“和”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なご28.1%
やわ17.4%
やわら17.2%
わ5.7%
やは5.4%
な4.9%
やはら4.6%
なごや2.1%
あ1.8%
なだ1.8%
くわ1.6%
か1.0%
のど1.0%
にぎ0.8%
なぎ0.7%
やわらぎ0.5%
ナゴ0.5%
やさ0.3%
あが0.3%
こた0.3%
あえ0.3%
あわ0.3%
と0.3%
やはらぎ0.3%
コタ0.3%
なぐさ0.2%
ま0.2%
あは0.2%
おとな0.2%
かず0.2%
くわをなす0.2%
なごやか0.2%
にこ0.2%
やはらか0.2%
やわらか0.2%
やわらげ0.2%
やんわ0.2%
カズ0.2%
マゼツ0.2%
ヤハラ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
素破(すわ)とおどろき柴山と立ち上がろうとしましたが、意外にも大学生は、和(なご)やかな表情で、上原にドライブをしないかと誘(さそ)っています。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
睡魔の妖腕(ようわん)をかりて、ありとある実相の角度を滑(なめら)かにすると共に、かく和(やわ)らげられたる乾坤(けんこん)に、われからと微(かす)かに鈍(にぶ)き脈を通わせる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
雨が降りかかって頭から面に雫(しずく)がたらたらと流れ、和(やわら)かい着物がビッショリと濡れてしまっても、少しも気にかけないのであります。
たまらなくなって、格二郎は木馬の上で両手を拡(ひろ)げると、万歳(ばんざい)を連呼した。ラッパ抜きの変妙な楽隊が、それに和(わ)して鳴り響いた。
木馬は廻る (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
かうして林(はやし)の中(なか)の空氣(くうき)は、常(つね)に林(はやし)の外(そと)と比(くら)べて、晝間(ちゆうかん)は涼(すゞ)しく、夜間(やかん)は温(あたゝ)かで、從(したが)つて晝(ひる)と夜(よる)とで氣温(きおん)が急(きゆう)に變(かは)ることを和(やは)らげます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
「天(あま)ざかる鄙(ひな)とも著(しる)く許多(ここだ)くもしげき恋かも和(な)ぐる日もなく」(巻十七・四〇一九)等の例に見るごとく、加行上二段に活用する動詞である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
和(やはら)げらるゝに非(あらざ)ればいと強く赫(かゞや)くが故に、人たる汝の力その光に當りてさながら雷に碎かるゝ小枝の如くなるによるなり 一〇—一二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この温い自然の懐中(ふところ)に、若い良寛さんは生活をはじめた。しかし良寛さんの心は、温い和(なごや)かな玉島にすぐ馴(な)つくわけにはいかなかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
第三は、星尾助教授が、大きい和(あ)がりに躍りあがって喜んだ拍子に、隣りの園部の湯呑茶碗(ゆのみぢゃわん)をひっくりかえしてしまったことだ。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「神のお怒りでござります。神様が何かを怒らせられ飢餓を下されたのでござります。大事な宝を犠牲(にえ)として、お怒りを和(なだ)めずばなりますまい」
両公左右の□臣たれども才徳(さいとく)年齢(ねんれい)双璧(さうへき)をなさず、故に心齟齬(そご)して相和(くわ)せず。是(これ) 菅神の讒毒(ざんどく)を得(え)玉ふの張本(ちやうぼん)なり。
ただし世法は慈仁のみでは成立たぬ、仁の向側と云っては少しおかしいが、義というものが立てられていて、義は利の和(か)なりとある。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さりとては諦(あきらめ)も得ず、また和(のど)の悟りをも見ね、ただすこしおのれ知るからただ堪へて遜(へりくだ)るのみ。ややややにかくてあるまで。寂しがり寂しがるなる。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
今豊臣の政(まつりごと)久しからずとも、万民(ばんみん)一五三和(にぎ)ははしく、戸々(ここ)に一五四千秋楽を唱(うた)はん事ちかきにあり。君が望(のぞみ)にまかすべしとて八字の句を諷(うた)ふ。そのことばにいはく
先(ま)づ目(め)は海(うみ)ぢゃ、終始(たえず)涙(なみだ)の滿干(みちひき)がある、身體(からだ)は船(ふね)、其(その)鹽辛(しほから)い浪(なみ)を走(はし)る、溜息(ためいき)は風(かぜ)ぢゃ、涙(なみだ)の浪(なみ)と共(とも)に荒𢌞(あれまは)り、涙(なみだ)はまたそれを得(え)て倍〻(ます/\)荒(あ)るゝ、はて、和(なぎ)が急(きふ)に來(こ)なんだら
その和(やわらぎ)のある優しい一双の慈眼を(はあ、)と同時に糸のように細うしてあたかも眠るがごとくに装うことを断っておかねばならぬ。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
献上物をして神慮を和(ナゴ)め、犒(ネギラ)ふ行事としてまつりを考へわけたのではなかつたらうか。
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
のつそりは憎い奴、親方の対(むかう)を張つて大それた、五重の塔を生意気にも建てやうなんとは憎い奴憎い奴、親方が和(やさ)し過ぎるので増長した謀反人め
