“熬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
い65.4%
こら7.7%
いり7.7%
いりつけ7.7%
いら3.8%
がう3.8%
に3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうしてそのつど人に知れないように、そっと含嗽の水を幾分かずつ胃の中に飲み下して、やっと熬(い)りつくような渇(かわき)を紛(まぎ)らしていた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此想像は博士の胸に針で刺すやうな痛を覚えさせるので、博士は声を出して、「えゝ、糞を」とでも云ひたいやうであるのを、ぢつと熬(こら)へる。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
命(いのち)たすかりたるのち春暖(しゆんだん)にいたれば腫(はれ)病(やまひ)となり良医(りやうい)も治(ぢ)しがたし。凍死(こゞえしゝ)たるはまづ塩(しほ)を熬(いり)て布(ぬの)に包(つゝみ)しば/\臍(へそ)をあたゝめ稿火(わらび)の弱(よわき)をもつて次第(しだい)に温(あたゝむ)べし、助(たすか)りたるのち病(やまひ)を発(はつ)せず。
其書(しよ)を借(か)りえてよみしに、○塔不剌(たふふら)とありて注(ちゆう)に○葱(ねぎ)○椒(さんしよ)○油○醤(ひしほ)を熬(いりつけ)、後(あと)より鴨(あひる)或は雞○鵞(が)をいれ、慢火(ぬるひ)にて養熟(しあげる)とあり。
若(も)し彼の眼(まなこ)に睨(にら)まれんとも、互の面(おもて)を合せて、言(ことば)は交(かは)さずとも切(せめ)ては相見て相知らばやと、四年(よとせ)を恋に饑(う)ゑたる彼の心は熬(いら)るる如く動きぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その又汁も淡薄であるから、熬(がう)して膏とすることは出来ない。
鴉片 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
六群比丘(びく)とて仏弟子ながら、毎(いつ)も戒律を破る六人の僧あり。質帝隷居士、百味の食を作り、清僧を請じ、余り物もてこの六比丘を請ぜしに、油と塩で熬(に)た魚をくれぬが不足だ。