“壓”のいろいろな読み方と例文
新字:圧
読み方割合
お33.7%
おさ32.6%
あつ18.6%
おし4.7%
おさへ2.3%
アツ2.3%
いや1.2%
おもり1.2%
こら1.2%
を1.2%
オシ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、息切(いきぎ)れのする瞼(まぶた)が颯(さつ)と、氣(き)を込(こ)めた手(て)に力(ちから)が入(はひ)つて、鸚鵡(あうむ)の胸(むね)を壓(お)したと思(おも)ふ、嘴(くちばし)を踠(もが)いて開(あ)けて、カツキと噛(か)んだ小指(こゆび)の一節(ひとふし)。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
棟近(むねちか)き山(やま)の端(は)かけて、一陣(いちぢん)風(かぜ)が渡(わた)つて、まだ幽(かすか)に影(かげ)の殘(のこ)つた裏櫺子(うられんじ)の竹(たけ)がさら/\と立騷(たちさわ)ぎ、前庭(ぜんてい)の大樹(たいじゆ)の楓(かへで)の濃(こ)い緑(みどり)を壓(おさ)へて雲(くも)が黒(くろ)い。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
勘次(かんじ)は一度(ど)整骨醫(せいこつい)の門(もん)を潜(くゞ)つてからは、世間(せけん)には這麽(こんな)に怪我人(けがにん)の數(かず)が有(あ)るものだらうかと絶(た)えず驚愕(おどろき)と恐怖(おそれ)との念(ねん)に壓(あつ)せられて居(ゐ)たが
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
宅(うち)では御米(およね)が宗助(そうすけ)に着(き)せる春(はる)の羽織(はおり)を漸(やうや)く縫(ぬ)ひ上(あ)げて、壓(おし)の代(かは)りに坐蒲團(ざぶとん)の下(した)へ入(い)れて、自分(じぶん)で其上(そのうへ)へ坐(すわ)つてゐる所(ところ)であつた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
墨股(すのまた)の戰ひに少しく會稽の恥を雪(すゝ)ぎたれども、新中納言(知盛)軍機(ぐんき)を失(しつ)して必勝の機を外(はづ)し、木曾の壓(おさへ)と頼みし城(じやう)の四郎が北陸(ほくりく)の勇を擧(こぞ)りし四萬餘騎、餘五將軍(よごしやうぐん)の遺武(ゐぶ)を負ひながら
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ぽつちりと目をあいて見𢌞す瞳に、まづ壓(アツ)しかゝる黒い巖の天井を意識した。次いで、氷になつた岩牀(ドコ)。兩脇に垂れさがる荒岩の壁。した/\と、岩傳(イハヅタ)ふ雫の音。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
雜炊(ざふすゐ)の焦(こ)げついたやうな臭(にほ)ひがぷんと鼻(はな)を衝(つ)いた時(とき)お品(しな)は箸(はし)を執(と)つて見(み)ようかと思(おも)つて俯伏(うつぶ)しになつて見(み)たが、直(すぐ)に壓(いや)になつて畢(しま)つた。お品(しな)が動(うご)いたので懷(ふところ)の與吉(よきち)は泣(な)き出(だ)した。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
己(おのれ)が手に塗付(ぬりつけ)て笈笠(おひがさ)へ手の跡を幾許(いくつ)となく捺(なす)り付又餞別に貰(もら)ひし襦袢(じゆばん)風呂敷(ふろしき)へも血を塗て着(き)たる衣服(いふく)の所々を切裂(きりさき)これへも血を夥多(したゝか)に塗付(ぬりつけ)誰(たれ)が見ても盜賊(たうぞく)に切殺れたる體(てい)に拵(こしら)へ扨犬の死骸(しがい)は壓(おもり)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
踏掛(ふみか)け漸々として終(つひ)に天井へ昇り其跡を板(いた)にて元の如く差塞(さしふさ)ぎ先是では氣遣(きづか)ひ無しと大いに安堵(あんど)なし息を壓(こら)して隱れ居たり斯る惡人なれども未だ命數(めいすう)の盡(つき)ざる所にや僧の情(なさけ)に依て危き命を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
思ふにコロボツクルは是等の石器(せきき)を用ゐて草木(さうもく)の實(み)を壓(を)し潰(つぶ)し食用(しよくえう)の粉(こ)を製(つく)りしならん。石皿の名(な)は决(けつ)して適切(てきせつ)には非ざれど、他(た)に好(よ)き名を思(おも)ひ付かざれば姑(しばら)く通稱(つうしやう)に從ふのみ。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
壓(オシ)はおそはく・うしはくの義の「壓す」から出たものでなく、また「大(オホシ)」に通ずる忍(オシ)・押(オシ)などで宛て字するおしとも違ふ樣だ。來臨する神と言ふ程の古語ではなからうか。