“逼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せま88.5%
せ4.5%
ひっ1.9%
つま1.3%
つか0.6%
さしせま0.6%
せば0.6%
せび0.6%
せまら0.6%
は0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と小声に吟(ぎん)じながら、傘(かさ)を力に、岨路(そばみち)を登り詰めると、急に折れた胸突坂(むなつきざか)が、下から来る人を天に誘(いざな)う風情(ふぜい)で帽に逼(せま)って立っている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
着手の處と逼(せ)り詰めて學ぶので無くては、百日過ぎてもまだ講堂の内に入らぬので有る、一年經つても實踐の域に進まぬので有る。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
筑波も破れ長州も逼(ひっ)そくし、あらゆる点から見てバルドウィン殺しの背後に当年尊攘正統派の政治的な息がかかっていたろうとは考えられない。
志士と経済 (新字新仮名) / 服部之総(著)
猟師(れふし)これを見れば雪を掘て穴をあらはし、木の枝(えだ)柴(しば)のるゐを穴に挿(さし)入れば熊これを掻(かき)とりて穴に入るゝ、かくする事しば/\なれば穴逼(つま)りて熊穴の口にいづる時槍にかくる。
何にしても、扉の閾(しきい)の際(きわ)で、左足が停まるように定める必要があったのだ。何故なら、左足がその位置で停まると、続いて右足が動き出しても、それが中途で閾に逼(つか)えてしまうだろう。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
が、眉山の生活は豊かでなかったにしろ、自殺するほど逼(さしせま)っていたとも思われなかった。
「婆鬼は盗業を警(いまし)めて両手の指を折り、翁鬼は無義を悪(にく)んで頭足(ずそく)を一所に逼(せば)む」
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ところへ死んだものを鼻の先へぶら下げて思え思えと催促されるのは、木刀を突き付けて、さあ腹を切れと逼(せび)られるようなものだ。うるさいのみか不快になる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これが男女関係の純一無上の要件である。然るに女性は必要に逼(せまら)れるままに、誤ってこの本能的欲求を智的生活の要求に妥協させてしまった。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
その隙に、藤岡は、足音を立てぬやうに、次の窓に逼(は)ひ寄つた。すると、銃先は、正確に、彼の移動する線に添つて、なめらかに、左から右へ廻転した。
髪の毛と花びら (新字旧仮名) / 岸田国士(著)