“晴(ば)” の例文
ときどき、雷(かみなり)が鳴(な)って、雨(あめ)がふりそうに見(み)えながら、夜(よる)は、また、一片(ぺん)の雲(くも)すらなく、晴(は)れ晴(ば)れと晴(は)れ上(あ)がるような、日(ひ)でりがつづきました。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「夫(それ)は分(わか)つてゐる。本人の病気に付(つ)け込んで僕が意趣晴(ば)らしに、虐待(ぎやくたい)でもすると思つてるんだらうが、僕だつて、まさか」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
が、俺の方は、おっけ晴(ば)れて、許して縁の下へ入れて置いて貰う方が、隠忍んで隣の空屋に潜るよりかも希望(のぞみ)ですだ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、こんな一刻(いっとき)が、せめて陣中での鬱(う)さ晴(ば)らしなのだといわぬばかりに、よく飲むし、また相手へも
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なまじ知(し)ってる顔(かお)よりも、はじめて会(あ)って見(み)る方(ほう)に、はずむ話(はなし)があるものだ。——それにお前(まえ)、相手(あいて)は当時(とうじ)上上吉(じょうじょうきち)の女形(おやま)、会(あ)ってるだけでも、気(き)が晴(は)れ晴(ば)れとするようだぜ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
奧(おく)さんは晴(は)れ晴(ば)れしくひとみを輝(かゞや)かしながら、暫(しば)らくその額面(がくめん)に眺(なが)め入つてゐた。
夢 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
『しあわせ人形(にんぎょう)』と書(か)いてある箱(はこ)の中(なか)にはいっている人形(にんぎょう)は、その顔(かお)を描(か)くときに、私(わたし)の気持(きも)ちが晴(は)れ晴(ば)れとしていましたから、そう書(か)いたのです。
気まぐれの人形師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
正吉(しょうきち)の家(いえ)は、急(きゅう)に晴(は)れ晴(ば)れとしてきました。曇(くも)った日(ひ)に、雲間(くもま)から日(ひ)の光(ひかり)が射(さ)したように明(あか)るくなってきました。
幸福のはさみ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いいお天気(てんき)でございます。よく精(せい)が出(で)るのう。」と、声(こえ)をかけられると、人々(ひとびと)は急(きゅう)に晴(は)れ晴(ば)れした気持(きも)ちになって、また仕事(しごと)にとりかかったのであります。
犬と人と花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
孝吉(こうきち)は、よく屋根(やね)の植木(うえき)を並(なら)べてある台(だい)の上(うえ)へ出(で)ます。なぜなら、あすこはよく日(ひ)が当(あ)たってあたたかであるし、また遠方(えんぽう)の景色(けしき)が見(み)えて、なんとなく気分(きぶん)が晴(は)れ晴(ば)れするからでした。
すずめの巣 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして太陽(たいよう)が、たまたま雲間(くもま)から出(で)て、暖(あたた)かな顔(かお)つきで、晴(は)れ晴(ば)れしくこの真(ま)っ白(しろ)い世(よ)の中(なか)をながめますときは、おじいさんは、こまどりのはいっているかごをひなたに出(だ)してやりました。
こまどりと酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
晴(は)れ晴(ば)れとした子供(こども)の心(こころ)を暗(くら)くしてはならぬと思(おも)われたので
すずめを打つ (新字新仮名) / 小川未明(著)