“きこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キコ
語句割合
聞64.7%
聴10.6%
騎虎9.2%
旗鼓5.7%
木樵3.2%
着込1.4%
聽1.1%
奇古0.7%
旗皷0.7%
鬼狐0.7%
木伐0.4%
樵0.4%
希古0.4%
睎古0.4%
綺戸0.4%
解0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小波(さざなみ)の上を吹く風の音さえ聞(きこ)えそうに静かな海だった。夜になると、この辺の船は、洋灯をつけていたが、いまもそうなのだろうか。
田舎がえり (新字新仮名) / 林芙美子(著)
今朝埋(い)けた佐倉炭(さくらずみ)は白くなって、薩摩五徳(さつまごとく)に懸(か)けた鉄瓶(てつびん)がほとんど冷(さ)めている。炭取は空(から)だ。手を敲(たた)いたがちょっと台所まで聴(きこ)えない。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「前途の多難は今宵ばかりでない。どこまでも大事を取って進まねばならぬ。騎虎(きこ)の勇にはやって、二つとない身を傷つけたら何といたす」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
斯(こ)の千載一遇の好機会に当り、同胞にして若(も)し悠久の光栄を計らず、徒(いたづ)らに一時の旗鼓(きこ)の勝利と浮薄なる外人の称讃に幻惑するが如き挙に出でしめば
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
第四日は五色温泉を経て三(さん)の公(こ)の峡谷を探り、もし行けたらば八幡平(はちまんだいら)、隠(かく)し平(だいら)までも見届けて、木樵(きこ)りの小屋にでも泊(と)めて貰(もら)うか、入(しお)の波(は)まで出て来て泊まる。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
乱箱(みだればこ)に畳(たた)んであった着物を無造作に引摺出(ひきずりだ)して、上着だけ引剥(ひっぱ)いで着込(きこ)んだ証拠(しょうこ)に、襦袢(じゅばん)も羽織も床(とこ)の間(ま)を辷(すべ)って、坐蒲団(すわりぶとん)の傍(わき)まで散々(ちりぢり)のしだらなさ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
皺嗄(しやが)れた殆(ほとん)ど聴取(きゝと)れない程(ほど)の聲(こゑ)で、恁(か)う唄(うた)ふのが何處(どこ)ともなく聽(きこ)えた。私(わたし)は思(おも)はず少(すこ)し歩(あゆみ)を緩(ゆる)くして耳(みゝ)を傾(かたむ)けた。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
もう一人は、黄色い法衣(ころも)を着て、耳に小さな青銅(からかね)の環をさげた、一見、象貌(しやうばう)の奇古(きこ)な沙門(しやもん)である。
酒虫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
例によって寝てからの枕の上にも、疑いと打消しとが旗皷(きこ)相下らず闘って、明日の天気はと問れた父の詞に、縁結びで御在ますかと答えて、もう夢か寝附の早い男じゃと笑われ
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
不思議な記憶の花模様を全身に繍(ぬ)ひ鋳(い)りつけてくると人は鬼狐(きこ)の如くこの感覚一点に繋がれて、又昨日の魚を思ひ、犒(ねぎら)ひ、たわみ、迷うて、再び河海を遊弋(ゆうよく)するやうになる。
魚美人 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
猟師や木伐(きこ)り以上に鳥獣や樹木の保存に関心をもち、もしその一部が焼けでもしたら、わたしがあやまって焼いた場合でさえも
多くのわたしの町の人——朝まだきにボストンにむかう農夫や仕事に出かける木伐(きこ)り——はわたしがこの仕事から帰ってくるのに出会った。
中村・沢目・蘆谷(あしのや)村と云ふは、岩木山の崥(ふもと)にして田畑も多からねば、炭を焼き薪を樵(きこ)りて、活計の一助となす。此里に九助といふ者あり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その後も天城山に薪(まき)を樵(きこ)り、又は宮木を曳(ひ)きなどに入った者がおりおりこの女を見かけることがあった。いつも十七八の顔形で、身には木の葉などを綴(つづ)り合わせた珍しい衣服を纏(まと)うていた。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
方孝孺は如何(いか)なる人ぞや。孝孺字(あざな)は希直(きちょく)、一字は希古(きこ)、寧海(ねいかい)の人。父克勤(こくきん)は済寧(せいねい)の知府(ちふ)たり。治を為すに徳を本(もと)とし、心を苦(くるし)めて民の為(ため)にす。田野(でんや)を闢(ひら)き、学校を興し、勤倹身を持し、敦厚(とんこう)人を待つ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
李唐(りとう)、字(あざな)は睎古(きこ)といい、かつては書院の巨匠朱鋭とか李辿(りてん)などと並び称されたほどな画人であった。
人間山水図巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
筵(えん)を開き 綺戸(きこ)に当る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
どうも可訝(おか)しい、絵が上手になりますように、踊が、浄瑠璃(じょうるり)が、裁縫(おしごと)が、だとよく解(きこ)えるけれども、小説は、他(ほか)に何とか祈念のしようがありそうに思われる。作者だってそう思う。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)