“甚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はなは60.1%
はなはだ22.8%
ひど9.5%
いた3.0%
じん0.7%
いと0.7%
えら0.5%
はなはだし0.2%
いみ0.2%
え0.2%
しど0.2%
ハナハ0.2%
ハナハダ0.2%
いか0.1%
きつ0.1%
いとゞ0.1%
たま0.1%
はな0.1%
はなだ0.1%
はななだ0.1%
はばはだ0.1%
ひ0.1%
ぴど0.1%
よ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
川中島に於ける上杉謙信、武田信玄の一騎討は、誰もよく知って居るところであるが、其合戦の模様については、知る人は甚(はなは)だ少い。
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
かえりに、女中が妙な行燈(あんどう)に火を入れて、門(かど)まで送って来たら、その行燈に白い蛾(が)が何匹もとんで来た。それが甚(はなはだ)、うつくしかった。
田端日記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
恁(か)うして買(か)つて參(まゐ)ります品物(しなもの)が氣(き)に入(い)らないと、甚(ひど)いんですぜ、そりや、踏(ふ)んだり、蹴(け)つたり、ポカ/\でさ。我又不善擇人參可否(われまたにんじんのかひをえらぶことをよくせず)。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
たゞ篇中の思想の頑癖に至りては、或は今日の余の思想とは異るところなり、友人諸君の幸にして余が為に甚(いた)く憂ひ玉はざらんことを。
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
與へしかば藤八は押戴(おしいたゞ)き重々(ぢう/\)有難き仕合なりとて宿役人倶々(とも/″\)介抱(かいはう)なせしに漸々(やう/\)氣の付ければ驛(しゆく)役人同道にて直(すぐ)に吉原驛(じゆく)伊豆(いづ)屋甚(じん)助方へ到(いた)り本陣の御沙汰を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この人は齡(よはひ)略(ほ)ぼ我と同じくして、その家は貴族なり。心爽かにして頓智あり、會話も甚(いと)巧(たくみ)なれば、人皆その言ふところを樂み聽けり。
「御承知だつしやろが、松蔵はんは甚(えら)い孝行者(かうかうもん)だしてな。」と仲に立つた男は擽(くすぐ)つたさうな顔をして星島氏に言つた。
凡(およ)そ高利の術たるや、渇者(かつしや)に水を売るなり。渇の甚(はなはだし)く堪(た)へ難き者に至りては、決してその肉を割(さ)きてこれを換ふるを辞せざるべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
老たる女の法師の甚(いみ)じく煤けたる狩袴の、筒とかやの様に細く短きを、帯より下五寸ばかりなる衣(ころも)とかや言ふべからん、同じ様に煤けたるを着て、猿の様(さま)にて言ふなりけり。
濫僧考補遺 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
「さんざ無代(ただ)で飲食したうえ、こんな余興まで入るとは思いませんでした。いや、甚(え)ッとおもしろかです」
その時は息切れが甚(しど)いくらいでわからなかったが、喘息がその次の冬になってあたしを苦しめ、心臓も悪かった。
相手「貴局ト通信ガ出来ルコトヲ甚(ハナハ)ダシク喜ブモノナリ。予ハ今甚ダシキ危険ニ臨ミ居レリ。当方ノ信号ハ微弱(ビジャク)ナリヤ?」
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
然ニ誠になげくべき事ハながと(長門)の国に軍(ユクサ)初り(ママ)、後月より六度の戦に日本甚(ハナハダ)利すくなく、あきれはてたる事ハ、其長州でたゝかいたる船を江戸でしふく(修復)いたし又長州でたゝかい申候。
乳母 もしえ、この指輪(ゆびわ)は姫(ひい)さまから、わしに貴下(こなた)へ上(あ)げませいと言(い)うて。さ、速(はや)う、急(いそ)がしゃれ、甚(いか)う夜(よ)が深(ふ)けたによって。
カピ妻 さいの、其時分(そのじぶん)には甚(きつ)い鼠捕(ねずみと)りであったさうな。したが、わたしが不寢(ねず)の番(ばん)をするゆゑ、今(いま)は其樣(そのやう)な鼠(ねずみ)をば捕(と)らすことぢゃない。
兄彦三郎は押止め今兩人江戸へ赴く時は母人(はゝびと)甚(いとゞ)淋(さび)しく思され猶も苦勞(くらう)を増給(ましたま)はんにより其方は母樣の傍(そば)に止りて慰(なぐさ)め進(まゐ)らせよと漸々(やう/\)宥(なだ)め賺(すか)し正月廿一日いまだ幼弱(えうじやく)の身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
悲しみの為か心なしやつれの見える夫人の容貌(かお)は、暗緑の勝ったアフタヌーン・ドレスの落着いた色地によくうつりあって、それが又二人の訪問者には甚(たま)らなく痛々しげに思われた。
花束の虫 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
恰も我が力なく能なく弁なく気なきを罵るに似たり。渠(かれ)は斯の如く我に徹透す、而して我は地上の一微物、渠に悟達することの甚(はな)はだ難きは如何ぞや。
一夕観 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
妻はわたしの感じを見抜いてしまっていて、わたしを例によって調子にのって煽(おだ)てられたのだと甚(はなだ)だ不きげんなのです。
オカアサン (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)
張昺(ちょうへい)謝貴(しゃき)の二人、入りて疾(やまい)を問うに、時まさに盛夏に属するに、王は爐(ろ)を囲み、身を顫(ふる)わせて、寒きこと甚(はななだ)しと曰(い)い、宮中をさえ杖(つえ)つきて行く。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
神尾が、甚(はばはだ)しく不興な面をして、短冊をポンと抛(ほう)り出したものですから、鐚があわててこれを拾い上げて後生大切に袖で持ち
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
然(しか)しあの時分はそうでなかった。不孝の子であるように言われてみると甚(ひ)どくそれが気にかかる。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
さればといって家(うち)での取扱いが変ったのではない。相変らず書生扱にされて、小(こ)ッ甚(ぴど)くコキ使われ、果は下女の担任であった靴磨きをも私の役に振替えられて了った。無論其時は私は憤激した。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
兄上が購(か)ひ来玉ひし品は「にっける」を被(き)せたれば、陸にては甚(よ)く輝けど、水の中にては黒みて見ゆる気味ありて魚の眼を惹くこと少しとなり、我が購ひ来しは銀色なせる梨子肌のものなれば
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)