“障”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さわ65.2%
さは12.4%
さ6.0%
さまた2.5%
さえぎ2.1%
さや1.6%
さはり1.6%
さわり1.4%
さへぎ0.7%
ざわ0.7%
サハ0.7%
さえ0.5%
ささ0.5%
しやう0.5%
サ0.2%
こた0.2%
さそ0.2%
さはら0.2%
さへ0.2%
さま0.2%
さまたげ0.2%
さわっ0.2%
さゝ0.2%
さゝはり0.2%
ざい0.2%
ざは0.2%
せう0.2%
ついたて0.2%
つか0.2%
となり0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「海苔巻(のりまき)なら身体(からだ)に障(さわ)りゃしないよ。折角姉さんが健ちゃんに御馳走(ごちそう)しようと思って取ったんだから、是非食べて御くれな。厭(いや)かい」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
中にも苦味走つた顔の男は、巡査の人を見るやうな見方をしたと思つたので、八は癪(しやく)に障(さは)つたが、怯(おく)れ気(ぎ)が出て下を向いてしまつた。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼は宵のユスリの旨く行かなんだを猶だ気に障(さ)えて居るのか、顔の柔和さに比べては何となく不機嫌である、話に釣り込れようとはせぬ。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
蓮如『は、は、は、は、まあ、そう恥しがらんでもよい。恋も因縁ずく。勧めもせられん代りに障(さまた)げもせられん。ただ忘れてならぬのは六字の名号(みょうごう)じゃぞよ』
取返し物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
霧が物を障(さえぎ)る事は東西を通じて詩にも歌にもいろいろに云い現されているが、ある学者は霧が視界を障ぎる距離を詳しく調べてみた。
歳時記新註 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「障(さや)る」は、障礙(しょうがい)のことで、「百日(ももか)しも行かぬ松浦路(まつらぢ)今日行きて明日は来なむを何か障(さや)れる」(巻五・八七〇)にも用例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
これは「障(さはり)」の用例に本づく説であるが、「障(さは)りあらめやも」、「障(さは)り多み」、「障(さは)ることなく」等だけに拠(よ)るとそうなるかも知れないが
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
三十日に大暴風(おおあらし)で阪の下に半日留められた外は、道中なんの障(さわり)もなく、二人は七月十一日の夜品川に着いた。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
甲子太郎は平次の言葉を障(さへぎ)つて、以ての外の首を振るのです。有峰杉之助が評判の良い浪人とは聽きましたが、甲子太郎まで斯(か)う言はうとは思ひも寄らなつたのです。
「まずその女を、曳(ひ)いたらよろしかろう。眼障(ざわ)りだ! その騒々しい女を、曳く所へ曳きたまえ、ゴンザレツ、そこの扉をあけえ!」
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
見るもの障(サハ)るもの、彼の心を苛(イラ)つかせる種にならぬものはなかつた。淡海公の、小百年前に實行して居る事に、今はじめて自分の心づいた鈍(オゾ)ましさが、憤らずに居られなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
が外は暗澹たる雪模様の空、庭の電灯も明々と照された四方には、眼を障(さえ)ぎるものもありません。
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
余りいつまでも打たれている中(うち)に障(ささ)えることの出来ない怒(いかり)が勃然(ぼつぜん)として骨々(ほねぼね)節々(ふしぶし)の中から起って来たので、もうこれまでと源三は抵抗(ていこう)しようとしかけた時
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
やがて台所(だいどころ)の片(かた)づけ物(もの)を済(す)ました奧(おく)さんは次(つぎ)の間(ま)に寢(ね)かしてある子供(ども)の様(やう)子をちよつと見(み)てくると、また茶(ちや)の間(ま)へはいつて※て、障(しやう)子近(ちか)くに引(ひ)きよせた電燈(でんとう)の下で針仕事(はりしごと)にとりかゝつた。
夢 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
B○……海路に出でゝ、惶八神の渡りは、吹く風ものどには吹かず、立つ浪もおほには立たず、頻(シキ)波の立ち障(サ)ふ道を……(同巻十三)
土器色(かわらけいろ)になった、お祖母(ばあ)さんの時代に買ったのを取出してチョク/\しめるんでしょう、実に面白うげす……此の家(うち)の饀(あん)ころ餅が旨いから私(わたくし)は七つ食べましたら少し溜飲(りゅういん)に障(こた)えました
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
国威の拡張を障(さそ)ふる事、決して浅少にあらざるをや、速やかに眼前に横たはるの蠧賊(とぞく)を除き、士風の萎靡を振ひ、社会の昏夢を警醒せんと欲し、斬奸(ざんかん)の策を決行す。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
又後(しりへ)よりみの毛を障(さはら)す、熊又まへにすゝむ。又さはり又すゝんで熊終(つひ)には穴の口にいたる。これを視(み)て待(まち)かまへたる猟師(れふし)ども手練(しゆれん)の槍尖(やりさき)にかけて突留(つきとむ)る。一槍(ひとやり)失(あやまつ)ときは熊の一掻(ひとかき)に一命(めい)を失(うしな)ふ。
お葉は激しく手を振つて、平次の言葉を障(さへ)ぎりました。ズルズルと平次の論告に引入れられるのが恐ろしかつたのです。
「お寝(やす)みを障(さま)たげてはならぬ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
座頭(ざとう)むくと起直(おきなほ)つて、腹(はら)を立(た)て、道端(みちばた)にあつて往来(わうらい)の障(さまたげ)なりと、二三十人(にん)ばかりにても動(うご)かしがたき大石(だいせき)の角(かど)に手(て)をかけ、曳(えい)やつといふて引起(ひきおこ)し、目(め)より高(たか)くさし上(あ)げ、谷底(たにそこ)へ投落(なげおと)す。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
幕府の奴の如何(いか)にも無気力不人情と云うことが癪(しゃく)に障(さわっ)たので、ソコでどうでも斯(こ)うでも助けて遣(や)ろうと思(おもっ)て駈廻(かけま)わりましたが、その節(せつ)、毎度妻と話をして今でも覚えて居ます、私の申すに
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
丸山作楽君が君主専制の東洋風に随喜の涙を流されし時代もありき、如此(かくのごとく)に我日本の学者、老人、慷慨家(かうがいか)、政治家、宗教家達は、我文明の余りに疾歩するを憂へて、幾たびか之を障(さゝ)へんとし
なやまされ、かつは急(いそぎ)に策(むちう)たれつゝ、我わが導者に從ひて障(さゝはり)多き道を歩み、正しき刑罰を憐みゐたるに 四—六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あに、はい、墓さ苞入(つといり)に及ぶもんか、手間障(ざい)だ。また誰も見ていねえで、構いごとねえだ、と吐(こ)いての。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
文中見るところの目障(ざは)りな田舍訛、例之(たとへば)「なけらねばならぬ」「好きからに筆を執つて」などと云ふのを見ると、頭腦ばかりでなく起居動作も粗野な人間なのだらうと思ふけれど
起きあがつて見ると、ころぶときに地べたに突(つ)いたらしく、右の掌に擦(す)り傷(きず)がついてゐた。その他は別段(だん)故障(せう)もなかつた。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
女はまた障(ついたて)をよせて褥(ねどこ)の塵を払って、羅に寝よと勧めて
翩翩 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
その傍に長くなって、ときどき障(つか)えながら講談本を声高らかに読み上げるのが、閑の日の勘弁勘次の仕事でもあった。
トお種さんが、障(となり)のお三輪にも秘(かく)したそうに
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)