“泥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どろ73.5%
なず9.7%
ひぢ4.9%
なづ2.2%
ぬか2.2%
でい1.8%
ナヅ1.8%
つち0.9%
えごみ0.4%
こひぢ0.4%
なまこ0.4%
ぬ0.4%
はね0.4%
ひじ0.4%
まみ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鍬(くは)を擔(かつ)いで遺跡(ゐせき)さぐりに歩(ある)き、貝塚(かひづか)を泥(どろ)だらけに成(な)つて掘(ほ)り、其(その)掘出(ほりだ)したる土器(どき)の破片(はへん)を背負(せお)ひ、然(さ)うして家(いへ)に歸(かへ)つて井戸端(ゐどばた)で洗(あら)ふ。
この疑問は一応当然の疑問であるように見えるけれども、結局は事物の外観に泥(なず)んでそれの本質を究めようとしない者の言に過ぎない。
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)
わが主曰ひけるは、フレジアス、フレジアス、こたびは汝さけぶも益なし、我等汝に身を委ぬるは、泥(ひぢ)を越えゆく間(あひだ)のみ 一九—二一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
逍遙子は非なりとなしてこれに泥(なづ)まず。是を以て衆理想の敵となることなし。衆理想は即ち差別相にして、沒却理想は即ち唯一相、平等相なりと。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「好いお湿(しめ)りだ、と言いてえが、これじゃあ道路(みち)が泥(ぬか)るんでやりきれねえ。いや、降りやがる、ふりやがる——豪気なもんだ。」
私達は九州ホテルの裏口から、地獄めぐりの逍遥道路(プロムナード)を経て、一々の地獄を点検して行く。まず最初に天然記念物として保護されている泥(でい)火山がある。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
現に、時に誇る藤原びとでも、まだ昔風の夢に泥(ナヅ)んで居た南家の横佩右大臣は、さきをとゝし、太宰ノ員外帥(ヰングワイノソツ)に貶(オト)されて、都を離れた。さうして今は、難波で謹愼してゐるではないか。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
女王の該撒(シイザア)に送れる文(ふみ)に云う。願わくは安図尼(アントニイ)と同じ墓にわれを埋(うず)めたまえと。無花果(いちじく)の繁れる青き葉陰にはナイルの泥(つち)の燄(ほのお)の舌(した)を冷やしたる毒蛇(どくだ)を、そっと忍ばせたり。該撒(シイザア)の使は走る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
後(あと)が酷(ひど)くつてな、縁(えん)の下(した)でも何(なん)でも泥(えごみ)が一杯(ぺえ)で、そえつあゝ掻(か)ん出(だ)せばえゝんだが床板(ゆかいた)が白(しら)つ黴(かび)に成(な)つちやつて此(こ)れがまだなか/\干(ひ)ねえから疊(たゝみ)なんざ何時(いつ)敷(し)つ込(こ)めるもんだか分(わか)んねえのさ
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
映(うつ)るは海(うみ)の泥(こひぢ)のみ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
辰の刻から飲みはじめて夜の二時比まで飲んだが、数えてみるとそれぞれ百本の酒を飲んでいた。曾は泥(なまこ)のようにぐにゃぐにゃに酔っぱらって、そこに寝込んでしまった。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
馬杜衡(かんあおい)を食えば善く走り、稲を食えば足重し、鼠糞食えば腹脹る、殭蚕(きょうさん)と烏梅(うばい)で牙を拭(ぬぐ)わば食わず、桑葉を得ば解す、鼠狼(いたち)の皮を槽に置かば食わず、豬槽(ぶたぶね)を以て馬を飼い、石灰で馬槽を泥(ぬ)れば堕胎す
「向うはまだ来ておらんな」と、シェシコーフスキイが泥(はね)を落しながら言った、「さればさ。幕があかぬうちに、一ついい場所を見つけに行くとしますかな。ここじゃ身動きもできはせん。」
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
泥(ひじ)ばみたてる橋はしら
日本橋附近 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
殊に、自分は世の塵の深きに泥(まみ)れ、久しく自然の美しさに焦(こが)れた身、それが今思ふさまその自然の美を占める事が出来る身となつたではないか。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)