“返”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かえ55.0%
かへ19.3%
けえ8.8%
か3.8%
へん2.4%
ぺん1.7%
べん1.2%
がえ1.2%
け1.0%
がへ1.0%
もど1.0%
かや0.7%
がえし0.5%
がへし0.5%
かえっ0.2%
かえり0.2%
かへし0.2%
が0.2%
がへり0.2%
がや0.2%
さが0.2%
な0.2%
カヘシ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こうした人(ひと)たちの集(あつ)まるところは、いつも笑(わら)い声(ごえ)のたえるときがなければ、口笛(くちぶえ)や、ジャズのひびきなどで、煮(に)えくり返(かえ)っています。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
屋根に葺いてある瓦には長い、反(は)ね返(かへ)つた耳が出てゐる。家に使つてある材木は皆暗い色をしてゐて、それに一様な彫刻がしてある。
十三時 (新字旧仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
「馬鹿野郎、人の店賃の世話より、手前(てめえ)の小借りでも返す工夫をしやがれ。二三百両ありゃ、角の酒屋の借りぐらいは返(けえ)せるだろう」
そして嫁の寝ている胸の真上と覚(おぼ)しき処(ところ)まで、その足音が来たかと思う時、その死に瀕(ひん)した病人が跳(はね)ッ返(か)えるように苦悶(くもん)し始めた。
白い光と上野の鐘 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
敬太郎は夜中に二返(へん)眼を覚(さ)ました。一度は咽喉(のど)が渇いたため、一度は夢を見たためであった。三度目に眼が開(あ)いた時は、もう明るくなっていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もう一返(ぺん)、町の名を勘定するさ。それで足りなければまた秋の日をかんかんさせるさ。それでもおっつかなければまた甘干しの渋柿を
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「旧弊はとくに卒業して迷信婆々(ばばあ)さ。何でも月に二三返(べん)は伝通院(でんずういん)辺の何とか云う坊主の所へ相談に行く様子だ」
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また、金(きん)さんは、でんぐり返(がえ)りをしたり、逆立(さかだ)ちをしながら、茶(ちゃ)わんの中(なか)の水(みず)を飲(の)んでみせたのでした。親方(おやかた)は、日本(にっぽん)はいいところだといっていました。
春風の吹く町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「行って見て来いよ。小僧。引っくり返(け)えってたらモウ一度バッグを開けてやれよ。中味をフン奪(だ)くって来るんだ。ナア小僧……」
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
夫人は返(かへ)す返(がへ)す再会を約して手を握られた。自分達三人は馬車の上でどんなに今日(けふ)の幸福(さひはひ)を祝ひ合つたか知れない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
『黙れ、老耄(おいぼれ)、拾った奴(やつ)が一人いて、返(もど)した奴が別に一人いたのよ。それで世間の者はみんなばかなのさ。』
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
雛鶏(ひなどり)と家鴨(あひる)と羊肉の団子(だんご)とを串(さ)した炙(や)き串(ぐし)三本がしきりに返(かや)されていて、のどかに燃ゆる火鉢(ひばち)からは、炙(あぶ)り肉のうまそうな香(かお)り
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
この時演劇は既に今日(こんにち)吾人(ごじん)の目睹(もくと)するが如く、セリ出(だし)、廻(まわり)道具、がんどう返(がえし)等あらゆる舞台装置の法を操座(あやつりざ)より応用し、劇場の構造看客(かんきゃく)の観覧席をもまた完備せしめき。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
其百合(そのゆり)をいきなり洋卓(テーブル)の上(うへ)に投(な)げる様に置(お)いて、其横(よこ)にある椅子(いす)へ腰(こし)を卸(おろ)した。さうして、結(ゆ)つた許(ばかり)の銀杏返(がへし)を、構(かま)はず、椅子(いす)の脊(せ)に押(お)し付(つ)けて
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
スルト同行の山田八郎(やまだはちろう)と云(い)う男が私を助けて室外に連出(つれだ)し、水など呑(の)まして呉(く)れてヤット正気に返(かえっ)た。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
返(かえり)咲く花とうたがう雞頭の
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その返(かへし)とて今日は夫婦を招待(しようだい)せるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お滝の思いの外の善良さが判ると、丈太郎の心の中に、関所役人時代の誼(よし)みが蘇(よ)み返(が)えったのでしょう。
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
足がけツ倦(たる)いので、づいと伸ばして、寐返(がへり)を打つ、體の下がミシリと鳴ツて、新しい木綿(もめん)の芬(かほり)が微に鼻を撲(う)ツた。眼が辛而(やつと)覺めかかツて來た。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
『しかしこの死態(ざま)をば情婦(いろおなご)い見せたナラ、大概の奴が愛想(あいそ)尽かすばい。眼球(めんたま)をばデングリ返(がや)いて、鼻汁(はな)垂れカブって、涎流(よだく)っとる面相(つら)あドウかいナ』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
助けた例えば入浴の時などは湯殿の戸口までは二人に附いて行きそこで引き返(さが)って手が鳴ってから迎(むか)えに行くともう春琴は湯から上って浴衣を着頭巾を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
来年は、どうでもして返(な)しやすかんない、御隠居様。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
其上、祖先の人々は、この辛くして舌に沁む美しさを湛へた志都歌(シヅウタ)の返(カヘシ)歌——葛城部の物語歌——を遺したのである。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)