“傷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いた40.3%
きずつ21.6%
きず16.4%
そこな5.2%
て3.3%
いたま3.2%
やぶ3.2%
きづ0.7%
きづつ0.7%
けが0.7%
いたみ0.6%
いたわ0.4%
しょう0.4%
そこ0.4%
そこの0.4%
あや0.3%
きずつけ0.3%
や0.3%
きづゝ0.1%
い0.1%
いたきわざ0.1%
いたで0.1%
いたは0.1%
いたまし0.1%
いと0.1%
かな0.1%
けず0.1%
こは0.1%
イタ0.1%
キズ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのそばに生(は)えている青木(あおき)の葉(は)が黒(くろ)ずんで、やはり霜柱(しもばしら)のために傷(いた)んで葉(は)はだらりと垂(た)れて、力(ちから)なく下(した)を向(む)いているのでありました。
小さな草と太陽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
綽名の通りカンの強い彼は、脅迫(おどし)のために人を傷(きずつ)ける場合でも、決して生命(いのち)を取るようなヘマをやらないのを一つの誇りにしていた。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
なぜなら机(つくえ)の四(よ)つ角(かど)は、小刀(こがたな)かなにかで、不格好(ぶかっこう)に削(けず)り落(お)とされて円(まる)くされ、そして、面(かお)には、縦横(じゅうおう)に傷(きず)がついていたのであります。
春さきの古物店 (新字新仮名) / 小川未明(著)
兵乱のために人を殺し財を散ずるの禍(わざわい)をば軽くしたりといえども、立国の要素たる瘠我慢(やせがまん)の士風を傷(そこな)うたるの責(せめ)は免(まぬ)かるべからず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一学が駈けちらした先々で、赤穂方の者は幾人か傷(て)を負って、駈け捨てられ、蹴捨(けす)てられ、切っ先の勢いに刎ね捨てられている。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
而もこの血液型の相違が、後に傷(いたま)しい悲劇の重大要素となり、この物語の骨子ともなるのだから、軽々しく見逃すことは出来ないのだ。
血液型殺人事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
人知らぬ思ひに心を傷(やぶ)りて、あはれ一山風(ひとやまかぜ)に跡もなき東岱(とうたい)前後(ぜんご)の烟と立ち昇るうら弱(わか)き眉目好(みめよ)き處女子(むすめ)は、年毎(としごと)に幾何ありとするや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
御念(ごねん)に及(およ)ばぬ、城(じやう)ヶ沼(ぬま)の底(そこ)に湧(わ)く……霊泉(れいせん)に浴(ゆあみ)させて、傷(きづ)もなく疲労(つかれ)もなく苦悩(くなう)もなく、健(すこや)かにしてお返(かへ)し申(まを)す。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
固(もと)より確言する能はざれど、現存(げんぞん)石器時代人民(せききじだいじんみん)の所爲を以て推す時は、是等は石器の用は食料(しよくれう)の肉を切り、木質(もくしつ)を削り、人獸を傷(きづつ)くるに在りしと思はる。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
俺(おれ)なども、去年(きょねん)傷(けが)をしなけりゃ、とっくにここにはいないのだ。今年(ことし)は傷(きず)もなおったし、どこかへゆかなけりゃならないかもしれない。
みつばちのきた日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼女の人間、女としての傷(いたみ)はそこで医(いや)され、科学者としての燃焼はそこから絶えざる焔をとったのであった。
知性の開眼 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
自分のほかにもそんなお傷(いたわ)しい御方さえいらっしゃる事なんぞ、知らずにいられたら知らずにいたい位だった。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
諺(ことわざ)にも、両剛闘えば一傷(しょう)ありで、魏にとっては、又なき大将を、むざむざ死なせにやるようなことは、国家のため、決して良計とは思われません。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのために、まだ春の寒いころから傷(そこ)ねていた健康をも、追い追い暖気に向う気候の加減も手伝って、すっかり回復したのであった。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