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
そのために早く聴牌(テンパイ)ができて和(あが)ってしまう。大きな役のときや清一色(チンイーソ)はこれを用いると大成功を納める。
麻雀インチキ物語 (新字新仮名) / 海野十三(著)
和(こた)うる歌に、「月読の光は清く照らせれどまどへる心堪へず念ほゆ」(巻四・六七一)とあるのは、女の語気としてかまわぬであろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
主人翁御自慢の高粱(こうりゃん)パンも非常に美味しく頂戴した。それに続いて五分搗(つき)米飯。わけぎ味噌汁。もやし和(あえ)もの。白魚白味トジ清汁。亜米利加鱒乾物酢。
お茶の湯満腹談 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
まず材をよく磨きてのち、鉛丹(たん)に膠水(にかわ)、または尋常(よのつね)の荏油(えのゆ)仮漆(かしつ)を和(あわ)せたる、黄赤にしてたいまい色をなすところの元料(もと)を塗る。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
此事を言ひて地に唾(つば)きし、唾にて土を和(と)き、其泥を瞽者(めしひ)の目に塗(ぬ)り、彼に曰ひけるは、シロアムの池に往きて洗(あら)へ。彼則ち往きて洗ひ、目見ることを得て帰れり。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
一に曰(いは)く、和(やはらぎ)を以て貴しと為(な)し、忤(さか)ふこと無きを宗(むね)と為せ。人皆党(たむら)有り、亦(また)達(さと)れる者少し。是(これ)を以て、或は君父(きみかぞ)に順(したが)はずして乍(ま)た隣里(さととなり)に違(たが)ふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
後、言語を以て和(コタ)へる、と考へられる時代になつて、其答詞の事を「ほ」の意義を解説すると言ふ義から「ほぐ」「ほかふ」と言つてゐる。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
天(そら)を仰ぎ、地を敲(たた)きて哭悲(なきかな)しみ、九三ともにもと物狂はしきを、さまざまといひ和(なぐさ)めて、かくてはとて遂(つひ)に九四曠野(あらの)の烟(けぶり)となしはてぬ。
この時瓦師土を取りに出ると駒随い行き、その土を袋に満ててしまうを見て背を低くす。袋を載せると負うて宅へ還(かえ)る。因ってこれを留め糠(ぬか)に胡麻滓(ごまかす)を和(ま)ぜて飼い置いた。
処といひ相応して、我耳に入るは我声ながら、若くは随喜仏法の鬼神なんどの、声を和(あは)せて共に誦する歟(か)と疑はるゝまで、上無く殊勝に聞こえわたりぬ。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
威嚇的に物をいわれたこと不快でもあれば業腹(ごうはら)でもあったが、例の理由のない圧迫に押されて、そういう本心を出すことができず、つい和(おとな)しく慇懃(いんぎん)にそんなように口から出したのであった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
和(かず)の宮(みや)様御下向(ごげかう)の時、名を賜はつたと云ふ石燈籠も、やはり年々に拡がり勝ちな山吹の中に立つてゐた。しかしその何処かにある荒廃の感じは隠せなかつた。
庭 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
陰中(いんちゆう)に陽(やう)を包(つゝ)み、陽中(やうちゆう)に陰(いん)を抱(いだく)は天地定理中(ぢやうりちゆう)の定格(ぢやうかく)也。老子経(らうしきやう)第四十二章(しやう)に曰(いはく)、万物(ばんぶつ)負レ陰而(いんをおびて)抱レ陽(やうをいだく)沖気以(ちゆうきもつて)為レ和(くわをなす)といへり。
眉も胸も和(なごやか)になった。が、ここへ来て彳(たたず)むまで、銑吉は実は瞳を据え、唇を緊(し)めて、驚破(すわ)といわばの気構(きがまえ)をしたのである。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、真実(ほんとう)に諫言(かんげん)をお好みになりまするなら、何よりも先きにお顔を和(にこ)やかに遊ばされますやうに……
あの白壁の中にどんな和(やはらか)い、どんなに美しい、見ただけで胸がわくわくするやうな、珍しい反物や珠玉(しゆぎよく)が蔵(しま)つてあるだらうか、それが一一手に取つて見えるやうにも感ぜられるのであつた。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
女は只(ただ)和(やわらか)に随ひて貞信に情ふかく静なるを淑(よし)とす。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それをきいて母親はやっと顔いろを和(やわらげ)たのだった。
人造人間エフ氏 (新字新仮名) / 海野十三(著)
頻(しきり)に円い前足を挙げてバタバタやっていたが、果は和(やんわ)りと痛まぬ程に小指を咬む。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
和(カズ)(市原)という娘が手伝に来てくれることになって古在、ここの年より、私、みんな助かった。はじめの話が臨時だもんだから一日三十円というわけ。しかしそれだけのことはある。
塩糠に和(マゼツ)けて遠きに寄(オク)るあり
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
彼の芸の寂しく和(ヤハラ)いだ光りの来る所を、そこに見ようとするのは、誤りだらうか。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)