“吾(あ)” の例文
「吾(あ)が隱(こも)りますに因りて、天の原おのづから闇(くら)く、葦原の中つ國も皆闇けむと思ふを、何(なに)とかも天の宇受賣(うずめ)は樂(あそび)し、また八百萬の神諸(もろもろ)咲(わら)ふ」
吾(あ)は老い、吾(あ)は嘆けり。吾(あ)は白し、早や輝けり。吾(あ)は消えむ、ああ早や、吾(あ)が妻、吾(あ)が子、吾(あ)が弟(いろと)、吾(あ)が族(ぞう)の、残れる者、ことごとく滅(めつ)せん。
篁 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
……島田が乱れて、糸も切(きれ)もかからぬ膚を黒く輝く、吾(あ)が天女の後光のように包むを見さい。末は踵(かかと)に余って曳(ひ)くぞの。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大野(おほぬら)に小雨降りしく木(こ)のもとに、時々より来(こ)、吾(あ)が思ふ人。……どうした? どうかしたのか? おい! おい! 美緒! (声が次第に高くなる)
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
すなわちこの様に解釈してこそこの歌、すなわち、「妹(いも)が為(た)め菅(すが)の実(み)採(と)りに行(ゆ)きし吾(あ)れ山路(やまぢ)に惑(ま)どひ此(こ)の日(ひ)暮(くら)しつ」
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「君が行く海辺の宿に霧立たば吾(あ)が立ち嘆く息と知りませ」(巻十五・三五八〇)等、類想のものが多い。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
いたいたしくやせほそりたる吾(あ)の母の人力(じんりき)車にのるをながめたるかも
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
この家に智恵子の息吹(いぶき)みちてのこりひとりめつぶる吾(あ)をいねしめず
智恵子抄 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
愛(め)づらしと吾(あ)が思(も)ふきみは秋山の初もみぢ葉に似てこそありつれ
学生と生活:――恋愛―― (新字新仮名) / 倉田百三(著)
今は吾(あ)は 死なむよわが背恋すれば 一夜一日も 安けくもなし
日本の美 (新字新仮名) / 中井正一(著)
あが母の吾(あ)を生ましけむうらわかきかなしき力おもはざらめや
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さゝの葉はみ山もさやにさやげども吾(あ)は妹おもふ別れ來ぬれば
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
汝、女にあればとて、吾(あ)の謂ふやさしき妹(いも)にはあらじ!
吾(あ)はもよ偲(しぬ)ぶ。藤原処女
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
吾(あ)ぞひとり
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
吾(あ)が渡る
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土筆摘み、妻と子と摘み、うすあかき土筆の茎の緑だつその秀(ほ)の粉(こな)の、かなしとも吾(あ)も妻も摘め、をさな児もしみみ摘みをる、そのをさなさを。
篁 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ここに答へてのりたまはく、「吾(あれ)まづ問はえたれば、吾まづ名告りせむ。吾(あ)は惡(まが)事も一言、善事(よごと)も一言、言離(ことさか)の神、葛城(かづらき)の一言主(ひとことぬし)の大神六なり」
さよばひに吾(あ)が来ればたな隠(ぐも)り雪は降り来ぬ、さぐもり雨は降り来ぬ、野(ぬ)つ鳥、雉(きぎす)はとよむ、家つ鳥、鶏(かひ)も鳴く。
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
巻十四(三四五七)に、「うち日さす宮の吾背(わがせ)は大和女(やまとめ)の膝枕(ひざま)くごとに吾(あ)を忘らすな」というのがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
うれしくてうれしくて吾(あ)はなきにけり幌(ほろ)ををろせといひにけるかな
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
山菅(やますげ)の実(み)ならぬことを吾(あ)れによせいはれし君(きみ)はたれとかぬらむ
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
吾(あ)が為は 狭(さ)くやなりぬる
日本の美 (新字新仮名) / 中井正一(著)
土筆摘み、妻と子と摘み、うすあかき土筆の茎の、緑だつその秀(ほ)の粉(こな)の、かなしとも吾(あ)が妻も摘め、をさな児もしみみ摘みをる、そのをさなさを。
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ここにその兄に白して曰はく、「吾(あ)は伊豆志袁登賣を得つ」といふ。ここにその兄、弟の婚ひつることを慨(うれた)みて、そのうれづくの物を償はざりき。
大野(おほぬら)に小雨降りしく木(こ)のもとに、時々より来(こ)、吾(あ)が思ふ人、いゝな! 野原に小雨がシヨボシヨボ降つてゐる、その木の下に自分は今立つてお前の事を考へてゐるが
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
巻十五(三七八五)に宅守(やかもり)の、「ほととぎす間(あひだ)しまし置け汝が鳴けば吾(あ)が思(も)ふこころ甚(いた)も術(すべ)なし」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
妹(いも)が為(た)め菅(すが)の実(み)採(と)りに行(ゆ)きし吾(あ)れ山路(やまぢ)に惑(ま)どひ此(こ)の日(ひ)暮(くら)しつ
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
吾(あ)が為は 照りや給はぬ
日本の美 (新字新仮名) / 中井正一(著)
冬ごもり、こもりあかねど、寒き日は吾(あ)もちぢまりぬ。春まつと妻は急(せ)けども、のどならむ家も壊(く)えたり。
篁 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いまさかりなり吾(あ)が恋(おも)ふらくは
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
冬ごもり、こもりあかねど、寒き日は吾(あ)もちぢまりぬ。春まつと妻は急(せ)けども、のどならむ家も壊(く)えたり。
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そのかみよ、そ様うれしと、ほのぼのと思ひ秘めきと、とりどりやひとりびとりに、吾(あ)こそよ吾(あ)こそよと膝すり寄せぬ。うち笑(ゑ)らぎ何すとすらし、泣かゆとて早や過ぎにけり。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
まことのみ吾(あ)は言ひにけりよかりけり月の光に坐りつつ思ふ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
桃の御所の庭の西日に下りて吾(あ)が巡礼の子にものいふこころ
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
海原(うなのはら)、吾(あ)はえ治(し)らさじ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
海原(うなのはら)、吾(あ)はえ治(し)らさじ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
言(こと)依(よ)させ、吾(あ)は聴かじ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
言(こと)依(よ)させ、吾(あ)は聽かじ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
総て善し、吾(あ)は拝せり。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
吾(あ)は老い、吾(あ)は嘆けり。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
吾(あ)は白し、早や輝けり。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
吾子(あこ)よ、吾(あ)ぞ。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)