“比(く)” の例文
「間違ひありません。ほら、この仏像を外のと比(く)らべて御覧なさい。一目で、ちがつてゐることが分りませう」
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
廿歳(はたち)といふも今(いま)の間(ま)なるを、盛(さか)りすぎては花(はな)も甲斐(かひ)なし、適當(てきたう)の聟君(むこぎみ)おむかへ申し度(たき)ものと、一意(い)專心(せんしん)主(しう)おもふ外(ほか)なにも無(な)し、主人(しゆじん)大事(だいじ)の心(こゝろ)に比(く)らべて世上(せじやう)の人(ひと)の浮薄(ふはく)浮佻(ふてう)
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
桂次(けいじ)が思(おも)ひやりに比(く)べては遙(はる)かに落(おち)つきて冷(ひや)やかなる物(もの)なり、おぬひさむ我(わ)れがいよ/\歸國(きこく)したと成(な)つたならば、あなたは何(なん)と思(おも)ふて下(くだ)さろう、朝夕(あさゆふ)の手(て)がはぶけて、厄介(やくかい)が减(へ)つて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
扨(さて)もたつ年に関守なく、腰揚(あげ)とれて細眉つくり、幅びろの帯うれしと締(し)めしも、今にして思へば其頃の愚かさ、都乙女の利発には比(く)らぶべくも非らず、姿ばかりは年齢ほどに延びたれど
雪の日 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)