“駈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
か85.7%
かけ10.6%
はし1.1%
は0.7%
が0.4%
はせ0.2%
かく0.2%
かけだ0.2%
かけり0.2%
がけ0.2%
カ0.2%
ガ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
坂を駈(か)けおりるのを! そら、自動車に轢(ひ)かれそうになりました! 白はもう命の助かりたさに夢中になっているのかも知れません。
白 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
濃い靄(もや)が、重(かさな)り重り、汽車と諸(もろ)ともに駈(かけ)りながら、その百鬼夜行(ひゃくきやこう)の、ふわふわと明けゆく空に、消際(きえぎわ)らしい顔で、硝子(がらす)窓を覗(のぞ)いて
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
暫時(しばら)くすると箱根(はこね)へ越(こ)す峻嶺(しゆんれい)から雨(あめ)を吹(ふ)き下(おろ)して來(き)た、霧(きり)のやうな雨(あめ)が斜(なゝめ)に僕(ぼく)を掠(かす)めて飛(と)ぶ。直(す)ぐ頭(あたま)の上(うへ)の草山(くさやま)を灰色(はひいろ)の雲(くも)が切(き)れ/″\になつて駈(はし)る。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
やがてころりと仰向きに寝ころがった。おおぜいのひとたちは祖母のまわりに駈(は)せ集い、一斉に鈴虫みたいな細い声を出して泣きはじめた。
玩具 (新字新仮名) / 太宰治(著)
水を汲(く)もうとする処へ、少年を促がしつつ、廻り駈(が)けに駈けつけた孫八が慌(あわただ)しく留めた。水を飲んじゃなりましねえ。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
長屋の者の一同は捨置難(すておきがた)き二つの珍事(ちんじ)中(なか)にも家主庄兵衞が殺されたるは大變(たいへん)なりと其の兄(あに)山田元益の許へも斯と報知(しらせ)るに元益驚き駈(はせ)來り家内を改め見たる所ろ何一つだに紛失(ふんじつ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
手は刀を離さず、必死と成(なっ)て夢我(むが)夢中、きらめく刃(やいば)は金剛石の燈下に転(まろ)ぶ光きら/\截切(たちき)る音は空(そら)駈(かく)る矢羽(やばね)の風を剪(き)る如く、一足退(すさ)って配合(つりあい)を見(み)糺(ただ)す時は琴(こと)の糸断えて余韵(よいん)のある如く、意(こころ)糾々(きゅうきゅう)気昂々(こうこう)
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
履や否直に駈(かけだ)し追付んと急迫(あせれ)ども駕籠は何(いづれ)に行しや見えず猶も追付んと足に任(まか)せて急ぎけれども一向に影だに見えざれば餘りの不審(いぶかし)さに向ふより來る二三人の旅人に各々方は斯樣々々(かやう/\)の駕籠に行逢(ゆきあひ)給はずやと問けるに知ずと云も有しが其中の一人が其駕籠(かご)は今方確(たしか)此後の松原から南の横道(よこみち)へ一人の男が付て急ぎ行しと云にぞ偖は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この源太は二度の駈(かけり)をする勇気もないので、寒菊の無難をせめてもの幸いに、箙の梅をたずさえて今夜はそのまま帰ってくると、家には中嶋が来て待っていた。
十番雑記 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
正月飾りに、魚河岸に三個(みッつ)よりなかったという二尺六寸の海老(えび)を、緋縅(ひおどし)の鎧(よろい)のごとく、黒松の樽に縅した一騎駈(がけ)の商売では軍(いくさ)が危い。家の業が立ちにくい。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
コレラ一万(イチマン)ノ正直(ショウジキ)、シカモ、バカ、疑(ウタガ)ウコトサエ知(シ)ラヌ弱(ヨワ)ク優(ヤサ)シキ者(モノ)、キミヲ畏敬(イケイ)シ、キミノ五百枚(ゴヒャクマイ)ノ精進(ショウジン)ニ魂(タマシイ)消(キ)ユルガ如(ゴト)ク驚(オドロ)キ、ハネ起(オ)キテ、兵古帯(ヘコオビ)ズルズル引(ヒ)キズリナガラ書店(ショテン)ヘ駈(カ)ケツケ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
一 疎(マダ)ラ駈(ガ)ケスマジキ事
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)