“象”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたち31.3%
かたど24.3%
かた10.3%
すがた9.8%
ぞう7.9%
ざう4.7%
しょう2.3%
きさ1.9%
しやう1.9%
しるし0.9%
ホ0.9%
さま0.5%
あら0.5%
かたどり0.5%
かたどるに0.5%
もの0.5%
カタ0.5%
カタド0.5%
キサ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夫れ人しば/\これによりて妨げられ、その尊きくはだてに身を背くることあたかも空しき象(かたち)をみ、臆して退く獸の如し 四六—四八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「その白砂糖をちょんびりと載せたところが、主(しゅう)の子を育てた姥の乳の滴(したた)りを象(かたど)ったもので、名物の名物たる名残(なご)りでござりまする」
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
出づれば、その道まさり、その伴ふ星またまさる、而(しか)してその己が性(さが)に從ひて世の蝋を整(とゝの)へ象(かた)を捺(お)すこといよ/\著(いちじる)し 四〇—四二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
冬の夜明けのあらゆる冷ややかな物の象(すがた)が目の前を通過するのを、目には見ないで心で見つめた。朝にも夕のごとくその幻影がある。
「とに角、三浦屋のお職まで張つた女が、袈裟(けさ)を掛けて數珠(じゆず)を爪繰(つまぐ)り乍ら歩くんだから、象(ぞう)の上に乘つけると、そのまゝ普賢菩薩(ふげんぼさつ)だ」
塔(たふ)の上(うへ)には鳩(はと)が群(む)れ居(ゐ)、群(む)れ遊(あそ)ぶさうである。尚(な)ほ聞(き)く。花屋敷(はなやしき)の火(ひ)をのがれた象(ざう)は此(こ)の塔(たふ)の下(した)に生(い)きた。象(ざう)は寶塔(はうたふ)を背(せ)にして白(しろ)い。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
余は思わず弥生半(やよいなか)ばに呑気(のんき)な弥次(やじ)と近づきになったような気持ちになった。この極(きわ)めて安価なる気燄家(きえんか)は、太平の象(しょう)を具したる春の日にもっとも調和せる一彩色である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「我が命も常にあらぬか昔見し象(きさ)の小河(をがは)を行きて見むため」(巻三・三三二)の「常にあらぬか」がやはりそうである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
〔評〕慶應(けいおう)三年九月、山内容堂(ようだう)公は寺村左膳(さぜん)、後藤象(しやう)次郎を以て使となし、書を幕府に呈(てい)す。曰ふ、中古以還(くわん)、政刑(せいけい)武門に出づ。
相かわらず、はちきれるような健康を持ち、皮膚はすこし焦(や)けて浅黒く、何か、山が崩れてきても動じないよう、いつも濃い眉がよけいに強い意思の象(しるし)に見えて、悠揚として寛(くつろ)いでいるのだった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あけたつの王(ミコ)の場合にも、うけひまをして鷺をうけひ落しうけひ活し、木の葉をうけひ枯しうけひ生かしたとある。神の「承(ウケ)ふ」象(ホ)を請ふ事になる。
武蔵は、萌(も)え出(いず)る植物の本能のように、体のうちから外へ向って象(あら)われようとして熄(や)まないものに、卒然(そつぜん)と、筋肉がうずいてくるのを覚えた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雪天陽(てんやう)を離(はなれ)て降下(ふりくだ)り地に皈(かへれ)ば天陽(やう)の円(まろ)き象(かたどり)うせて地陰(いん)の方(かく)なる本形(ほんけい)に象(かたど)る、ゆゑに雪頽(なだれ)は千も万も圭角(かどだつ)也。このなだれ解(とけ)るはじめは角々(かど/\)円(まろ)くなる、これ陽火(やうくわ)の日にてらさるゝゆゑ天の円(まろき)による也。
「舜典」に「象(かたどるに)以二典刑一」といい、呉氏がこれを解釈して、「刑を用うるところの象を図して示し、智愚をして皆知らしむ」
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
その心のなかの象(もの)を、木彫として現わそうとするだけに過ぎないが、その真摯(しんし)な狙いどころが、手となり、小刀の先の動きにまでくるあいだに、種々(さまざま)な雑念が
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵野に占(ウラ)へ、象(カタ)灼(ヤ)き、まさでにも告らぬ君が名、表(ウラ)に出にけり(万葉巻十四)
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
籠は即、太陽神を象(カタド)り、髯は後光を象徴したものといふ次第なのである。平安朝の貴族社会に用ゐられた髯籠は、容れ物としての外に、既に花籠の意味を持つてゐたらしく思はれる。
盆踊りと祭屋台と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
みよし野の象(キサ)山の際(マ)の木梢(コヌレ)には、こゝだも さわぐ鳥のこゑかも(万葉巻六)