“服(き)” の例文
是に於いて、皇太子復(ま)た使者を返し、其の衣を取らしめ、常の如(ごと)く且(ま)た服(き)たまふ。時の人大に異(あや)しみて曰く、聖の聖を知ること、其れ実(まこと)なる哉。逾(いよいよ)惶(かしこ)まる。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
かれ匍匐(はひ)進起(しじま)ひて、庭中に跪ける時に、水潦(にはたづみ)二五腰に至りき。その臣、紅(あか)き紐(ひも)著けたる青摺(あをずり)の衣(きぬ)二六を服(き)たりければ、水潦紅き紐に觸りて、青みな紅(あけ)になりぬ。
真鳥(まとり)住(す)む卯名手(うなて)の神社(もり)の菅(すが)のみ(本文は根(ね)とある)を衣(きぬ)に書(か)き付(つ)け服(き)せむ児(こ)(女(をんな))もがも
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
臣は今日出家(いへで)して、陛下(きみ)の為めに功徳(のりのこと)を修(おこな)はむと欲(おも)ふ。天皇聴(ゆる)したまふ。即日(そのひ)出家して法(ころも)を服(き)たまふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
兵士(いくさびと)を隱し伏せ、鎧を衣の中に服(き)せて、河の邊に到りて、船に乘らむとする時に、その嚴飾(かざ)れる處を望(みさ)けて、弟王その呉床(あぐら)にいますと思ほして、ふつに檝(かぢ)を取りて船に立ちませることを知らず
更にその兄王の河を渡りまさむ時のために、船檝(かぢ)を具へ飾り、また佐那葛(さなかづら)三の根を臼搗(うすづ)き、その汁の滑(なめ)を取りて、その船の中の簀椅(すばし)に塗りて、蹈みて仆るべく設(ま)けて、その王子は、布(たへ)の衣褌(きぬはかま)を服(き)て