“干”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほ46.6%
ひ31.7%
かわ6.3%
ほし4.2%
かん3.2%
もと1.6%
おか1.1%
ぼし1.1%
あずか0.5%
あづか0.5%
かわく0.5%
たづさ0.5%
ひから0.5%
ほす0.5%
をか0.5%
カワ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちらりとふりかえって、呑みかけていた盃を、うまそうにぐびぐびと呑み干(ほ)すと、しずかに益次郎は、かたわらの刀を引きよせた。
流行暗殺節 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
すなわち映画界で五年間の休業をしいられることは実際問題として生きながら干(ひ)ぼしにされることと何らえらぶところはないのである。
映画界手近の問題 (新字新仮名) / 伊丹万作(著)
皺だらけな顏が白くなつた上に大粒(おほつぶ)な汗を滲(にじ)ませながら、脣の干(かわ)いた、齒の疎(まばら)な口を喘(あへ)ぐやうに大きく開けて居ります。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
驟雨(しうう)は後(あと)から後(あと)からと驅(か)つて來(く)るので曉(あかつき)の白(しら)まぬうちから麥(むぎ)を搗(つ)いて庭(には)一杯(ぱい)に筵(むしろ)を干(ほし)た百姓(ひやくしやう)をどうかすると五月蠅(うるさ)く苛(いぢ)めた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
……干(かん)、五、上(じょう)、ク(さく)、六、下(げ)、口(く)の七ツの孔は、人間の五情の言葉と両性の呼吸(いき)ともいえよう。懐竹抄(かいちくしょう)を読んだことがあるだろう
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此(これ)を以(もつ)て相持(あひぢ)する、此(こ)れ説(ぜい)の成(な)る也(なり)。伊尹(いゐん)は(九七)庖(はう)と爲(な)り、百里奚(りけい)は(九八)虜(りよ)と爲(な)る、(九九)皆(みな)由(よ)つて其上(そのかみ)に干(もと)めし所(ところ)也(なり)。
孔子は十二君に歴事したりといい、孟子が斉(せい)の宣王(せんおう)に用いられずして梁の恵王を干(おか)すも、君に仕(つか)うること容易なるものなり。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
可厭(いや)らしく凄(すご)く、不思議なる心持いまもするが、あるいは山男があま干(ぼし)にして貯(たくわ)えたるものならんも知れず、怪(け)しからぬ事かな。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其兄弟を怒る者は(神の)審判(さばき)に干(あずか)り、又其兄弟を愚者よと称(い)う者は集議(天使の前に開かるる天の審判)に干り
此文書は何者の手に出でたか、同志の干(あづか)り知らぬものであつたが、其文章を推するに、例の落首などの如き悪戯(いたづら)ではなく、全く同志を庇護(ひご)しようとしたものと見えた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
竹垣や桶(ひ)の尻干(かわく)くりの花 可吟
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
先日(こなひだ)の茶話で神戸の山下亀三郎氏が勝田蔵相にうつかり「犬馬の労を取つて欲しい」と言つたといふ事を書いた。すると、山下氏の事業に干(たづさ)はつてゐる箕輪益夫(みのわますを)氏から、態々(わざ/\)正誤書が来た。
肉は干(ひから)び、皮萎(しな)びて見るかげもないが、手、胸などの巌乗(がんじょう)さ、渋色(しぶいろ)に亀裂(ひび)が入つて下塗(したぬり)の漆(うるし)で固めたやう、未(ま)だ/\目立つのは鼻筋の判然(きっぱり)と通つて居る顔備(かおぞなえ)と。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
蒙りたるも最前(さいぜん)まで澄(すむ)か濁(にごる)か分らざりしが今は譯(わか)れど濡衣(ぬれぎぬ)を干(ほす)よしもなき身の因果(いんぐわ)と思ひ廻せば廻すほど又も泪(なみだ)の種なるを思ひ返へしてゐる節(をり)から後の方より背中(せなか)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
譬へば千尋(ちひろ)の海底に波起りて、倒(さかしま)に雲霄(うんせう)を干(をか)さんとする如し。我筆いかでか此聲を畫くに足らん。あはれ此聲、人の胸より出づとは思はれず。姑(しばら)く形あるものに喩(たと)へて言はんか。
又此塩の盈ち乾(ヒ)るがごと、盈ち乾よ。又此石の沈むがごと、沈み臥(コヤ)せ。かく咀いて烟(カマド)の上に置かしめき。是を以て、其兄八年の間、干(カワ)き萎み、病み枯(コヤ)しき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)