“猶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なお46.7%
なほ36.5%
な13.0%
ま1.4%
まだ0.8%
ごと0.3%
ゆう0.3%
ジュウ0.3%
ナオ0.3%
ナホ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その代り空の月の色は前よりも猶(なお)白くなって、休みない往来の人通りの上には、もう気の早い蝙蝠(こうもり)が二三匹ひらひら舞っていました。
杜子春 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
予等は旅中(りよちう)の見聞記を毎月幾回か東京朝日新聞に寄せねばならぬ義務があつた。猶(なほ)晶子は雑誌婦人画報などに寄稿する前約(ぜんやく)があつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
そうして、その岩の配置に、背景の削ぎ立った懸崖に連峯に、人を威圧しながらも、猶(な)お言い知れぬ風致と雅趣に微笑んでいたのだ。
登山は冒険なり (新字新仮名) / 河東碧梧桐(著)
ですが唯(たっ)た一つ悪い事にはあの年に成(なっ)て猶(ま)だ女の後を追掛る癖が止みませんから私しは時々年に恥ても少しは謹(つゝし)むが好(よか)ろうと云いました
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
南へ向いた断崖には、数条の残雪があるから、溶かして水を獲ることが出来る、時間は猶(まだ)早いが、これからまた峻しい山稜つづきで、適当な野営地が見つからぬかも知れないから
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
我好古の眼(まなこ)もて視るときは、是れ猶古(いにしへ)のリリス河にして、其水は蘆荻(ろてき)叢間の黄濁流をなし、敗將マリウスが殘忍なるズルラに追躡(ついせふ)せられて身を此岸に濳めしも、昨(きのふ)の猶(ごと)くぞおもはるゝ。
予(よ)として冬、川を渉(わた)るがごとく、猶(ゆう)として四隣をおそるるがごとく、儼(げん)としてそれ客のごとく、渙(かん)として冰(こおり)のまさに釈(と)けんとするがごとく、敦(とん)としてそれ樸(ぼく)のごとく、曠(こう)としてそれ谷のごとく
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心、岡倉覚三(著)
あれは猶太の坊主が七日目に一度づつ行水をしなければならないので、猶(ジュウ)奴が發明したものだ。それは兎も角ちよつと洒落に役所へ顏を出した。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
問「陣地視察中ノ信長ハ、猶(ナオ)、前線ニ止マレルヤ否ヤ」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
コノ四国ハ、二十年余ノ兵乱ニ因(ヨ)ツテ、民屋(ミンヲク)ハ兵火ニ罹(カカ)リ、村里(ソンリ)ノ業ハ破レ、田野ハ芒草(バウサウ)ニ蔽(オホ)ハレ、五年三年ノ間ハ、猶(ナホ)、耕農モ整ハズ、五穀ノ満ツル日モナカラン。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)