“鯱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゃち51.0%
しゃちほこ24.5%
しやち12.2%
しやちほこ4.1%
さかまた2.0%
さち2.0%
しゃ2.0%
シヤチホコ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
血だらけだ、血だらけだ、血だらけの稚児だ——と叫ぶ——柵の外の群集(ぐんじゅ)の波を、鯱(しゃち)に追われて泳ぐがごとく、多一の顔が真蒼(まっさお)に顕(あらわ)れた。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もうこの辺で一応金の鯱(しゃちほこ)へもお暇乞いをした方がよかろうという気になったのは、一つは道庵先生に先を越されたその羽風にも煽られたのでしょう。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鯱(しやち)と鯨(くぢら)の中(なか)へ、芝海老(しばえび)の如(ごと)く、呑(の)まれぬばかりに割込(わりこ)んで、一(ひと)つ吻(ほつ)と呼吸(いき)をついて、橋場(はしば)、今戸(いまど)の朝煙(あさけむり)、賤(しづ)ヶ伏屋(ふせや)の夕霞(ゆふがすみ)、と煙(けむ)を眺(なが)めて、ほつねんと煙草(たばこ)を喫(の)む。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
熱田の宮のこんもりとした森を左に、夕日の輝く金の鯱(しやちほこ)を右に眺めて、名古屋のステーシヨンに近づいて來る汽車の窓に凭(よ)りかゝつてゐる小池の姿が、眼の前に見えるやうである。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
鯱(さかまた)か何かに成って敵の軍艦を喰ってやるぞ、といった意味の和歌が、確か、遺筆として与えられたはずだったことを彼は思出し、家中捜し廻って、ようやくそれを見付け出した。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
矢倉に高き鯱(さち)のかげ
都喜姫 (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
頭灯(ファール)なんざ、こんなにでッかくて、喇叭がね、それも銀の喇叭が三つもついてるんでさァ。運転手が二人乗っていて、それがはァ棒でも嚥んだように鯱(しゃ)ッちょこばッてるんです。
墓地展望亭 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一度は鯱(シヤチホコ)のやうな勇ましさで空を蹴つて跳ねあがつたかとおもふと、次にはかつぽれの活人形のやうな剽逸な姿で踊りあがり、また三度目には蝦のやうに腰を曲げて、やをら見事な宙返りを打つた。
鬼涙村 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)