“呑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
の90.5%
のん2.9%
のみ2.1%
のま1.7%
や1.4%
のむ0.5%
どん0.2%
のめ0.2%
のう0.2%
フク0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
茶店の床几(しょうぎ)で鼠色(ねず)羽二重(はぶたえ)の襦袢(じゅばん)の襟(えり)をした粗(あら)い久留米絣(くるめがすり)の美少年の姿が、ちらりと動く。今日は彼は茶店の卓で酒を呑(の)んでいるのだ。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「兄貴の呑(のん)気にも、泣かされますな。すこしは、舎弟の身にもなってもらいたい。小林殿に対して、じつに顔向けならん仕儀だ。」
口笛を吹く武士 (新字新仮名) / 林不忘(著)
我身に罪は無しとは云え、孰(いず)れとも免れぬ場合、潔(いさぎ)よく伏罪し苦しみを短かくするに如(し)くなしと無念を呑(のみ)て断念(あきら)めし者ならぬか
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
嗚呼(ああ)! 何故あの時自分は酒を呑(のま)なかったろう。今は舌打して飲む酒、呑ば酔(え)い、酔(え)えば楽しいこの酒を何故飲なかったろう。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
鄭吉炳 なんだ、臭いと思ったら、爺さん、早いとこ呑(や)ってやあがら。さ、出かけよう。すこしパンフレットを持って行こう。
背負(せおひ)て歩行(あるく)辨慶がのそ/\と出きたりモシ/\文さん今日は雨降(あめふり)で御互に骨休(ほねやす)み久し振(ぶり)なれば一口(くち)呑(のむ)べし夫に今さんまの生々(なま/\)としたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一呑(どん)も石獅も、思わず居住居(いずまい)を直した。この臭気も又、忠誠から発するにおいであったかと心を打たれたからである。忠義は、赤穂藩だけのものではなかったと思った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
催(もよふ)せしが呑(のめ)や謠(うた)へと調子づき追々亂酒(らんしゆ)になり夜に入ると雖も猶更に各自(おの/\)謠ひ淨瑠璃(じやうるり)にだみ聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「それでは酒(さあけ)を呑(のう)まずに水(みずう)を呑むぅとやるか。」その年よりが云いました。
ポラーノの広場 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
之を喩えば人を密室に幽囚し、火を撮(つま)ませ熱湯を呑(フク)ませて、苦し熱しと一声すれば、則ち之を叱して忍耐に乏しき敗徳なりと言うに異ならず。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)