“溺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おぼ93.7%
いばり1.4%
でき1.0%
いば0.7%
おば0.7%
おぼれ0.3%
し0.3%
たら0.3%
は0.3%
はま0.3%
ぱま0.3%
オボ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
孝子でも水には溺(おぼ)れなければならぬ、節婦でも火には焼かれるはずである。——彼はこう心の中に何度も彼自身を説得しようとした。
寒さ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ある時は支度金を取って諸侯の妾(しょう)に住み込み、故意に臥所(ふしど)に溺(いばり)して暇になった。そしてその姿態は妖艶(ようえん)であった。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
やがて、完全な溺(でき)死を待って静かに浴槽中にもどすと、屍(し)体は、頭の方を先に湯の底を潜(くぐ)って、逆に浴槽の細い部分へつくというのである。
浴槽の花嫁 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
飛ぶ間際(まぎわ)に溺(いば)りを仕(つかまつ)るのは一体どう云う心理的状態の生理的器械に及ぼす影響だろう。やはりせつなさのあまりかしらん。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
決して溺(おば)れざるべしとの覚悟さえ生じければ、亡夫が一週年の忌明(きあ)けを以て、自他相輔(あいたす)くるの策を講じ、ここに再び活動を開始せり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
雪吹(ふゞき)の人を殺(ころ)す事大方右に類(るゐ)す。暖地(だんち)の人花の散(ちる)に比(くらべ)て美賞(びしやう)する雪吹(ふゞき)と其異(ことなる)こと、潮干(しほひ)に遊(あそ)びて楽(たのしむ)と洪濤(つなみ)に溺(おぼれ)て苦(くるしむ)との如(ごと)し。雪国の難義(なんぎ)暖地(だんち)の人おもひはかるべし。
と、熱くささやいて、そして、自分の言葉に、酔い溺(し)れるかのように、もたれかかったが、千世は身をすくめたまま、答えられぬ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
ねえねえ島さん、こうだとさ、あのお米さんの腕だっしゃは、大洞の金持ちの息子を溺(たら)し、今度足洗いをするそうだよ。ふざけているね、大莫連(おおばくれん)のくせに。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そりゃ刃物措(お)け、棒切一本持たいでも、北海道釧路(くしろ)の荒土を捏(こ)ねた腕だで、この拳(こぶし)一つでな、頭(どたま)ア胴へ滅込(めりこ)まそうと、……ひょいと抱上げて、ドブンと川に溺(は)める事の造作ないも知ったれども
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此処(こゝ)へ越(こし)て来ましたのは前(ぜん)申上げました右京様の御家来藤原喜代之助で、若気(わかげ)の至りに品川のあけびしのおあさと云う女郎に溺(はま)り、御主人のお手許金(てもときん)を遣(つか)い込み、屋敷を放逐(ほうちく)致され
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
權「お前辛抱しなよ、お女郎買におっ溺(ぱま)ってはいかねえよ、国と違ってお女郎が方々に在(あ)るから、随分身体を大事(でえじ)にしねば成んねえ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)