“拱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こまぬ55.2%
こまね20.9%
く15.8%
こま4.4%
きょう2.4%
ぐ0.7%
つく0.3%
アーチ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何(なん)にもならないで、ばたりと力なく墓石から下りて、腕を拱(こまぬ)き、差俯向(さしうつむ)いて、じっとして立って居ると、しっきりなしに蚊が集(たか)る。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僅かに小型の縞鯛、小けいづ、さより、沙魚(はぜ)などばかり釣れるもので、釣り人はいずれも竿を投げうち、腕を拱(こまね)いて不漁を歎じていた。
姫柚子の讃 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
お勢母子(ぼし)の者の出向いた後(のち)、文三は漸(ようや)く些(すこ)し沈着(おちつい)て、徒然(つくねん)と机の辺(ほとり)に蹲踞(うずくま)ッたまま腕を拱(く)み顋(あご)を襟(えり)に埋めて懊悩(おうのう)たる物思いに沈んだ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
小事に齷齪(あくそく)しない手を拱(こま)ぬいで、頭の奥で齷齪しているのである。外へ出さないだけが、普通より品(ひん)が好いと云って僕は讃辞を呈したく思っている。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紀州安堵峯辺でいう、栗鼠(りす)は獣中の山伏で魔法を知ると、これややもすれば樹枝に坐して手を拱(きょう)し礼拝の態を為(な)すに基づく。
と、良人の賛五郎は、興(きょう)も湧かない顔つきで、ただ腕拱(ぐ)みの手を解いて、火鉢のふちへ置き代えただけだった。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この位美しい女に、誘惑(ゆうわく)された以上、男として手を拱(つく)ねていることはないと思ったので、一緒(いっしょ)に寝(ね)た。割合い広い家なのに、家人は一人もいない。
女強盗 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
拱橋がこれ程沢山あるのに、それ等の拱(アーチ)に、我々が橋に於る非常に重大な要素と思う楔石を持ったのが一つも無いのは、不思議に思われるが、而も日本人はその必要を認めていない。