“攫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さら57.7%
つか34.3%
つかま2.8%
かく1.1%
さ0.6%
ざら0.6%
と0.6%
や0.3%
くわく0.3%
さらわ0.3%
さろ0.3%
たく0.3%
つかみ0.3%
つかん0.3%
つら0.3%
とら0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(茫然(ぼんやり)してると、木精(こだま)が攫(さら)ふぜ、昼間(ひるま)だつて用捨(ようしや)はねえよ。)と嘲(あざけ)るが如(ごと)く言(い)ひ棄(す)てたが、軈(やが)て岩(いは)の陰(かげ)に入(はい)つて高(たか)い処(ところ)の草(くさ)に隠(かく)れた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
スイスの一部では最後の稈(わら)一攫(つか)みを苅り取った人を麦の山羊と名付け、山羊然とその頸に鈴を付け、行列して伴れ行き酒で盛り潰(つぶ)す。
与兵衛はさう考へながら、山の頂から真直(まつすぐ)に川の方へ、樹(き)の枝に攫(つかま)りながら、蔓(つる)に縋(すが)りながら、大急ぎに急いで降りて行きました。
山さち川さち (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
牧畜経営に一攫(かく)千金の夢もさめ、大小の開港場成金(なりきん)は横浜に簇生(ぞくせい)していたが、父には失意の時代であったようだ。
斯ういう痣があればこそ僕は民間から攫(さ)らわれて喇嘛の高位に登ったのだ。そしてこの痣のあることは長老以外には誰も知らない。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、憎々しく高らかに笑ったが、「これさ島君驚いたか、もうこうなれば何もかも洗い攫(ざら)い云って聞かせる——設計図(みつもりず)を盗んだは俺ではない。 ...
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
攫(と)ったか未だ審(つまびらか)ならずであるが、本望だというのに、絹糸のような春雨でも、襦袢(じゅばん)もなしに素袷(すあわせ)の膚薄(はだうす)な、と畜生め、何でもといって貸してくれた、と番傘に柳ばしと筆ぶとに打つけたのを
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(酒が飲めなきゃ飯を食ってもう帰れ、御苦労だった、今度ッからもっと上手に攫(や)れよ。)と言われて、畳に喰(くい)ついて泣いていると、(親がないんだわねえ、)と、勿体ねえ
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蓋し猛虎も餓(う)ゆるが故に他を攫(くわく)す、然れども何の日か猛虎の全く餓ゆるなきを得む。
想断々(2) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
塗り立てて瓢箪形(ひょうたんなり)の池浅く、焙烙(ほうろく)に熬(い)る玉子の黄味に、朝夕を楽しく暮す金魚の世は、尾を振り立てて藻(も)に潜(もぐ)るとも、起つ波に身を攫(さらわ)るる憂(うれい)はない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「武者たちが、海のほうへ、引っ攫(さろ)うて行った。——鎌倉殿のおいいつけじゃと」
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私から引(ひ)っ攫(たく)り取った鞄を、片手にヨチヨチと、鍬(くわ)を担(かつ)いで通りかかった下男が、またその鞄を受取って、甥を取り巻いて洟(はな)を垂らしながら
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)
そんなにひどくお攫(つかみ)なすっちゃあ、いや。
鳥屋の店先で青(あを)ン膨(ぶくれ)の若者が、パタ/\踠(あが)いてゐる鷄を攫(つかん)で首をおツぺしよるやうに引ン捩(ねぢ)ツてゐることや、肉屋の店に皮を剥がれたまゝの豚が鈎(かぎ)に吊されて逆さになツてゐることや
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
つまり私は一般を心得た上で、例外の場合をしっかり攫(つら)まえたつもりで得意だったのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「此(これ)は白坊主(しろばうず)」とそつけなくいつた。彼(かれ)は鍋(なべ)といふのが厭(いや)でさういつたのである。兼(かね)博勞(ばくらう)はうまく或(ある)物(もの)を攫(とら)へた樣(やう)に得意(とくい)に成(な)つて村落中(むらぢゆう)へ響(ひゞ)かせた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)