西湖に来た蠎蛇(うわばみ)です、青魚(せいぎょ)といっしょになっておりましたところで、許宣を見て心が動いたので、こんなことになりました、それでも、曾(かつ)て物の命を傷(そこの)うたことがございませんから
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
何だか無垢の人を傷(あや)めた気持で、どんな事情なのか、それは本当なのか問い訊(ただ)す余地もないほど、乞食の老人の言った安宅先生退職の話は
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
われ縱令(たとひ)逍遙子が言に從ひて、攻めずして防がむとすといへども、防禦のために放つ矢石の敵を傷(きずつけ)ること、攻戰のために放てるものに殊ならざるべし。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「備前屋は古い暖簾(のれん)だ。そこのひとり娘が熊に傷(や)られるところを助けて貰ったんだから、向うじゃあどんなに恩に被(き)てもいいわけだ」
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
春枝夫人(はるえふじん)の嬋娟(せんけん)たる姿(すがた)は喩(たと)へば電雷(でんらい)風雨(ふうう)の空(そら)に櫻花(わうくわ)一瓣(いちべん)のひら/\と舞(ま)ふが如(ごと)く、一兵(いつぺい)時(とき)に傷(きづゝ)き倒(たを)れたるを介抱(かいほう)せんとて、優(やさ)しく抱(いだ)き上(あ)げたる彼女(かのぢよ)の雪(ゆき)の腕(かひな)には
傷(い)た振(ぶ)るる、苦患(くげん)の声か。
哀詩数篇 (新字旧仮名) / 漢那浪笛(著)
犬烏聚(あつま)り噉(は)む。天皇此の泣(いざ)ち吟(によ)ぶ声を聞きて、心に悲傷(いたみ)有(ま)す。群卿に詔(みことのり)して曰く、それ生くるときに愛(めぐ)みし所を以て亡者(なきひと)に殉(したが)はしむ。これ甚だ傷(いたきわざ)なり。それ古風といへども良からずば何ぞ従はむ。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
人(ひと)の噂(うは)さと共(とも)に彼女(かのぢよ)の傷(いたで)はだん/\その生々(なま/\)しさを失(うしな)ふことが出來(でき)たけれど、猶(なほ)幾度(いくど)となくその疼(いた)みは復活(ふくくわつ)した。彼女(かのぢよ)は靜(しづ)かに悔(く)ゐることを知(し)つた。それでも猶(なほ)その悔(くゐ)には負惜(まけを)しみがあつた。
悔 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
十七、秀林院様は霜より仔細(しさい)を聞こし召され、直ちに与一郎様の奥様とお内談に相成り候。後に承り候へば、与一郎様の奥様にも御生害(ごしやうがい)をお勧めに相成り候よし、何ともお傷(いたは)しく存じ上げ候。
糸女覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼等の死ありて聊(いささ)か吾が活の苦(くるし)きをも慰むべきか、吾が活ありて、始めて彼等が死の傷(いたまし)きを弔ふに足らんか。吾が腸(ちよう)は断たれ、吾が心は壊(やぶ)れたり、彼等が肉は爛(ただ)れ、彼等が骨は砕けたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「おつつみなされても、この頃のお窶(やつ)れよう、尼も胸が傷(いと)うなりまする」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
万葉集の詞書には、「有間皇子自ら傷(かな)しみて松が枝を結べる歌二首」とあるのは、以上のような御事情だからであった。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
否(えや)なら否(えや)で分ってるのに、突然(いきなり)烟管で殴(にや)すてえことがあるか、頭へ傷(けず)が附いたぞ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この方は御料地の係の方(かた)で先達(せんだつて)から山林を見分(みわけ)してお廻はりになつたのですが、ソラ野宿の方が多がしよう、だから到当身体を傷(こは)して今手前共で保養して居らつしやるのです。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
嗚呼(アア)公瑾不幸ニシテ夭亡(ヨウボウ)ス、天人倶(トモ)ニ傷(イタ)マザルハ非ズ……
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
・傷(キズ)が癒えゆく秋めいた風となつて吹く
其中日記:08 (八) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)