“いぬ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イヌ
語句割合
犬39.8%
狗25.5%
戌11.5%
射貫4.1%
射抜2.2%
密偵2.2%
探偵2.2%
諜者1.9%
間諜1.0%
狗子1.0%
去0.6%
猟犬0.6%
寝0.6%
寢0.6%
射拔0.6%
鋳抜0.6%
鑄拔0.6%
飼犬0.6%
捕手0.3%
寐0.3%
捕吏0.3%
捕方0.3%
斥候0.3%
洋犬0.3%
猛犬0.3%
率寝0.3%
睡0.3%
走狗0.3%
隠密0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其(そ)の時(とき)、豫(かね)て校庭(かうてい)に養(やしな)はれて、嚮導(きやうだう)に立(た)つた犬(いぬ)の、恥(は)ぢて自(みづか)ら殺(ころ)したとも言(い)ひ、然(しか)らずと言(い)ふのが——こゝに顯(あらは)れたのでありました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
で、彼はすっかり満足してにたっと笑いを浮べお尻を上げると、今度はどういうつもりか調理場の方へ狗(いぬ)のようにはいって行くや
天馬 (新字新仮名) / 金史良(著)
十二支というのは、子、丑(うし)、寅(とら)、卯、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)の十二で、午の年とか酉の年とかいうあの呼び方なのです。
大金塊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
もし第一の場合なりせば、こは日蝕の時、光の射貫(いぬ)く(他の粗なる物體に引入れらるゝ時の如く)ことによりて明らかならむ 七九—八一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その枕はピストルのたまで射抜(いぬ)かれ、血のりで汚れたからです。それが恐ろしい他殺の証拠になるからです。
妻に失恋した男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
近く、三月三日を期して、水戸の志士が桜田門外の井伊大老を要撃することは、文次にはわかっているが、彼はもう、幕府の密偵(いぬ)ではなかった。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
支那の探偵(いぬ)になるような奴あ大和魂を知らねえ奴だ、大和魂を知らねえ奴あ日本人のなかまじゃあねえぞ、日本人のなかまでなけりゃ支那人も同一(おんなじ)だ。
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「諜者(いぬ)か、おのれは」右衛門尉は、曲者(くせもの)の耳を引っ張っていった。痛さに顔をしかめた曲者の顔が斜めに長く伸びた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ふらちなやつだ。さてはきさまは、どこかの大名(だいみょう)の手先になって、諸国をうかがう、間諜(いぬ)だな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつまでも永く狗子(いぬ)のやうに從ひてむ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
マルチノ思ひ定めかねて、僧たちと謀(はか)らんとて去(いぬ)る折柄、ペツポのをぢは例の木履(きぐつ)を手に穿(は)きていざり來ぬ。
と、まるでわれら明智の一勢を、猪鹿(しししか)を追う勢子(せこ)か猟犬(いぬ)のように見ての陣沙汰(じんざた)。どうしてこの気持のまま戦場へ赴かれるものぞ。これこそあのじゃじゃ馬殿の恐るべき例の策智(はかりごと)だ
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昨日(きのう)は富家(ふうか)の門を守りて、頸(くび)に真鍮の輪を掛(かけ)し身の、今日は喪家(そうか)の狗(く)となり果(はて)て、寝(いぬ)るに窠(とや)なく食するに肉なく、夜(よ)は辻堂の床下(ゆかした)に雨露を凌(しの)いで、無躾(ぶしつけ)なる土豚(もぐら)に驚かされ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
行けども寢(いぬ)る家無き子の
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
ロミオ すりゃ、其(その)名前(なまへ)に胸板(むないた)を射拔(いぬ)かれたやうに思(おも)うて、其(その)名前(なまへ)の持主(もちぬし)が大事(だいじ)の近親(うから)を殺(ころ)したゆゑ。
下女は何とも云わずに御辞儀(おじぎ)をして立って行く。白足袋(しろたび)の裏だけが目立ってよごれて見える。道也先生の頭の上には丸く鉄を鋳抜(いぬ)いた、かな灯籠(どうろう)がぶら下がっている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
殺された福島嘉平太はまだ五十そこ/\、武藝で鍛(きた)へた身體は、鐵で鑄拔(いぬ)いたやうに見事なものです。
燥(はし)やぎのジム(飼犬(いぬ)の名)が人々の後を追ひかけ廻つて叱(しか)られたり、子供たちが走つて転(ころ)んで収穫物(とりいれもの)が笊の中から飛び出して地べたをころ/\ころがりあるいたり、……そんな日には家中(うちぢゆう)に愉快な
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
「アッハッハッ、この風で捕手(いぬ)どもの眼を眩(くらま)しとっ走るのよ! ……おかげで湯にもはいれた。……心と一緒に体も綺麗になったってものさ」
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「捕手(いぬ)どもとうとう猟立(かりた)てに来やがったな! ようし!」
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これと同時に厨(くりや)にては田楽(でんがく)を焼き初む。味噌の臭(におい)に鬼は逃ぐとぞいふなる。撒きたる豆はそを蒲団(ふとん)の下に敷きて寐(いぬ)れば腫物出づとて必ず拾ふ事なり。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「捕吏(いぬ)らしい奴ばらが十二、三人、向こうの茶屋に集(つど)っておるがな」
犬神娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さっきまで囲炉裡側で、五人揃って、お頭のおいでになるのを待っていましたが、捕方(いぬ)どもが飛び込んで参りましたのでチリヂリバラバラ、この家のあちこちに……」
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
博徒三 宵でもあることかもう夜明け近いぞ、胡散(うさん)臭い爺め。——八丁方の斥候(いぬ)だろう。
沓掛時次郎 三幕十場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
その時分、黒いやせた、茶色の斑点が額にコブのようにある洋犬(いぬ)をカメと呼んだ。だが、そのおり人々が口にしたカメは、連れていた小犬ではなく、どうもその女の方をさして呼んでいた様子だった。
猛犬(いぬ)どもは物凄い唸りとともに一斉にその餌食に跳びついた。と
犬舎 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
皆人の得がてにすちふ君を得て吾(わが)率寝(いぬ)る夜は人な来(きた)りそ
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
况(いは)んや明日よりは全(まつた)く人跡到(いた)らざるの地を探(さぐ)るに於てをや、嗚呼(ああ)予等一行果(はた)して何れの時かよく此目的を達(たつ)するを得べき、想ふて前途の事(こと)に到(いた)れば感慨(かんがい)胸に迫(せま)り、殆(ほと)んど睡(いぬ)る能はざらしむ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
国難に当るや直ちに国を売り、兵難に及ぶやたちまち矛(ほこ)を逆しまにして敵将に媚(こ)び、その走狗(いぬ)となって、きのうの友に咬(か)みかかるとは何事ぞ。その武者振りの浅ましさよ。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「でも犬神もこんなご時勢には、ご祈祷(きとう)ばかりしていたんでは食えないのさ……。犬の字通り隠密(いぬ)にだってなるのさ。……取っ付きとさえ云われている犬神、こいつが隠密(いぬ)になったひにゃア、どんな獲物だって逃がしっこはないよ」
犬神娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)