……実はこの小母さんだから通ったのである。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
驚(おどろ)いて眼(め)が覺(さ)めたが、たしかに猫(ねこ)の聲(こゑ)がする、夢(ゆめ)か怪(かい)か、はね起(お)きて見(み)たら枕(まくら)もとには例(れい)の兒猫(こねこ)が座(すは)つてゐた、どこから忍(しの)んで來(き)たのやら。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
千代 まあ、ほんまに夫れは怪(けし)いことぢや。今年は何やら可厭(いや)な年ぢや。出来秋ぢや、出来秋ぢやと云うて米は不作。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
と思うと、慄然(ぞっ)として、頭髪(かみのけ)が弥竪(よだ)ったよ。しかし待てよ、畑(はた)で射(や)られたのにしては、この灌木の中に居るのが怪(おか)しい。
家主(あるじ)壮夫(わかもの)三五人を伴(ともな)ひ来りて光る物を打(うつ)に石なり、皆もつて怪(くわい)とし石を竹林に捨つ、その石夜毎(よごと)に光りあり、村人おそれて夜行ものなし。
この怪(ばけ)もの、といったか、河童(かっぱ)、といったか、記してないが、「いでその手ぶし切落さんと、若き人、脇指(わきざし)、」……は無法である。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
驚破(すわ)といへば、射(い)て落(おと)さんず心も失(う)せ、はじめの一念(いちねん)も疾(と)く忘れて、野(の)にありといふ古社(ふるやしろ)、其の怪(あやしみ)を聞かうともせず、目(ま)のあたりに車を廻すあからさまな媼(おうな)の形も
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
(内へ怪(ば)けものが出た、来てくれせえ。)と顔色(がんしょく)、手ぶりで喘(あえ)いで言うので。……こんな時鉄砲は強うございますよ、ガチリ、実弾(たま)をこめました。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
岩野泡鳴氏は厭になつて自分が捨てて逃げた清子夫人と哲学者の田中王堂氏とが怪(をか)しいといつて、態々(わざ/\)探偵までつけて二人の行動(しうち)を気をつけてゐたが、とうと辛抱出来ぬ節があつたと見えて
その夜は寝てもただ一目見し森の少女(おとめ)の恋しくも、夢に見え、幻となりて時々目に浮ぶのである。何処の者ぞ……名は何と云うぞ。してその姿の怪(く)しくも華奢(はで)やかに装いつるかな。
森の妖姫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
幽霊がないと信じている自分がふと何かの調子で、「鬼気」を感ずる時、感ずる対象はどうしても、一種の「怪(もののけ)」である。
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
うかれ男 はて怪(いぶ)かしい男共(をのこども)ぢや。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
「馬の大きさはけしからず候。男もけしからず大きく候。上方衆(日本軍のこと)もけしからず怪(お)じ入り候也」
碧蹄館の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
また男を取り殺した例も出でおる。わが国に古くミヅチなる水の怪(ばけもの)あり。『延喜式』下総(しもうさ)の相馬(そうま)郡に蛟蝄(みづち)神社、加賀に野蛟(のづち)神社二座あり。