“荒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すさ45.0%
あら18.7%
あ18.1%
あば7.3%
す2.7%
あれ2.1%
アラ1.4%
さび0.8%
こう0.8%
スサ0.8%
し0.6%
あらら0.4%
あらさ0.2%
ある0.2%
さ0.2%
しけ0.2%
すが0.2%
すさま0.2%
ラフ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
荒巻がヒサという女と関係していることは知っているが、ヒサは彼に愛想づかしをしており、そのために彼の気持は一時荒(すさ)んでいた。
それでどんな荒(あら)えびすでも、虎狼(とらおおかみ)のような猛獣(もうじゅう)でも、田村麻呂(たむらまろ)に一目(ひとめ)にらまれると、たちまち一縮(ひとちぢ)みに縮(ちぢ)みあがるというほどでした。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
これでは、まるで冬にとざされた荒(あ)れはてた国に来ているようです。ニールスはたまらなくなって、大声で泣きだしたくなりました。
悉(ことごと)く荒(あば)れ出して、雲を呼び雨を降らす——さればこそ竜神の社は、竜神村八所の鎮(しず)めの神で、そこに籠(こも)る修験者(しゅげんじゃ)に人間以上の力があり
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「お前も流浪(るろう)の性じゃ」と母がよく云い云いしたけれど、二十三と云うのに、ひどく老(ふ)け込んで、脣などは荒(す)さんで見えた。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「隨分(ずゐぶん)荒(あれ)えことしたと見(め)えつけな、俺(お)らも近頃(ちかごろ)になつて此(こ)の位(くれ)えな唐鍬(たうぐは)滅多(めつた)打(ぶ)つたこたあねえよ、」鍛冶(かぢ)は赤(あか)く熱(ねつ)した其(そ)の唐鍬(たうぐは)を暫(しばら)く槌(つち)で叩(たゝ)いて
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
葬儀に際して疎(ウト)び荒(アラ)び来る死の凶霊を、百獣の王である獅子の威光によって、払い除ける呪力あるものとして、用いたのに始まると考えている。
獅子舞雑考 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
叔母は荒(さび)れた秋口の湯治場に、長く独りで留まっていられなかった。宿はめっきり閑(ひま)になって、広くて見晴しのよい部屋が幾個(いくつ)も空いていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
桓帝(かんてい)、霊帝このかた、四海わかれて争い、群雄みな覇王(はおう)を僭称す。ひとりわが太祖武帝、民をいつくしみ、六合(りくごう)をはらい清め、八荒(こう)を蓆(むしろ)のごとく捲いて、ついに大魏国を建つ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さうしてその芸を荒(スサ)まさない為には、又同時に檜舞台を荒さない為には、有望な若手を、小・中劇場にも出場させると共に、常に大劇場の公演に出して
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「やっぱり吹いてるな……プルルル」とサモイレンコが言った、「これじゃ外海は荒(し)けとるぞ、やれやれ。悪いときに発つもんだな、コーリャ。」
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いや、現にその時も、平太夫がそう答えますと、さっきの盗人は一層声を荒(あらら)げて、太刀の切先(きっさき)を若殿様の御胸に向けながら
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そも/\熊(くま)は和獣(わじう)の王、猛(たけ)くして義(ぎ)を知(し)る。菓木(このみ)の皮虫(かはむし)のるゐを食(しよく)として同類(どうるゐ)の獣(けもの)を喰(くらは)ず、田圃(たはた)を荒(あらさ)ず、稀(まれ)に荒(あら)すは食(しよく)の尽(つき)たる時也。
山家の人の話(はなし)に熊を殺(ころす)こと二三疋、或(ある)ひは年(とし)歴(へ)たる熊一疋を殺も、其山かならず荒(ある)る事あり、山家(さんか)の人これを熊荒(あれ)といふ。このゆゑに山村(さんそん)の農夫(のうふ)は需(もとめ)て熊を捕(とる)事なしといへり。
わが友にて命運の友にあらざるもの道を荒(さ)びたる麓に塞がれ、恐れて踵をめぐらせり 六一—六三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ほんとに考へて見れば昨夜(ゆうべ)の荒(しけ)もあれは荒(しけ)でなかつたのかも知れない
展望 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
そが険呑(けんのん)な尾で以て荒(すが)れた岸を打つてゐた。
寒さのとつつきのこの空虚(からつぽ)な座敷の中は唯お互の心を一層荒(すさま)しくさせるばかりだつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
19の黒い制服には金釦(きんぼたん)が重要性をつけていた。すべてが巴里(パリー)からドライヴして来た人に相応(ふさわ)しい「長い途(みち)に狐色になった荒(ラフ)さ」
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)