“優”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やさ28.0%
まさ25.2%
すぐ17.8%
ま9.7%
やさし4.1%
まし3.1%
ゆう3.1%
いう2.8%
や1.4%
おとな0.9%
ヤサ0.5%
みや0.5%
イウ0.5%
ゆたか0.3%
しお0.3%
ひと0.3%
しと0.3%
しなや0.2%
しとや0.2%
しとやか0.2%
しな0.2%
まさり0.2%
ませ0.2%
ゆた0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風(かぜ)は冷(つめた)く爽(さわやか)に、町一面(まちいちめん)に吹(ふ)きしいた眞蒼(まつさを)な銀杏(いてふ)の葉(は)が、そよ/\と葉(は)のへりを優(やさ)しくそよがせつゝ、芬(ぷん)と、樹(き)の秋(あき)の薫(かをり)を立(た)てる。……
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
重「嘘を云え、白島山平は義気正しい男で、役は下だが重役に優(まさ)る立派な男じゃ、他人の女房と不義致すような左様な不埓者でない」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いったいひとり荒岩に限らず、国見山でも逆鉾(さかほこ)でもどこか錦絵(にしきえ)の相撲に近い、男ぶりの人に優(すぐ)れた相撲はことごとく僕の贔屓(ひいき)だった。
追憶 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それでも自分自身が汚(けが)れた色町へ踏み込むよりは、いっそ半九郎に頼んだ方が優(ま)しであろうと思い返して、彼は努めて丁寧に言った。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
御新造さまと呼ばれて莞爾(にっこり)あいよと笑った事、それやこれや小歌の我れに対する誠が一通りでないようで、かつまたあの優(やさし)い小歌に
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
明日(あした)から引っ込んでるがいい。店へなんぞ出られると、かえって家業の邪魔になる。奥でおん襤褸(ぼろ)でも綴(つづ)くッてる方がまだしも優(まし)だ。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
純粋なる専門画家として、己(おの)れさえ、纏綿(てんめん)たる利害の累索(るいさく)を絶って、優(ゆう)に画布裏(がふり)に往来している。いわんや山をや水をや他人をや。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
実に優(いう)にやさしき者が純熱一すじによって、火焔の如く、瀑布の如く猛烈たり得る活ける例証をわれわれは日蓮において見得るのである。
若(も)しもあなたのような優(や)さしい御方(おかた)が最初(さいしょ)からお世話(せわ)をして下(くだ)さったら、どんなにか心強(こころづよ)いことであったでございましたろう……。
「取って頂くよ。」と優(おとな)しく会釈する、これが神月と呼ばれた客で、名を梓(あずさ)という同窓の文学士、いずれも歴々の人物である。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若、高、優(ヤサ)(—男、—形)、浅、深などもまた動詞の将然言に形容詞接尾語し(し、しく)がついたのである。
用言の発展 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
自分一個の器用で手紙の文字や触書(ふれがき)の解釈ぐらいは人並み以上にやってのけるが、悲しいことには、こんな優(みや)びやかな文字を見ると、男でありながらと
此種の日想観なら、「弱法師」の上にも見えてゐた。舞台を何とも謂へぬ情趣に整へてゐると共に、梅の花咲き散る頃の優(イウ)なる季節感が靡きかゝつてゐる。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
渋江氏ではこの年感応寺(かんのうじ)において抽斎のために法要を営んだ。五百、保、矢島優(ゆたか)、陸(くが)、水木、比良野貞固(さだかた)、飯田良政(よしまさ)らが来会した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ああ、見っともねえ、人が助けてやりゃつけ上がって、人中で泣かれちゃ堪らねえ、何と言おうが、拙者あ春日新九郎なんて、そんな優(しお)らしい人間じゃあない。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中村仲吉という女優(この優(ひと)は大柄の美人で旅廻りの女役者としてはほんとに芸も立派な旧派出の女であった)
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
成程女は氏なくして玉の輿という、生来(うまれつき)の美しさ、優(しと)やかさ、艶(すこ)やかさ、それらがやがて地位なり、財産というものなのだ。
頸飾り (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
誰ぞと怪しむ迄もなく其の姿の優(しなや)かなのと着物の日影色とで分って居る、無論秀子だ、何の為に秀子が此の墓へ参るかは兼ねて不思議の一つだが
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
貂蝉は、客のほうへ、わずかに眼を向けて、優(しとや)かにあいさつした。雲鬢(うんぴん)重たげに、呂布の眼を羞恥(はじ)らいながら、王允の蔭へ、隠れてしまいたそうにすり寄っている。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
横幅廣く結ひ下げて、平塵(ひらぢり)の細鞘、優(しとやか)に下げ、摺皮(すりかは)の踏皮(たび)に同じ色の行纏(むかばき)穿ちしは、何れ由緒(ゆゐしよ)ある人の公達(きんだち)と思はれたり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
彼女は、猫のような優(しな)やかさで動いてゆき、身を差し伸べるときには藻草のような髪が垂れ、それが岩礁の中で、果物の中の葉のように蒼々(あおあお)と見えた。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
故(ことさ)らに無心な顔を作り、思慮の無い言(こと)を云い、互に瞞着(まんちゃく)しようと力(つと)めあうものの、しかし、双方共力は牛角(ごかく)のしたたかものゆえ、優(まさり)もせず、劣(おとり)もせず、挑(いど)み疲れて今はすこし睨合(にらみあい)の姿となった。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
聞定て來て參ますから成程是は大人(おとな)より幼稚(こども)の方(はう)が遠慮がなくて聞には至極(しごく)能(よか)らうから何分頼と管伴(ばんたう)に云はれて心得打點頭(うちうなづき)優(ませ)たる和吉は其儘に立出音羽へ至しが何處(いづこ)で問(とは)んと思案に暮(くれ)先(まづ)大藤が住居なる路次へ思はず入にけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
両手優(ゆた)かにかき抱(いだ)きつべきふっくりとかあいげなる雲は、おもむろに赤城の巓(いただき)を離れて、さえぎる物もなき大空を相並んで金の蝶のごとくひらめきつつ、優々として足尾の方(かた)へ流れしが
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)